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この記事は10月12日（木）にサロンで配信されたコンテンツです。

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■会社売却までの具体的な道のり

さて、本サロンにもEXITを検討している創業者がいらっしゃるので、会社売却までの具体的な道のりを書こうと思います。言うまでもありませんが、会社を売却するうえで大切な事は「他人が欲しいと思う会社である事」です。

つまり、私が書き上げる「売却の道のり」に本質的な価値は無く、ご自身の事業の価値を高める事こそ、本来やるべき事である事を忘れないでください。そこを抑えておけば、どのような形であれ（IPO・売却）いずれEXITできる筈です。

《会社売却の具体的な手順》

①M&A仲介人に声をかける
②買収候補者と面談
③本格的な交渉開始
④ディール

①M&A仲介人に声をかける

まずは、仲介人に会社売却を検討している旨を伝えます。

MA仲介人は個人でやっている業者が多いものの、個人の方はオススメできません。理由は単純で、個人の場合「モラル＜利益」になりやすいからです。可能な限り、組織的にMA仲介をやっている業者を選びましょう。

人材ヘッドハンター、先輩経営者なども仲介してくれる事があります。ご興味がある方は、敏腕仲介人をご紹介します。

②買収候補者と面談

MA仲介人とNDAを結んだ後、仲介人から事業特性や創業者の実質的な利益額、シナジーのある領域、売却希望額などをインタビューされ、それをもとに仲介人が候補者を選定します。

同時に1期～進行期の決算書、月次決算、組織図、従業員名簿、株主名簿など（実際はもっと多い）を仲介人に送付して、選定した買収候補者に開示します。

この時点では会社名や従業員名などはマスキングされ、売りに出された会社を特定できないようになっています。

仲介人から声をかけられた候補者は、決算書と提示された売却希望額だけで会社の善し悪しを判断し、面談するか検討します。

まずは、ここが第一関門ですね。奇麗な決算を積み上げて、妥当性のある価格を提示しないと、会ってみたいと思ってくれる候補者が見つかりませんから。

このようなプロセスを経て、買収候補者と面談に至ります。
候補者が見つかるまで、だいたい1ヶ月～1年程度でしょうか。私の場合、20日弱で見つかりました。仲介人に聞いたところ、3年以上買収先を探している会社もあるとのこと。

初回面談では、会社の歴史、決算内容、業績の見通し、会社で起きたトラブルなどを質問されます。当たり前ですが、面談に望む前に、何を聞かれても説明できるよう頭の中を整理しておきましょう。（ちなみに、買収候補者と会う段階で会社名は開示されます）

会社で係争を抱えている場合、本格的な交渉が始まる前にディスクロージャーします。

③本格的な交渉開始

初回面談を経て、本格的な交渉に入ります。価格交渉はもちろん、株の譲渡スキーム（株の買取方法）、取締役を退任するタイミング、従業員に開示するタイミング、その他細かい契約内容を詰めていきます。

交渉時に特に大切なのは下記３点です。

①価格交渉
②株の譲渡スキーム
③契約内容

価格交渉は言うまでもありませんが、株の譲渡スキーム（株の買取方法）は価格交渉に比べると軽視されがちなので、サロンの皆さんはしっかり留意して下さい。

創業者にとって大切な事は、売却益を一括で受け取る事です。

買収先はアーンアウトのような手法で買収する事を好みますが、可能な限り一括で売却益を受け取ること。100%一括受け取りが難しくても、100%に近づける努力は必ずしましょう。価格を多少ディスカウントしたとしても、私は売却益を一括で受けとる事を優先すべきだと思います。

アーンアウトのような分割払だと後になって株の買取価格を変更したいと要求されたり、場合によっては売却益を100%回収出来ない事もあります。先輩からも散々言われましたが、M&Aは先に資金を回収したほうが勝ちです。

契約内容は言うまでもありませんね。連帯保証契約を新代表に継承、創業者に短期貸付金がある場合の処理方法、すでに支払済の経費についての精算保証、この辺りはマストです。

交渉中、実際に買収候補者から送られてきたメールです。財務、法務、会社規定について、相当な量の質問をうけるので、資料を準備するだけで1日終わってしまったりします。。

④ディール（調印式）

交渉が無事終わったら、調印式を迎えます。いわば、契約書にハンコを押す日ですね。

※もちろん、途中で交渉で決裂した場合、この日を迎える事はできません。

この日はカメラマンが新代表と創業者のツーショットを撮ったり、行政書士が同席して、契約終了後にそのまま役所で新代表を登記したりします。

調印式で両者のハンコが押されると、やっと会社売却が完了します。短いようで、長い。

同時に、自分で作り上げてきた会社が他人のモノになります。

会社売却は、こんな感じで進んでいきます。少しでもイメージを掴んで頂ければ嬉しく思います。以上、会社売却までの道のりでした。

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