SEACHTをスキャニングしたヒューマノイドが44AUTO MAGの銃口をRINCE に向けていた。
「スキャニングを見破ったまでは良かったが、ここまでだ」
その時、突然銃声がなり奥にいたヒューマノイドが倒れ込んだ。
「?!」
ヒューマノイドが振り向いた瞬間、横一直線に閃光が走り、頭が宙を舞い地面を転がった。
RINCEは、それを確認するとNARUに駆け寄った。
「NARU!」
「うう…大丈夫…肋骨は折れてるみたいだけど…コートの下に装甲板を入れていて助かったわ。まさか板が凹むとは思っていなかったけれど…痛っ!」
「流血が見られなかったから安心していたが…」
「先生に回収してもらえるように依頼しておいたぞ」
SEACHTはNARUを覗き込みながらRINCEに話しかけてた。
「流石だなSEACHT。助かった」
「自分の首を切るのは良い気分ではないがな」
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SEACHTとRINCEがメディカル室のYURI の部屋を訪れるとAMIGAとMIUも来ていた。
「MIU、どうだ?」
SEACHTが近づきながらMIUに話しかけた。
「これから詳しい状況を先生が説明するそうよ」
「そうか…」
その時、YURIが汗を拭いながら部屋に入って来た。
「みんな揃った?これから説明するわね」
YURI は端末に向かうとデータを眺めながら説明を始めた。
「まず、MELね。背中にある改造部位制御装置が銃弾により破壊。その為一時行動不能に陥ったけれど、交換すれば問題ないわ。何センチかずれていれば身体部位だったから運が良いわね。次は…Ritsu 」
YURIは視線をSEACHTに向けた。
「先生…」
「Ritsuの場合は、特殊機能を全て破壊されている上に身体部位も損傷が見られる。機能を完全回復するには身体の負担が大き過ぎるの…その結果、一部の機能は失われる。ただし、生活には支障は出ない」
「BAINNEの活動は無理と言う事?」
「それは私が判断する事ではないわ」
「………」
「KONIJNの場合は、止血のお陰で大事に至らなかった。肩の骨が砕かれているので改造部位となるわね。傷の全治と改造手術には暫くかかる」
「Ritsuの愛だな」
AMIGAが頷きながら呟いた。
それを覗き込む様にMIUが口を挟んだ。
「あんたのお膳立てだろ?あ、言っておくけど…私はエルフの姐ちゃんでは無いからな!」
「ひっ!」
AMIGAは肩をすくめた。
「続けるわよ…SZNKAはボロボロね。この世界は色々な事が影響して通常治療部分は治りが遅いから、なるべく改造してあげたいのだけれど…身体に於ける改造率が高いと身体が持たないからギリギリのところまでやってみるわ」
「頼むよ、先生…」
SEACHTの言葉に頷きながら、YURIは話を続けた。
「MAIKAは…応急処置は終わったけれど、手術が必要ね。ここでは無理なので、元締さんに早急に手配して貰っている。後は、MAIKAの生命力に頼るしか無いわ…Hachiも同様ね」
「Hachi?」
AMIGAが怪訝そうに呟いた。
「敵じゃないか!MAIKAをこんな目にあわせた張本人だろ?!まさか、あのNARUって女も助けたの?」
「彼女は皮膚の一部と肋骨の損傷だから治療がすめば、回復を待つだけね」
YURIの言葉に、明らかに不満の表情を見せていた。
「ほっとけば良いんだよ…あんな奴ら」
「なにっ!」
その言葉を聞いてRINCEはAMIGAを睨みつけ、にじり寄った。
「やめとけ!」
SEACHTはRINCEを止めつつAMIGAを睨みつけた。
「AMIGA!言葉がすぎるぞ!」
そこにYURIが割って入って来た。
「命の重さに敵も味方も無いわ!私はこの世界に来てから、そう心がけて来た。これからも、それは変わらないわ!」
紛争は収束し、静けさを取り戻した。
SUDOUは多くの損害を被り、この地域を後にしていた。
暫く経って、MELとSEACHTは元締めのAMIに呼ばれていた。
「漸くこの地域も落ち着きを取り戻したわ。全てあなた方の働きのお陰ね。ところでMEL、体調はどう?」
「大丈夫です」
「良かった。そうそう、機能を破壊されたRitsuは一部の機能が修繕不能なので諜報部隊から外します。それとKONIJNも行動部隊から外してコードネームを破棄、Mitsuに名前を戻します」
「除名処分…ですか?」
「違うわ!業務変更ね。Ritsuは私の秘書に、Mitsuはボディーガードとしてここで働いて貰うわ。2人一緒にね」
治療を終え、RitsuとMitsuは2人で新しい部署に異動して行った。
SZNKAは、完治には暫くかかるがBAINNEに戻って来た。
MAIKAとHachiは命を取り留め、回復を待つだけとなり、NARUも治療を終えRINCEと訓練出来るまでになっていた。
この後、BAINNEからはRINCE・MAIKAが抜ける事になり、行動部隊は、MELを筆頭にAMIGAとSZNKA。諜報部隊はSEACHTとMIUという体制に変わっていく。
RINCEは、NARUと共に傭兵に戻る事になり傭兵組織を立ち上げ、MAIKAは、体調の回復を待ってHachiと2人でRINCEに合流する事になっていた。
後日、RINCEとNARUは拠点を整備する為、仲間に見送られ旅立った。
そして………
それを瓦礫の陰で見ている者がいた。
消滅したはずのSAYUだ。クローンはオリジナルの細胞さえあればコピーが可能なのだ。チップを書き換えれば記憶までもが蘇る事が出来る。
2人の姿を横目にSAYUは不敵に笑い、その場を後にした。
「BAINNE…いつか思い知らせてやる」
《END》
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