50年ぶりにDVDを借りて見ました。
当時の私は松原智恵子さんに似た憂いを秘めた年下の女性に恋焦がれていました。 自身の恋心を重ね合わせて見ていましたね。
90分という短いストーリーでは描写が十分ではないと思いながらも悲恋の恋物語に涙したものです。当時10回ぐらいは見たと思います(笑)
「庭に椿を植えると子孫が絶える」と呟いた島田正吾さんのセリフが印象的でした。
結果的にはそのようになってしまった(兄も恐らく戦死したのでしょう)訳ですが、それにしても以前住んでいた舟木さんまで亡くなってしまうとは意外でした。
松原さんの美しさが評判でしたが、それよりも私は若菜さんが雄作への想いを断ち切れなかった大切な品「オルゴール」がとっても好きです。ある意味ではこのオルゴールが第三の主役ではないでしょうか。
ドイツ留学を諦めてまで若菜の目を治そうとする雄作。雄作の出世の妨げになると固く身を引こうとする若菜。そこに美しくもあり悲しげな旋律が流れ再び激しく抱き合う二人。一気に二人の心が引き裂かれる前に戻ってしまった… 何度見ても涙が込み上げてきます。
これで結ばれればハッピーエンドで終わるのですが、若菜を迎えに行く途中、心臓発作で若菜の屋敷前で息絶えた雄作、その墓標を抱くように盲目の女が自殺していた…何と悲しい結末なのでしょう。誰にも邪魔されることなく天国で永遠の愛を貫いて欲しいと心から願っています。
夕笛のメロディがとっても好きです。今このオルゴールがとても欲しくてなりません。
