お久しぶりです。
この夏は、何度か板橋駅から文京区方面に歩くことがありました。
板橋はいくつかの区境いで、少し東に歩くと北区に入ります。
さらに東に進むと都電荒川線(今は「さくらトラム」というウソ臭い名称らしいですが・笑)の
庚申塚という駅に出ます。
庚申塚は、巣鴨地蔵商店街のはずれにある駅です。
そして商店街を通って巣鴨駅に向かいます。
商店街のやや庚申塚駅寄りに、下の写真を写した「珈琲専科 貴族」という喫茶店があります。
そしてモンブランもかなり美味しいのですが、
かなり安い300円くらいのコーヒーと、500円くらいのコーヒーがあって、今回はつい安い方を頼んでしまったのですが、味はそれなりでした。
かなりロースト感の強い、エスプレッソを薄めたような味で、おそらくこれが好みという方もいるでしょう。
でも、こちらの設えの重厚さには少し見合わない感じです。
こちらに来たら、500円以上のコーヒーを頼んだ方が、たぶんお店の雰囲気に見合った味になっているのだろうと思います。
また、マスターはどこか80年代の雰囲気があって、微妙にこちらの設えと合っていない感じです。
こういう重厚な感じのお店ができたのは確かに80年代だと思うのですが、同じ80年代でももう少し違った雰囲気のお店にいるような感じの方です。
というわけで、なんとなく違和感というか、落ち着かない後味が残ります。
なかなかいい感じの設えなのですが、どこか私の心には説得力を持って入って来ないのです。
貴族と名乗るだけはある内装ですが、その世界観に浸れそうで浸れないというか。
非現実感に浸れるというよりは、現実に引き戻される感じです。
非日常感にどっぷり浸かりたいなら、巣鴨駅を過ぎて千石駅方向に少し歩いて左手にある「伯爵」という喫茶店の方がいいと思います。
その伯爵は、池袋駅北口にある伯爵と系列店のようですが、そこよりははるかに落ち着きがあって寛げます。
その二つはあまりに雰囲気が違うので、
長いこと系列店とは思っていませんでした。
確かに言われてみれば設えも似ていますが、池袋北口店が真新しい金とすれば、
巣鴨店はいぶし銀のような感じです。
成金と落ちぶれ貴族のような感じでしょうか。
落ちぶれ貴族の方が、ワビサビがあって、味わいも深いのです。