7年間のたたかい | Precious days

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昨日は夕方から深夜まで、

TBSニュースバードの勤務でした。

いつもより、大きなニュースがたくさんあった一日。

そのなかでも、7年前に山口県光市で起きた

母子殺害事件の最高裁判決は、

わたしが最も注目していたものです。


結果は、高裁への審理差し戻し。

「無期懲役とする理由が見あたらない。

もっとよく調べ直しなさい」というものですが、

これにより、当時18歳だった被告の元少年が

死刑の判決を受ける可能性が出てきたわけです。


死刑という刑罰については賛否両論なので、

ここで意見を述べようとは思いませんが、

高裁でもう一度審理するということは、

被害者の本村さんは、今後も引き続き

法廷でたたかわなけばならないということです。


この裁判の弁護人は、

オウム事件の麻原被告なども担当している弁護士で

裁判を長引かせる手法をとることで有名な方ですが、

この期に及んで

「殺人の罪自体が検察によるでっち上げ」という

理論を展開してます。

つまり、殺す意志はなく、あれは事故だったって解釈。


被害者の本村さんは、心に傷を負いながら、

7年という歳月、必死にたたかってきました。

その心の傷に塩を塗るような弁護の仕方だと、

わたしは思います。

そこまでして、無期判決を勝ち取って、

人の不幸のうえに生き延びることが、

本当の勝利だと言えるのでしょうか?


本村さんのたたかいなどを通して、

犯罪被害者基本法が成立し、

わたしたち一般市民もこういった事件に

無関心ではいられなくなりました。

政治家だって国民だって、

何らかのリアクションを起こしている。

次は司法が、変わることを期待したい。


そしてもちろん、こういったニュースを

わたしたちが伝えるときには、

メディアによる二次被害が起きないように

最大の注意を払わなければならないし、

喋る人間として、表現にも充分配慮しなければ

ならないと思う。

毎日毎日、洪水のようなニュースのなかで、

そんなことを改めて考えさせられた一日でした。