蓄電池の用途
蓄電池とは電気を蓄えておくための機械。料金の安い夜間電力や太陽光発電システムで発電した電気を充電して使用することで電気代を節約することができ、地震などの災害時の非常用電源としても使用できるという優れものです。
ただ、このように説明すると蓄電池の「経済性」や「安心面」に目が行きがちになってしまいますが、たくさんの電気を蓄えて家庭内で使用できる蓄電池は、これまでとは違う新しい「電気とのあり方」を生み出しています。
現在、電気は発電所で発電されて送電線で各家庭に送られるのが一般的な形です。しかしながら、発電所は気軽に発電を止めたりできないので、電気の使用量が少ない夜間でも常に発電を続けなければなりません。この夜間電力はどれだけ余ろうと蓄えておけないので、無駄な電気が生じていました。
家庭用蓄電池は無駄になっていた夜間出力を蓄え、昼の時間帯に活用できます。現在はまだそれほどではないかもしれませんが、蓄電池が今後普及することで、発電される電力の無駄を減らし、昼のピーク時に求められる発電量を抑制することができます。これによって二酸化炭素の排出量を減らし、社会的なコストの低減につながるとされています。
このような電気を使用する側で電気を蓄えるという考えは「スマートグリッド」という構想の根幹になります。直訳すると「賢い送電網」です。社会全体としてより効率的・安定的な電力供給を行うための構想であり、社会全体を大きく変えていく可能性を蓄電池は秘めているともいえます。
一方で「オフグリッド」という考え方もあります。
こちらは社会全体的な省エネではありません。各家庭で蓄電池と太陽光発電を組み合わせて電気の自給自足を行い、電力会社から送られる電気を使用しないという考え方です。
「電気を自分で作って自分で使う」という暮らし方には大きな魅力がありますが、蓄電池を活用する点で見れば、オフグリッドは「場所を選ばずに電気を使用できる」可能性を教えてくれています。インフラが整っておらず送電線がない地域であっても、蓄電池と太陽光発電パネルがあれば電気が使えるということは、そこで暮らす人々により便利な暮らしをもたらしてくれることでしょう。
海外を例に挙げてみると、インドでは2022年までに175GW(ギガワット)の再生エネルギーを導入するという目標を公表していますが、太陽光発電や風力発電は天候に左右される不安定な一面を持ち合わせています。その不安定さを解消するのも蓄電池なのです。
電気自動車、パソコンや携帯電話のバッテリーや充電池など、電気を蓄える技術は多くのものに活用されています。
蓄電池は省エネ・経済的ですが、見方を変えれば活用の仕方も変わってきます。電気自動車の充電器としてであったり、家庭内介護での医療機器や空調の電源確保のためであったり、蓄電池は活躍する場所は着実に増え続けています。
自分の生活の中で蓄電池はどう活用されるのか、そしてどう変わっていくのか。蓄電池のある新しい暮らし方は、もうそこまで来ているのかもしれません。
