なんで、物を書く人って「先生」と呼ばれることがあるんでしょうね。
ドラマの中の話かと思っていたけど、私も呼ばれたことがあります。
ラジオドラマの収録現場で、私よりも明らかに倍以上年上のプロデューサーの方や、年上の役者の方に「小松先生」と呼ばれ、どぎまぎしました。
みんなで物を作る場所で「先生」と呼ばれると、正しいことを言わなきゃいけない気がするので、あまりいい効果はないような気がします。
でも、私にとって作家の北村薫先生は先生。
前の記事でも書きましたが、大学で教えていただいていました。
ということで、北村先生のお話を。
思い入れが強いので、少々長いです^^;
私の北村先生との出会いは大学よりも前。
高校の時に読んだ、「ターン」という小説でした。
読んで震えました。
時間のトリックや2人称の語り口。
そして何より面白い!
私の物書き人生、もしくは人生全体に大きな影響を与えた小説3本挙げるなら、その一本はこの「ターン」です。
(あとは、中学生で読んだ「僕らの七日間戦争」と大学院に入って読んだ「冷たい校舎の時は止まる」でしょうか。
ん~、今ぱっと思いついたものですが)
その後、同じく「時と人の3部作」の1作目「スキップ」を読んで、逆に時のトリックをがない残酷さに胸打たれました。
そんなことで大学に進みます。
2年生になる前に専攻を決めるのですが、私は大学入学前から文芸専修に進むと決めていました。
物を書くことが専攻。今の仕事とあまり変わりません。
そしたら、年末あたりに文芸専修の先輩から、「来年度、北村薫がくるらしい」と聞いたんです。
居酒屋の前で大声出して飛び上がりました。
先生が大学で教えられたのは2年間。
卒論を持ってもらえないのは残念でしたが、2年とも先生の授業を受けることができました。
なんてラッキーなんでしょう。
もう単位とか関係なく、おっかけのようでした。
実際にお会いして、先生の優しいお人柄もファンになりました。
でも、それは小説読んでいても分かります。
文庫版「盤上の敵」の前書き(ノベルズ版からの引用)なんて、小説を読んでいやな思いをする読者がいないようにと、「お断り」が書かれてる。
にじみ出ています。
先生が授業でおっしゃったことばを一つ。
よく「文芸専修って、小説の書き方教えてくれるの?」と聞かれた時に、私もこの言葉を引用させてもらっていました。
「桜の花をみると、歌を詠みたいと思う。この授業は、書き方を教えるのではなく、その花のように何かを書きたいと思うきっかけになればいい」
(細かいところは違うかもしれません。ご了承ください)
私の目標の一つは、いつか何らかの機会に先生と再会し、なにか自分の活動をご報告することです。
そんな日が来ればいいなと、心から願っています。
記事中の本
- 北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く (新潮選書)/北村 薫
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- (大学で受けた授業の一つが、まとめられた本です)
ターン (新潮文庫)/北村 薫
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- スキップ (新潮文庫)/北村 薫
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- 盤上の敵 (講談社文庫)/北村 薫
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- ぼくらの七日間戦争 (角川文庫)/宗田 理
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- 冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)/辻村 深月
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- 冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)/辻村 深月
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