さて、表題にある通り「組織文化の安定と人種」について書いていきます。私が会社を売却するまでに犯した過ちの1つに「文化が脆弱にも関わらず異邦人を採用してしまった」が、あります。今日はこの経験をもとに「外部のハイレイヤー人材」を、どのタイミングで採用すべきかを考えていきたいと思います。

文化の安定と人種は相関する

結論を書いてしまうと、文化の安定と人種は相関します。例えば、エンジニア数人が立ち上げたスタートアップには理系出身の新卒が馴染むし、ちょっとヤンチャな兄ちゃんが作ったベンチャーにはパリピの兄ちゃんが良く馴染みます。人種というと重苦しいですが、ようは「同じようなバックボーンを持っている人」を意識的に採用したほうが、組織文化は安定すると言う事です。なぜなら、新しい人が入社する度に「その人が持つ気質」が文化に反映されていくからです。

単一的なファンクションから、多面的なファンクションへ

しかし、会社を大きくしようと思ったら単一的なファンクションだけでは事足りません。押しの強いパリピだけ抱えていても経理業務が滞るし、エンジニアだけでは販促が思うように進みません。このように、会社が大きくなるにつれて多面的なファンクションが必要になり、いよいよ異邦人（自分達とは異なるバックボーンを持つ人）を組織に招く段階になります。

いつ招くか

この問題で重要な「問い」は、どのタイミングで異邦人を招くのか（採用するのか）という事です。先にも書いた通り、新しい人が入る度に組織文化はアップデートされていくので、文化の基盤が脆弱なうちに異邦人を採用すると十中八九組織が壊滅します。

理由は単純で、異邦人が持ち込む文化と採用したA社が育んでいる文化が衝突するからです。設立数年で、30〜40人規模のA社は普遍的な価値観や方向性が定まっていない段階であり、外部の人が持つ完成された価値観と衝突すると、脆弱な文化は音を立てて崩れ落ちます。皆さんの組織でトラブルが頻繁に起きるようになったタイミングを思い返してください。それって、異邦人（異なるバックボーンを持つ人）を採用し始めたタイミングじゃないですか？

100人までは、同じ人種だけで良い

これは、とある先輩からもらったアドバイスです。私が、どのタイミングで外部のハイレイヤーを採用しようか悩んでいた時、「100人までは同じ人種だけで良い」とアドバイス頂きました。その先輩いわく、文化が固まっていない段階で外部の人を入れてしまうと、これまで作り上げた文化が壊れて、組織が壊滅していくので、焦らず100人くらいまでは同じ人種（同じようなバックボーン）だけを採用して、強い文化を醸成する事を優先しなさい。という事でした。

会社がちょっと大きくなると、大きくなった会社に見合う人材を採用したい衝動にかられますが、まだまだ必要ありません。そもそも、外にいるエリートも100人くらいの小さな会社に来ても中々会社に貢献できないものです。彼らは、使える金がたんまりあったり、リソースが十分（500人〜）な時に能力を発揮するので。

会社を大きくするには、様々なバックボーンを持つ人を採用して1つにする必要がありますが、問題は「どのタイミングで採用するのか」であります。そのタイミングを間違えると、組織が壊滅しかねないので、慎重に進めることをお勧めします。まずは単一人種を採用し続けて強い組織文化を醸成すること。外部のハイレイヤーは、それからでも遅くありません。

組織文化の安定と人種の相関について