更新が遅れてしまいました。
6月17日を持って、ICLABOプロデュース公演Vol,2「ALICE」無事閉幕しました。
たくさんの応援、ご来場、誠に、誠にありがとうございました。
夢のような日々が終わり
各キャストも自身の想いをブログに綴っています。
改めて、みんながこのALICEという作品を愛してくれてたんだなと
再認識する日々です。
この舞台に関わってくれた全ての方々に
この場を借りて今一度
本当にありがとうございました。
とっても素敵な、夢物語が出来たと思います。
長くなりますが、作・演出後記でも書きますかね。
ALICE誕生の一番最初は、音楽からでした。
たまたま、本当にCDなんて滅多に買わない僕が
店で流れているのに一目惚れ(一聴き惚れ?)して購入したのが始まりです。
その曲は、プッシャーがエリカを夢の国に案内する時の曲。
家に帰って聴いてると、一気に僕の頭の中に世界が広がっていきました。
何者かに追われ、逃げるように不思議な世界へ迷い込んでいく少女。
その横にはヒョロっとした紳士の姿。そして絵本が開く音。
あのシーンは、この曲の中から生まれました。
今思えば、あの頃から僕の頭のどこかに、プッシャーが現れたんじゃないかな。
ラック・プッシャーとは、英語で「お調子者」の意味。
自分で生んどいてなんですが、プッシャーは本当に僕の言うことを聞きませんでした。
いくら台本上で操ろうとしても、ちっとも筆が進まない。
逆に、ほっとけばいつの間にか他のキャラクターと喋り出して、話が進んでゆく。
ALICEの台本は、僕が書いたというよりも、プッシャーについてまわって
色んな人達と喋るのを記録していったような、そんな感じでした。
そりゃまぁ、多少は自分なりの価値観だったりメッセージだったりってもの入れてますが
プッシャーのセリフは、ほとんどと言っていいくらい
勝手に出てきたセリフです。出てきたというより、喋ってるのをメモしたセリフです。
なんかいっちょ前に聞こえますが、この感覚、本当なんです。
ALICEの冒頭。アリスの一人語りで
アリス「私は、ずっとこの世界の中で生きてきた。それを私は運命だと受け入れているわ。後悔なんてしていない。だってこの世界は、とても素敵な世界ですもの。でも一度だけ、一度だけ願いが叶うなら。私、外の世界を見てみたいの。こことは違う、もうひとつの世界。私が考えつかないような世界を!」
というのがありました。
ここでの「この世界」というのは、今僕らがいる、この世界。
地球ってことですかね。つまりは現実世界です。その中で、あなたも僕も、ずっと生きています。
そして「外の世界」というのが、「舞台」のこと。
ここ(現実)とは違う、もう一つの世界。誰も考えつかない夢のような世界。
逆説というんでしょうか?うまく言えませんが、多少捻っています。
これから始まる舞台への幕開けとして書いたセリフでした。
物語のなかのやりとりで
エリカ「記憶を?」
プッシャー「この世界で経験した出来事なんて、君の世界では必要のないことだからね」
エリカ「・・・」
プッシャー「世界と別世界を移動した人の記憶は、一部が曖昧になってしまうんだ。僕は除いてね」
というのがありました。他にも
アリス「『アリス』という存在は、この世界になくてはならないもの。『アリス』が居なくなれば、この世界は消えて無くなってしまうのです」
エリカ「どうして?」
ウィル「そういう決まりなんだよ!」
~中略~
ジャック「そうか…思い出した…ここで繰り返すのか、俺たちは」
プッシャー「そうさ。いつまでも、僕たちは繰り返す」
~中略~
プッシャー「世界と世界を移動した者は記憶が消される。アリスが帰ってきたときはその力がこの世界全体に及ぶのさ」
ジャック「アリスが帰ってくれば、俺たちは記憶を無くす。同じ日々を繰り返す。俺の役目はアリスを、君を無事に送り届けること」
なんていうのもありました。
これ、裏の意味というか、僕なりに「絵本の登場人物たち」の本音を書いたつもりでした。
いうまでもなく、プッシャー達は絵本の登場人物。
プッシャーの言う「世界」とは「絵本」の事。
ひとつの絵本を読んでいる時はよくても、別のを手に取れば
さっき読んでた絵本の内容は曖昧になっていく。子供なら特に。
「アリス」とは「絵本の読者」って感じですかね。
読者が読み出さなければ、絵本の世界は無いも同じ。
(アリスが居なくなれば、この世界は消えてなくなってしまう)
そして、内容が曖昧な読者は、絵本をまた最初から読み始める。
登場人物たちからすれば、記憶を失って同じことを繰り返しているように見える。
劇中では、アリスが居なくなるとなぜ世界が消えるのか
明確に答える人はいませんでした。そういう決まりなんだというばかり。
でも、本当にそのままなんだと思います。なんたって読者ですからね。
読まれなければ、始まらないのですからね。
アリスがいなくなる代わりに、エリカがこの絵本を読み進めていたんですね。
そう考えると、あのコミカルなキャラクター達が
急にちょっとダークな存在になるというか、一歩離れるというか。
不思議の国のアリスって、どこか怖い部分があるイメージがあって
救われない感じというか、うやむやな感じがすごく僕のなかにありました。
なのでそのテイストも出したいなとは思っていました。
そしてその繰り返しの日々に、一番翻弄されていたのは、プッシャーだったんじゃないかと。
彼だけは、その繰り返しを忘れず、それこそずっと同じような日々を繰り返していました。
彼のピエロ的な言動に、それとなく寂しさを入れたかったのはそういう事でもありました。
だからこそ、新しい風を得ようと、アリスとエリカの入れ替えを行なった。
プッシャーはすごい魔法使いですからね。自分一人で、なんだって出来ます。きっと。
楽しいことが大好きで、でも新しいことをしても、すぐ出来てしまう。だから、すぐ飽きる。
なんでも自分の思い通りにならないと気が済まないが、思い通りになるとつまらない。
そんな誰も解決できないような矛盾を抱えながら、この世界を生きている。
それが、プッシャーなんじゃないかなと。僕は思います。
それでも、同じような日々に感じるのは何も絵本の世界に限ったことではなくて
現実世界でエリカも感じたように、僕らも時々感じることなんじゃないかなと。
プッシャーは、そんなエリカに何かを気付かせようとしたんじゃないかなとも思うんです。
本当に、なにがしたいんだコイツは。
僕ですらも、真意は最後まで掴めませんでした。
まるで夢オチ。でも、プッシャーは言います。
プッシャー「夢オチ?結構結構!どうせ夢なら、楽しまなきゃ損!」
けむにまかれて、彼は僕の頭の中から居なくなってしまいました。
演出としては
本当に今回の現場は楽しかった。
どんどん作品が理想に近づいていき、ついには超えていく。
その過程を見れるのは、演出の醍醐味でもあるんだなぁと思います。
今回の作品は、細かい心理描写よりも、なによりも勢い。
ディズニーのパレードのように
とにかく思い切り、分かりやすくひとりひとりが出し切ること。
お客さんに笑って楽しんで帰ってもらうこと。
今回はそこだけに焦点をあてていきました。
来年旗揚げる劇団のテーマの一つ「わかりやすさと楽しさ」を実行してみました。
でもやっぱり、コメディって難しいです。
笑いなんて、それこそ十人十色の価値観や感覚がありますから。
綿密な伏線が回収されていくのに面白さや笑いを感じる人もいれば
動きや表情だけで面白かったり。裸芸でも笑える昨今ですからね。
ギャグの部分にしろコントの部分にしろ、ある意味全て賭けです。
笑いってのはやっぱり難しい。極端な話、
人が死ねばそれなりに悲しくはなれるし
女性が脱げば世間は注目する。
それでも僕がコメディを好きな理由は
「誰も死なない、誰も脱がない、でも誰もが満足できる可能性がある」
だからコメディって、難しいけどやりがいがあるのかなぁと思うんです。
あー、長くなってしまったw
ここまでちゃんと読んでくださった方、ありがとうございます。
キャストにも、恵まれました。
本当に理想のキャストが揃ってくれました。
キャストの一人に「望んでいる事が出来たのか、不安だった」と言われたことがありました。
僕からしてみれば、この人にこの役をやって欲しいというのが一番の望みで
それをやってくれた時点で、僕の望みはほとんど叶えられていたんです。
それから僕がやったことは、どうすればこのキャストをもっともっと活かせるかってことでした。
だから本当に、今現時点で出来る最高峰のALICEが出来上がったんじゃないかなと思ってます。
観劇後、各方面の方々からもありがたいメールやお言葉を頂きました。
「再演しなよ!」という言葉まで。
正直、自分がプッシャーを出来なかったのは、唯一の心残りではあります。
もしも、また機会があり、プッシャーが僕の上に降りてきてくれたときは
考えてみようかなと思います。
でも一回だけ、プッシャーになれたんだよなぁ。
千秋楽、挨拶の最後の最後。急にプッシャー(阿部ちゃん)が僕の腕を取り
舞台上へ連れ去っていきました。頭にはプッシャーの帽子を被してくれました。
あれはビックリしたなぁ。でも素直に嬉しかった。
本当に一瞬ですが、プッシャーになることができました。ありがとう。
これからも、舞台を創り続けます。
楽しいことを、どんどんやっていくつもりです。
そうしたらいつか、僕らが楽しいことを続けていれば、彼が不意に現れる気がする。
そして僕にこう語りかけるでしょう。
「僕は、楽しいことが、大好きなんだ」
ラック・プッシャー
また会う日まで。
ご来場、並びにご一読、ありがとうございました。
ALICEスペードチームとハートチームの初日が無事終わりました!!!
今回も、たっくさんのお客様に来ていただきました☆
ほんっとうにありがとうございます!!
両チームが初日を終えて、お客さんの反応も感じて、いよいよ実感が出てきた頃だと思います。
だからこそ!
明日の公演が最初の山場!!
悪ノリせずに(笑)
お客さんに楽しんでもらいましょう!
Algernonとは全く違う、舞台というよりエンターテイメント
セットも衣装もチラシもパンフもポスターも音楽も照明もキャストもなにもかもがファンタジック!
笑って楽しめる夢物語をお届けします!
不思議な世界を是非見にいらしてください!
夢の国の住人たちとお待ちしてます☆
創太郎@作・演出