日本で実施されている子供が参加できる治験は、どんな病気を対象にした治験があるんだろう?
 
ふと気になり、jRCT(臨床研究等提出・公開システム)で調べたので共有します。
 
※2025/11/17時点
※※タイムリーに情報更新されていない可能性あり
 (例.既に募集終了しているなど) 
 
この記事内の定義
子供が参加できる治験:18歳未満も参加できる治験
治験:企業治験
状況:参加募集前あるいは参加募集中
 
治験情報が不要な方は、以下閲覧しないでください。

1. 免疫・炎症性疾患(自己免疫疾患を含む)

● 皮膚疾患

  • 尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)

  • 乾癬性関節炎

  • 尋常性ざ瘡(にきび)

  • 円形脱毛症

  • アトピー性皮膚炎

  • 慢性蕁麻疹(じんましん)

  • 表皮水疱症(ひょうひすいほうしょう)

● 消化管(腸)疾患

  • クローン病

  • 潰瘍性大腸炎

  • 機能性ディスペプシア(胃の不調)

  • 急性胃腸炎

  • 好酸球性胃腸疾患(好酸球性胃炎・十二指腸炎含む)

● 全身性自己免疫疾患

  • 全身性エリテマトーデス(SLE)

  • ループス腎炎

  • 全身型若年性特発性関節炎

  • 若年性特発性関節炎(JIA)

  • 全身型重症筋無力症

  • 慢性移植片対宿主病(GVHD)

  • 特発性免疫複合体型膜性増殖性糸球体腎炎(IC-MPGN)

  • C3腎症/免疫複合体型MPGN

  • 自己免疫介在性脳炎

● 呼吸器アレルギー・喘息

  • 喘息/重症喘息

  • 喘鳴(ぜんめい)

  • イネ科花粉症(アレルギー性鼻炎)

  • 気管支肺異形成症


2. 感染症

  • SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)

  • COVID-19

  • サイトメガロウイルス(CMV)感染症


3. 血液疾患・凝固異常

  • 血友病A/B(インヒビター保有・非保有)

  • フォンウィルブランド病(VWD)

  • 急性白血病/急性骨髄性白血病(AML)

  • B 細胞性急性リンパ芽球性白血病(ALL、再発・難治)

  • 慢性骨髄性白血病(CML:慢性期)

  • 胎児・新生児溶血性疾患


4. 神経・精神疾患

● 精神疾患

  • 大うつ病性障害

  • 持続性抑うつ障害(気分変調症)

  • 注意欠如・多動症(ADHD)

● けいれん・てんかん関連

  • てんかん

  • ドラベ症候群

  • アンジェルマン症候群

  • レット症候群

● 脳腫瘍・神経腫瘍

  • RET遺伝子変化を有する進行固形がん/中枢神経系腫瘍

  • 悪性神経膠腫

  • H3 K27M変異を有するびまん性神経膠腫

  • 高リスク神経芽腫(骨/骨髄浸潤あり)

  • ラブドイド腫瘍


5. 小児希少疾患(遺伝性・代謝性疾患含む)

  • 軟骨無形成症

  • サンフィリッポ症候群A型(MPS IIIA)

  • ムコ多糖症 IIIB型(MPS IIIB)

  • 糖原病Ⅱ型(ポンペ病)

  • プロピオン酸血症

  • アラジール症候群

  • 原発性高シュウ酸尿症

  • 小児四肢疼痛発作症

  • 機能的単心室症

  • 早産児に関連する疾患(慢性肺疾患、脳室内出血、未熟児網膜症)

  • 小児がん(総称)


6. がん(成人/小児を問わず、固形がん)

  • RET遺伝子変化を有する進行固形がん

  • ラブドイド腫瘍

  • 神経膠腫各種(悪性神経膠腫、H3K27M変異など)

  • 高リスク神経芽腫


7. 心血管・代謝・内分泌疾患

  • 症候性閉塞性肥大型心筋症

  • 高カリウム血症

  • 肥満または過体重


8. 眼科疾患

  • 近視

  • 未熟児網膜症


9. 呼吸器・集中治療領域

  • 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)


10. 神経免疫性疾患

  • NMOSD(視神経脊髄炎スペクトラム障害)

  • 全身型重症筋無力症


11. その他

  • オピオイド誘発性便秘症

  • 反復性片頭痛・慢性片頭痛・片頭痛

 

先日、第22回DIA 日本年会2025で開催された市民公開講座に参加してきました。

 

講座のタイトルは

 

『正しい情報にアクセスできていますか~医療、健康のニセ情報はなぜ多い?~』

 

この講座でブログタイトルの『か・ち・も・な・い』について学んだので早速共有させていただきます!

 

 

・・・書いたのは誰か?専門家??

 

・・・違う情報と比べたか?メリットだけでなくデメリットもある?

 

・・・元ネタは(根拠)?意見や感想ではなく科学的根拠はある?

 

・・・何のための情報?誘導目的?誰の利益につながる?

 

・・・いつの情報?最新??

 

この5つがない情報は『価値もない(かちもない)』、非常に覚えやすいですね。

 

発表されていたのは全国がん患者団体連合会の天野先生でした!

 

お恥ずかしながらこの言葉を知らなかったので勉強不足を痛感しましたが、引き続き頑張りたいと思います!

お盆明けで仕事に追われ少し期間が空いてしまいましたが、今回はがん患者さんに知ってもらいたい治験参加を検討するときの考え方について書きたいと思います。

 

早速ですが、先に結論を書きます。

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【標準治療がある人】

 将来の標準治療になるかもしれない治療法を他の人より先に受けられるチャンス

 

【標準治療がない人】

 治療の選択肢を増やすチャンス

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まず、考え方としては、治験に対する気持ちは2種類に分類できます。

 

A.将来の標準治療になるかもしれない治療法(治験)にチャレンジしたい

 

B.新しい治療法を受けるのは怖い

 

そして、治験以外に今受けられる治療法は、2種類に分類できます。

 

A.標準治療がある

 

B.標準治療がない

 

この情報を掛け合わせると…

 

①標準治療があるけど治験にチャレンジしたい人

②標準治療がないから治験にチャレンジしたい人

③治験に参加するのは怖いから標準治療でよい人

④治験に参加するのは怖いし、標準治療もない人

 

上記4パターンの人に大別されます。

 

①、②の人は、治験をお勧めできますね。

の人は、治験はお勧めできません。

④の人は、治験について、まず知ってから判断する必要があると思います。

 

ここまで、治験を紹介される側(患者)について書きましたが、次に治験を紹介する側について書きます。

 

当たり前の話ですが、治験情報を知っている担当医しか治験を紹介できません。

 

どこの病院でも治験が行われているわけでもなく、どんな先生でも治験情報を持っているわけではありません。

 

つまり、治験に参加するには治験を行っている病院の医師にアクセスするしかありません。治験について知りたい人は、治療を始める前に、主治医に相談するのが良いかと思います。なぜなら他の薬物治療を開始したことにより参加できなくなる治験もああるからです(例.未治療の人を対象にした治験)。

 

 

現状、治験業界では、医師も患者も治験情報にアクセスしづらいという課題があるもの相談を受けた主治医はきっと病院を探してくれたり、製薬会社に問い合わせてくれたりするかもしれません。

 

がんの治験に参加するときは、上記の考え方を参考に、そしてがんの状態や治験の段階(第Ⅰ相~第Ⅲ相)を考慮して、まずは主治医とご相談するのが良いと思います。

 

もしこの情報が参考になりましたら、いいねグッよろしくお願い致します照れ