私は、看護師として働いていた頃の人間関係のトラウマが原因で、病院を辞めてからおよそ3年間、外で働くことを避けて生活してきました。

信頼していた先輩から、陰で心ない噂をされたり、自分の目の前で聞こえるように悪口を言われたり…。その経験から、誰かを信じるということができなくなり、人と関わること自体が、私にとって大きなストレスとなっていました。

そんな私を心配して、夫は外で働くことを勧めてくれました。求人を探してみるのですが、どうしても外に出るのが怖くて、気持ちが追いつかないのです。気分は深く落ち込み、涙が止まらず、「自分には生きている価値があるのだろうか」とさえ、考えるようになっていました。

そんな状態の時、息子の療育園に初めて通所した日のことです。なんと、病院で同じ病棟に勤務していた先輩と、そのお子さんがいらっしゃったのです。しかも、息子と同じクラスでした。
その瞬間、頭が真っ白になりました。
その日は、療育園の先生との個別面談があったので、思い切って、看護師時代のトラウマや、予期せぬ再会に動揺していることを先生にお話ししました。
話している間、当時の勤務中のフラッシュバックが起こり、涙と動悸、手の震えが止まらなくなってしまいました。すぐに療育園の心理士さんが駆けつけてくださり、私が落ち着くまで、じっくりと話を聞いてくださいました。そして、今後は、個別対応で療育園に通所できるように対応してくださいました。対応してくださった療育園の先生方に心から感謝しています。

私はこれまで、友人や家族にも悩みや愚痴を一切言わず、自分の考えをノートに書き出して、自分の中だけで解決しようとしてきたんです。しかし、療育園の心理士さんから、「人に話して気持ちを吐き出すことも、とても大切なんですよ」と、温かいアドバイスをいただきました。

確かに、本を読んだり、ノートに書き出したりと、自分なりに解決を試みてきましたが、今もこうして苦しんでいるということは、誰かに話を聞いてもらう時期が来たのかもしれない、そう感じました。

病院を辞めてからというもの、勤めていた病院の前を通るだけで動悸がしたり、家族の診察で外来に行くだけでも、動悸や手の震えが出てしまっていました。約3年という月日が経った今、そろそろ自分の心ときちんと向き合おうと決意しました。
まずは、溜め込んだ思いを吐き出すために、カウンセリングを受けてみようと思いました。
公認心理士さんと臨床心理士さんのカウンセリングを受けられる総合病院を見つけ、スムーズに受診するために、精神科で紹介状を書いていただこうと、オンライン診療を受けました。
その結果、「社交不安障害」という診断を受け、紹介状を発行していただくことができました。

夫に説明するため、診断書も発行してもらいました。夫は、私の将来のことを考え、社会とのつながりを持つために、外で働くことを勧めてくれていたのです。
「社交不安障害」と書かれた診断書を夫に見せました。最初は「気持ちの問題だ」と言っていた夫も、診断名と私の状況を理解してくれて、今では「ゆっくりでいいよ、焦らなくていい」と、優しく見守ってくれています。
私自身も診断にショックを受けましたが、今は勇気を出してカウンセリングを受けることができて、本当に良かったと思っています。

私のように、誰にも話せず、自分の中だけで解決しようと頑張っている方がいれば、勇気を出してカウンセリングや精神科を受診してみることも、一つの選択肢かもしれません。

カウンセリングを通して、自分の思考の「くせ」を知ることができ、今は以前よりも前向きに生きられるようになってきています。

もし今、心が疲れて立ち止まっている方がいたら、どうか一人で抱え込まず、話を聞いてくれる場所があることを知ってほしいと願っています。