【共同通信杯】

ダービーの舞台となる東京コースでの３歳重賞ということもあり、基本的には堅い決着になりやすいレースといえそう。ただ、２月開催、東京といってもDコース使用ということもあるため、年によって出走馬のレベルにかなりバラつきのあるレース。

人気傾向も、出走馬のレベルと比例していて、出走馬のレベルが低いときには、やはり人気薄が激走しているケースが多い。

今年は、クラシック最有力候補の１頭と目されるマイラプソディが１倍台人気になる

可能性が高いが、単勝1.5～1.9倍の馬が過去7頭中0勝2着2回3着1回（着外4回）と明らかに物足りない成績なのが気になるところ。

【データ傾向からの注目馬】

・1番人気必至のマイラプソディの単勝オッズに注目

・相手には2番人気よりも3番人気の方がおオススメ

・配当的には、単勝4～7倍までの馬の期待値が高い

・穴狙いは、単勝20倍台の馬が狙い

○前走クラス・距離別傾向

前走OP以上のレースを使って負けている馬の巻き返しというのが基本的な傾向。ただ、ここ5年は、新馬・1勝クラスから連勝してくる馬の好走例も増えている。使い分けローテーションが当たり前になってきていることを考えると、前走よりもこのレースを使うことの

本気度の方が重要なのかもしれない。

ただ、若い馬のレースなのでコース経験・適正といった観点の見定めなどは重要かも。先週も相性の悪いローテ（東スポ杯→きさらぎ賞のローテは過去連対なし）で挑んだアルジャンナが3着に負けたばかり。ちなみに、人気必至のマイラプソディについても、京都2歳Sから共同通信杯というローテもあまり相性がよくなく、近年では2018年に京都2歳S勝ちからのぞんだグレイル（1番人気）が7着に沈んでいる点は不安があるところ。

さらに、マイラプソディは、賞金的には完全に余裕があるだけに、絶対に勝たなければならないレースというわけでもなく、先を見据えて東京（と関東への輸送）を経験させるだけという可能性は否定できないところ。東海Sのインティみたいに「ここでの勝ち負けよりも先を見据えた乗り方」をしてくる可能性もあるかもしれないということを考えると、ここをメイチに臨戦してきた馬にも逆転できるだけの可能性があっても不思議ではない。

【データ傾向からの注目馬】

・ここに狙いを定めている素質馬フィリオアレグロに注目

・マイラプソディは、本気度の見極めが重要

○キャリア数・生産者別傾向

データ的には、キャリア3・4戦の馬から狙うのがセオリー。さすがに、クラシックが差し迫っている時期に開催される重賞だけあって、1戦1勝の馬はやはり分が悪い。サトノソルタスが2着に来た年は、メンバーレベルがかなり低調。新馬からの連勝となったリアルスティールは、その後の活躍ぶりは周知のところ。つまり、低レベルレースか、その後にGⅠを勝てるだけの馬でないと、新馬勝ち即通用は難しいということ。

今年は、重賞掲示板馬が3頭、OP2着馬が1頭というメンバー構成だけあって、頭数は少ないものの2018年よりレベルが低いとはいえなそう。

生産者別では、東京開催の3歳重賞ということで、圧倒的にノーザンファーム生産馬が優勢。今年は、人気のマイラプソディ以外にも、ココロノトウダイ、フィリオアレグロがエントリー。

また、マル外馬の活躍も目立つレース。今年は、ダーリントンホールと地方馬のエンがエントリー。

フィリオアレグロの新馬戦はかなりの好メンバー＆好時計勝ちという超秀逸の内容。「化け物級」の可能性は十分。また、同じノーザンファーム生産馬のココロノトウダイも、陣営は「クラシック路線に乗せないといけない馬」というほどの期待馬。ローテーション、血統が地味な分配当的な妙味もありそう。

【データ傾向からの注目馬】

・キャリア3・4戦の馬（ココロノトウダイ・ダーリントンホール・マイラプソディ）

・ノーザンファーム生産馬（ココロノトウダイ・フィリオアレグロ・マイラプソディ）

・マル外馬（ダーリントンホール・エン）

○脚質別傾向

東京1800mということで、基本的にはスローペースからの瞬発力勝負になるレース。当然、早い上がりの使える馬が有利。

ただ、Dコースということもあり、普段よりも明らかに前が残りやすいコース形態であることは頭に入れておきたい。人気のマイラプソディは確実な末脚が武器ではあるが、前も止まらないというシーンの可能性は、先週のきさらぎ賞のように全くないわけではない。

【データ傾向からの注目馬】

・前走上がり最速の馬（ココロノトウダイ・シングンバズーカ・ダーリントンホール・マイラプソディ）

・Dコースを活かした前のこりにも警戒

○枠番・馬番別傾向

フルゲートではないので、そこまで枠順の有利不利は大きくないとはいえ、内枠有利なコース形態であることは抑えておきたい。

先週の東京新聞杯も、勝ち馬は最内のプリモシーン、2・3着も外から上手に内に入れたシャドウディーヴァとクリノガウディーの決着。昨年も直線でも最内に馬を飛び込ませたダノンキングリーがアドマイヤマーズを完封している。

ただ、経験の少ない3歳戦だけに、「揉まれない外の方が能力を発揮できる」ケースがないわけでもなく、圧倒的な能力差があれば、枠順関係なしに圧勝できるレースであることも付け加えてきたい。

【データ傾向からの注目馬】

・内枠でロスなく回れる馬

○まとめ

先週のアルジャンナと同様に、人気のマイラプソディの取捨が重要となるレース。とはいえ、先週のアルジャンナのケースとマイラプソディとの比較で最も違うのが、マイラプソディには「時計面の裏付けがない」ということ。その意味では、「データとしては」アルジャンナよりもマイラプソディの方が危うい人気馬といえそう（アルジャンナは力負けというよりも「ゆっくり出していっても捉えられる」と判断した「鞍上のミス」で負けた可能性の方が高い）。

他方、伏兵陣も先週のきさらぎ賞よりは遙かに粒が揃っている様子。新馬勝ち圧勝のフィリオアレグロは、このレースの内容次第では一気に妥当コントレイル・サリオスの筆頭まで上り詰める可能性のある馬。同じく、ノーザンファーム生産馬のココロノトウダイもメンバーが違えば重賞で1番人気を張れるだけの素質馬。

また、ダーリントンホールは外国産馬だけに使えるレースが限られるので、その分勝負気配も高いはず。

さらには、週中からの雨で馬場が一気に悪化すれば、ビターエンダーあたりにも一発があるかもしれない。

【京都記念】

○単勝人気・オッズ別傾向

1番人気の成績は、過去20回で6勝2着4回と、勝率3割、連対率5割と「可もなく不可もなく」のレベル。ただ、単勝2～3倍台の馬になると、たった2勝（連対率3割程度）なので、オッズを考えるとコスパが悪い印象。レース全体としては、基本的には中距離の別定重賞らしく大穴馬激走というケースは多くない。

配当期待値の観点では、6番人気の馬、単勝7～15倍の馬に注目。人気薄の3着激走が多くないレース傾向を加味すれば、このあたりの馬を1着固定に人気馬へ流す3連単も面白いかもしれない。

おそらく今年は、JC2着のカレンブーケドールが1番人気。ただ、秋華賞ではクロノジェネシスに負けているし、自身も重賞未勝利馬。オッズが少しでも被るような状況になるのであれば、疑ってみる価値はありそう。

【データ傾向からの注目馬】

・3番人気の馬（想定3番人気：ステイフーリッシュ）

・6番人気の馬（想定6番人気：ノーブルマース）

○前走クラス・着順別傾向

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前走レースとしては、有馬記念組が最も優秀だが、今年は該当馬がゼロ。次いで成績が良いのは、同じ京都外周りコースの日経新春杯組の3勝。

他方、前走エリザベス女王杯、ジャパンカップからの勝ち馬は0頭で人気の4歳牝馬2頭にとってはあまり良くないデータ。特に全く同じコースを使用しているエリザベス女王杯組がたったの2着1頭（2016年タッキングスピーチ）ということは、注目してよいデータ。

前走着順は、昨年もAJCC6着からのダンビュライトが勝利しているように、あまり気にしなくても良さそう。

【データ傾向からの注目馬】

・前走日経新春杯のプリンスオブペスカ

○斤量別（キャリア別）・傾向

傾向としては、4・5歳馬が圧倒的に優勢。7歳馬の馬券がらみがないわけではないが2着までなので基本的には割引だろう。

ただ、53kg・54kgは過去に勝ち馬ない点は、人気が予想される4歳牝馬2頭にとっては不安材料。4歳牝馬としては、過去にブエナビスタが（有馬記念2着後）に勝利しているが、こちらは55kg。54kgの4歳牝馬では、近年では、モズカッチャン、ラキシス・ハープスターが54kgの斤量を背負い上位人気で着外に沈んでいる。

また、データ傾向としても、前走から斤量の増減があった馬の方が、好走率それ自体は高い点も気になるところ。

【データ傾向からの注目馬】

・前走比2kg減で4歳馬のクラージュゲリエ

・唯一の5歳馬のステイフーリッシュ

・前走比1kg減の馬（アメリカズカップ、アルメリアブルーム、ドレトノータス）

・前走比2kg増の馬（プリンスオブペスカ）

○脚質別傾向

京都芝2200ｍは施行レースもそれほど多くない少し特殊なコース。外回りコースということで、同じ外回りの芝1800ｍと同じように「差し馬優勢」いうイメージを持っている人も多そうだが、レース傾向としては圧倒的に先行有利。

特に、今週は週中から雨が予想されることから、さらに力のいる馬場状態になることも予想されるので「外を回して差す」というのは、かなりのコースロスになりそう。先週の競馬でも直線はかなりうちを空けているレースが圧倒的に多かった。

その意味では、AJCCでは荒れたインを強襲して粘りきったステイフーリッシュの競馬には注目が必要。

【データ傾向からの注目馬】

・荒れた馬場をさほど苦にしない先行馬

・イン差しのできるパワータイプの差し馬

○枠番・馬番別傾向

京都芝2200ｍはゲートから1角までの距離も比較的長く（約400ｍ）、基本的には枠順の有利不利はあまりないコース。同じ外回りの京都2400ｍみたいに外枠がからっきしダメというコースでもないのはポイント。

むしろ、京都記念の傾向としては、真ん中より外の方が優勢な結果。おそらく、冬の連続開催後半ということもあり、荒れた内を走らされる馬や内で包まれてしまうリスクのない枠順の方がよいということなのだろう。

ただ、今年は手頃な頭数に落ち着く予定なので、枠順による有利不利はそこまで大きくないと考えてよさそう。

【データ傾向からの注目馬】

・基本的には、大きな有利不利はなし。

・外目から好位につけられる先行馬

・外枠だけどイン差しもできる差し馬

○まとめ

レース前の下馬評では、4最牝馬2頭が少し抜けた評価になっている様子。とはいえ、カレンブーケドールは、重賞未勝利で、しかも休み明けよりも使った方がよい馬という点で懸念材料がないわけではない。また、この後に海外遠征を控えていることも考えれば、ここで仕上げてくることもなさそうなので、勝負度合いそれ自体にも不安がある。

他方、クロノジェネシスは、休み明けの方がよい点ではプラスといえそうだが、おそらくベストは2000ｍで、1ハロン伸びるのは古馬・牡馬との対決ということを加味すると不安材料になりそう。

対抗馬筆頭は、前走が見せ場たっぷりのステイフーリッシュ。こちらは、昨年の京都記念でも2着があり、この時期の京都は大得意なタイプ。GⅠではパンチ不足になるだけに、この時期にしっかり稼いでおきたいということなのだろう。とはいえ、感覚と詰めて使うと成績がさがる傾向があるので過信は禁物。

また、ダービー以来になるクラージュゲリエにも警戒が必要。同じ時期で開催された共同通信杯では、ダノン・アドマイヤに次ぐ3着、皐月賞5着、ダービー6着の実績があれば、能力はここでも見劣りしないはず。先のことを考えたときに、最も賞金加算しておきたいのはこの馬。ただ、陣営からも「使ってから」というコメントが出ているように、中間の調教内容が時計に中身が伴っていない印象を受けるのは気がかり。

伏兵陣としては、ミナリクにヤネがかわった中山金杯で進境のみられたノーブルマーズに注目しておきたい。荒れた馬場も気にならないタイプだろうし、今回も追える外人ジョッキーの起用となるので、内からスンナリ先行すれば脚の使いどころひとつで一発激走もありそう。ドレッドノータス、プリンスオブペスカ、アルメリアブルームあたりも流れひとつで馬券に絡む可能性はあるといえる。人気上位馬にもそれぞれ懸念材料があるだけに、4歳牝馬2頭以外から狙ってみる妙味も十分にありそう。

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