スベリヒユ (滑り莧)    2022/07/28記


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1「スベリヒユ」という草をご存じですか?
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スベリヒユは典型的な畑雑草である。
道路わきのちょっとしたスペースなどにも
生えているが、何といっても畑に多い草だ。

草道や、畑の土手のように
草が密生しているようなところには
見あたらない。

おそらく他の草の陰になって日照不足で
成育できないのではないかと思う。

真夏の暑い時期、畑を耕して
1週間も放置すれば
あちこちにスベリヒユの
小さな芽が生えているのに気づく。

耕起して、草ひとつないような裸地に
真っ先に生えてくる。

スベリヒユは畑の先駆植物だ。
裸地にどの植物よりも先に生えてくる。

スベリヒユの
発芽、成長には夏の直射日光が
欠かせないように見える。

このような発芽、成育の生態から
スベリヒユの種子は強い日射光を
感知すると敏感に、
発芽するように思える。

高校の壁下緑地には全く生えていない。

庭の狭い畑では忘れずに生えて
私の観察に役立っている。

どうやら、この草には
生える場所、成育できる環境に
特別な条件があるように思える。

雨が降らなくとも、
水をかけなくとも乾いた畑には
小苗が生えてくる。

有るか無いかのほんの僅かな
夜露程度の水分でも
発芽、成育できるようである。

地面から抜き取って、直射日光下に
放置しても土の上なら
枯れずに根着いてしまう。

直射日光で萎れるまでには
4日以上かかる、
という記事を見た記憶がある。

畑では極めてしつこい、雑草と言える。

葉も茎も多肉質で、
水分をたくさん溜め込んでいるのが
見て取れる。

茎は赤紫色で太く、葉は緑色をしている。
全体に艶があり、毛は生えていない。

私は抜き取った株を
ブロックの上などに置き、
靴底ですり潰すことが多いが、
水分が多く、いくらか滑る。

また茹でると
口の中で滑るような触感がするという。

名前のスベリヒユは
この「すべる」性質に由来する。

花は黄色で直径6-8㎜、
日が当たると開き、
陰ると閉じて就眠する。

小さな花で、観賞価値はない。

一年草で冬には枯れてしまう。


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2薬用
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一般にこのスベリヒユのように
強い生命力を持つ「もの」は古くから
特別の力があると信じられることが
多かった。

多肉質の葉にも茎にも「ぬめり」があり
このぬめりも何か身体に
良さそうに思わせる。

スベリヒユの
漢方薬名をバシカン(馬歯莧)という。

スベリヒユは民間薬として
解熱、解毒、利尿や虫刺されに
効用があるとされ、
漢方薬店で販売されている。



馬歯莧(バシカン、またはバシケン)の
意味は不明ながら、一説には
葉の形が馬の歯に似る、とある。

莧は「ひゆ」と読む。
鑑賞用のハゲイトウ(葉鶏頭)の
仲間とされ、ハゲイトウも食用になる。


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3スベリヒユを食べる
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山形県の古民家の家庭料理屋で
「乾燥スベリヒユ」の
煮つけを食べたことがある。

「珍しいものを食べさせる」店に案内され、
出てきたのが乾燥スベリヒユの
煮つけだった。

その店は
予約客だけを受け入れる民家で、
客は我々一組だけだった。

老婆がすべての下ごしらえを自らやって
予約客だけに家庭料理を出す、
そういうお店だった。

もちろんスベリヒユを食べたのはこの時が
初めてで、その後も食べたことはない。

ネットにはスベリヒユのレシピが
一杯載っているので
結構ファンもいるようだ。

日本以外の国でも、スベリヒユは
野菜として食べられ、
英語ではPurslane、パースレインという。

山形で食べたスベリヒユも
栽培品だと聞いた。

つまり、日本でも地方によっては
スベリヒユを野菜として栽培している
地方もあるということだ。


ネットを見ると山形県のほか、佐渡島、
沖縄などでもスベリヒユ食が行われている。


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4ポーチュラカ(園芸品)
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園芸植物として、花スベリヒユがあり
ポーチュラカの名前で一般に
売られている。

花の直径が2-3㎝はあり、花色も豊富で
黄、白、ピンク、赤、橙などがある。

この稿を書くにあたり、スベリヒユを探して
2回近所の畑を中心に
歩き回ったが住宅地では玄関先に
ポーチュラカが置いてある家が
何軒もあった。


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5蓋果を観察しよう
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花後、実は熟すと横に裂け、
上部が蓋のように脱落する蓋果(がいか)、
という変わった形の種を結ぶ。

例えて言うと帽子を被っている実、
ということで帽子がぽろっと外れると
中の種子がこぼれる仕組みである。

実は長さ約5㎜と小さいので
観察にはルーペがあると便利だ。

花の咲いている株を探せば
蓋果を見つけられる。

ポーチュラカも同じ蓋果なので
住宅地を散歩して、
まず鉢植えを見つけたら
観察させてもらうと良い。

中に黒く細かい種がたくさん入っている。


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6万葉集に2首
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入間道(いりまぢ)の 
於保屋(おほや)が原の いはゐつら
引かばぬるぬる 我(わ)にな絶えそね
(万葉集 東歌 14-33789)

大意
入間の大屋が原のスベリヒユのように
引き寄せたら寄って、
私との恋仲を絶えないようにしておくれ

「いはゐつら」はスベリヒユの古名で
「い(接頭語)+這(は)い+蔓(つる→つら)」
とされている。

「ぬるぬる」の表現も実際と合致する。


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7菅高校擁壁下緑地美化活動
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開花中の花に名札を付けました。

市販の名札ラベルは小さく、
読みにくい上にプラスチック製。

そこで豆乳の箱の内側は
アルミ箔張りなのを知り
ここにマジックで書いています。

一箱から6枚のラベルができます。
上部にパンチ穴を開け、
花茎に麻紐で吊るしています。

手間はかかりますが廃物利用、無料です。


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6月に咲いた花 21種 年初来累計 
113種
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1 ニホンそば    日本蕎麦
2モナルダ    
3トラノオ    虎の尾
4ギボウシ、マルバ擬宝珠、丸葉
5ハナショウブ    色多数 花菖蒲
6ハブランサス    
7ギボウシ、トクダマ    
8ギボウシ、オオバギボウシ    
9ヒメヒオウギ    姫檜扇
10アガパンサス(大、白)    
11アガパンサス(小、青)    
12タケニグサ    竹似草
13ムラサキゴテン紫御殿
14サンゴバナ(ジャコビニア) 珊瑚花
15ギボウシ、オオバ    
16ヤブカンゾウ    藪萱草
17フユサンゴ    冬珊瑚
18オモト    万年青
19センリョウ    千両
20オカトラノオ    岡虎の尾
21マーガレットコスモス    
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7月に咲いた花    15種 年初来累計 
128種    
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1カンナ・オーストラリア(茶色葉)    
2ヒオウギ    檜扇
3キバナコスモス    黄花コスモス
4リュウノヒゲ    竜のヒゲ
5カリガネソウ    雁がね草
6ミソハギ    味噌萩
7カンナ・ベンガルタイガー(虎縞葉)    
8オニユリ    鬼百合
9ギボウシ、コバノ擬宝珠、小葉の
10ギボウシ、トウ    擬宝珠、唐
11ギボウシ、コバノフクリン擬宝珠、小葉の覆輪
12カンナ・黄
13シロタエヒマワリ白妙向日葵
14アマクリナム
15シラゲツユクサ    白毛露草


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長いメールを最後までお読みいただき、
ありがとうございました。