好きな画家は?と聞かれると、いつも迷わず、真っ先に彼の名を挙げる。
寝室には代表作のレプリカを貼ってある。
眺めながら展覧会で観た本物の素晴らしさに想いを馳せるのが
私のいちばん楽しい時間。
・・・というほどの熱狂はないものの、フェルメールは昔から好きな画家だった。
記憶に残っている映画がある。
印象的なシーンの続く美しい映画で、フェルメールを題材にしていた。
彼の家庭は大家族だったので、家の中はいつも騒々しかった。
そんな中、フェルメールが独り、小さな小部屋にこもり
絵画制作に没頭している。
ああ、そうか。
あの作品に溢れる「静謐」
あれは憧れ求めていたものだったのね。
フェルメールに関してはまだ分かっていないことが多く、
映画のような小部屋が実際にあったのか知るよしもないけれど
少なくとも私の心の中には実在している。
静かに、でも確かな存在感を持って。
何も語らず、じっと私を誘っている。
フェルメール様
そういうわけで、お名前を勝手に拝借しています。
ごめんなさい。