※最初に断っておきますが、羽生くんの今回の件を美談にするつもりはないことをお伝えしておきます。
こちらに突き刺さってくるような目線だった。
なぜ、彼はあんなにも剥き出しなのだろう。
負けず嫌いも、怒りも、喜びも、悲しみもさらけ出す潔さ。
剥き出しているだけに、痛い。
あちこちに擦り傷ができ、青胆ができ、全身打ち身だらけで。
普通の人は、自分が傷つきたくないために、洋服を着、帽子をかぶって身を守るものたが、彼にはそれがない。
まるで裸足で荒野を全速力で駆け抜けていく少年のようだ。
その潔さに、さらけ出された剥き出しの魂のなんと熱いことよ。
6分間練習の事故。
ハンヤン、羽生くんとも、とても集中した中、死角になった状態でおこったできごとだった。
二人ともがとてもスケートが速いことで有名な選手なため、会場ではあまりの速さに、二人がどのように衝突したのかわからなかったほどだった。
しばらく動けない二人。
騒然とする会場。
あとはテレビで放映されたとおりですが、六分間練習を中断したあと、フラフラになっている羽生くんが見えました。
そして、誰もが棄権だろうと思っていた時に戻ってきた羽生くんは、もう出ると決めた目になっていました。
オーサーがなんども羽生くんにかみ砕くように説得しようとしていましたが、彼の意志は固く、六分間練習に飛び出していきました。
その後は…正直あまり覚えていません。
ただ、本番に出るとなったら、もう応援するしかないと思い「頑張れ!」と声をかけました。
演技も…ただただ、無事に終わってほしいとそればかりで、ジャンプとスピンの度に身がちぢむ思いでした。
冒頭の手を差し出すところの気迫がものすごかった。
身のこなしも大変美しく、特に後半の3A1S3Sには、決まった瞬間「やりやがった!」と言ってしまうほど驚きでした。
演技終了後の微笑み。
会場からふりそそぐ、
「ありがとう!」
中国のファンの「かわいい」「大好き」のかわいらしい声。
後は、リンク内が黄熊の嵐(*_*;
キスクラで子供のように声をあげて泣く姿。
なんて人だろう。
そうだったね。
あの白銀のリンクで滑るのは、君だ。
オーサーでもなく、家族でもなく、ファンでもなく、君だ。
君が出るというんなら、魂の滑りを見せてもらっているファンとしては、見守ることしかできない。
どうか、検査で後遺症が残るような怪我がないことをただ祈るばかりです。
最終グループの他の選手にとっても、難しい状況でした。
どの選手も後半は目に見えて疲労感があり、精神的な動揺を感じました。
そんな中、日中の観客の皆さんは、羽生くんもハンヤンもコフトン君も…ま、熱量の違いはあれども分けへだてなく応援する暖かい空気に満ちていました。
これ以上アクシデントがあれば、一番気にするのは二人になってしまうので、一生懸命応援しました。
このような事はありましたが、素晴らしい観客の皆さんに助けられたと思います。
また、最後まで滑りきった選手の皆さんに、あらためて拍手をお送りしたいと思います。
最後、女子シングルの表彰式でリプニツカヤちゃんも辞退し、Exも出るか不明、密かに二人のデレを楽しみにしていた私は涙涙の物語さ!になったのでした(^。^;)