「松山千春 『季節の中で』に思うこと~松山千春 全作品解説83~」S2255

 

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◇更新履歴

V1.0:2014.04.06 初稿

V1.1:2014.10.24 リテイクのレコーディングミュージシャンを追記

V1.2:2019.10.19 最新エディタにて記事を作成し旧記事と差し替えおよび所有のレコード、CD画像、歌詞を掲載

V1.3:2021.01.05 記事を追加

V1.5:2021.07.17 記事を追加

V1.6:2022.03.03 記事を追加

V1.7:2024.10.07 追記「松山千春ON THE RADIO」など

 

■「季節の中で」編曲者:清須邦義(オリジナル&リテイク)、飛澤宏元(リメイクV86)、但しリテイクのコンダクターは夏目一朗

オリジナル:1978年8月21日発売の5枚目のシングル

リメイク:1986年10月25日発売のアルバム『旅立ち』のB面2曲目(CD7曲目/全10曲)

リテイク: 2006年5月31日リリースのアルバム『再生』のDISC2の5曲目

 

◇松山千春選曲ベストアルバム『風景』DISC-2の1曲目/リメイク(V86)

 

◇松山千春選曲ベストアルバム『松山千春の世界』DISC-1の12曲目/オリジナル

 

◇松山千春選曲ベストアルバム『松山千春の系譜』DISC-1の8曲目/オリジナル

 

※ 直近の演奏実績

・松山千春コンサート・ツアー2024「友よ」

 

 

◆レコーディングミュージシャン

○ オリジナル:後日、追記予定
○ リメイク:後日、追記予定


○ リテイク

01. ドラム:河合洋
02. ギター(AG):丸山ももたろう
02. ギター(EG):好永立彦
03. ベース:入江太郎

04. パーカッション:春名正治
05. ストリングス:RUSH by TAKASHE KATO

06. プログラミング(打ち込み):中西進
07. ローズ・ピアノ&シンセ:夏目一朗

 

◆所有シングルレコード

◆所有収録CD・アルバム(リメイク・V86)

 

◆2024.10.7 夢野旅人

2024.10.6放送「松山千春ON THE RADIO」

松山千春が狭心症、バイパス手術のため入院、手術、療養中につき9月8日から29日、10月6日と千春の代役として長谷川雄啓と涌井淳が放送を担当。

 

6日の放送も10月9日発売のシングルコレクションアルバム『起承転結15』の収録曲を紹介しながら、

リスナーからのリクエスト曲をかける番組構成。3曲目に「季節の中で(1978)」が紹介され、かかりました。 

 

◆2022.3.3 夢野旅人

2022年2月20日放送「松山千春 ON THE RADIO」。

この日は、姉・絵里子さんの誕生日で、生前の彼女との思い出、エピソードが語られました。

 

そして、番組の最後に以下のように語り「季節の中で」がかかりました。

 

絵里子が、俺に対してな、喜んでくれたのは、俺がデビューした云々よりも、「季節の中で」っていう曲が春のセンバツ甲子園の行進曲に選ばれたことに、すごい喜んでくれて。

 

「千春、やったね。お前、これ最高だよ。何よりもいいよ」あのときは喜んでくれたな。

 

◆2021.7.17 夢野旅人
2021年春のツアーで「季節の中で」が歌われました。

 

歌われたのは、本編二部の1曲目。
「季節の中で」から、始まり「ヤーヤーヤーヤーヤー」、「黄昏」、「生命」、本編ラスト「流浪」へと歌われていきました。

 

歌い出しは、ファーストフレーズの

~うつむきかけた貴方の前を 静かに時は流れ~までは、歌わずに、~めぐるめぐる季節の中で 貴方は何を見つけるだろう~

から、入りました。

 

◆2021.1.5 夢野旅人

デビュー45周年にあたる2021年、第一回目の放送となった1月3日の「松山千春 ON THE RADIO」。
松山千春は知っているけど、テレビにも出ないし、よくは知らないでラジオを聴いていただいている人達にと、自身の誕生から、フォーク音楽祭、竹田健二ディレクターとの出会いと別れ、デビュー、オールナイトニッポンの担当までをほぼ全編通して話した放送内容でした。

千春の曲は、「旅立ち」から始まり、「かざぐるま」、弾き語りの「君のために作った歌」、「季節の中で」の4曲かかりました。

「季節の中で」が年明け第一回目の放送で、番組最後にかかるのは、2年連続となります。

 

◆2021.1.5 夢野旅人

2020年、年明け第一回目の放送となった1月5日の「松山千春 ON THE RADIO」。番組のラストで「季節の中で」がかかりました。

 

◆2014.4.6-4.7 夢野旅人

1970年代。

パソコンもインターネット、携帯もなければファミコンもない時代。

子供の娯楽なんてたかが知れている。

たまに、映画やボーリング、コインゲームが贅沢なレジャーだった。

遊び場所は公園で野球、そして駄菓子屋だった。

東京ディズニーランドもない。

色気づいたガキが向かう先は、女子を連れての後楽園遊園地だった。

 

遊び場所も情報も限られていた時代。

そんな時代だからこそ、テレビの存在は大きく影響力が強かった。

 

話題の番組の視聴率は優に30パーセントを超えた。

翌日の学校では、「昨日、観たか」が合言葉だった。

 

1978年1月19日。

日本で初のランキングによる音楽番組がスタートする。

TBSの『ザ・ベストテン』である。

 

レコード会社、事務所、テレビ制作側の都合よりも、今、売れている曲を紹介する番組。

視聴者のリクエスト葉書でランキングが変化する。

生中継で、全国各地どこまでも追いかけるというコンセプトは画期的だった。

 

時代は、演歌・歌謡曲からニューミュージックへ。

番組の上位には、ツイストやゴダイゴ、サザンオールスターズが常連として出演していた。

それに反して、ざだまさしや中島みゆき、オフコース、チューリップなと出演を辞退するアーティストもいた。

 

「テレビで一曲歌っただけでは、伝わらない」。

出演を辞退する理由のひとつでもあった。

 

サザンの桑田佳祐は、「一曲で伝わらないのであればシングル出さなければいいじゃん」と反論した。 当時を振り返って彼は、フォークソングとか、松山千春など、まったく分からなかったと雑誌でコメントしている。

 

そんな状況の中。

1978年の春と夏に、永遠のカリスマ二人のCMソングがチャートの首位を獲得する。

前年に日本武道館公演を成功させ既に若者にはカリスマとなっていた矢沢永吉の「時間よと止まれ」と、

潜在的なカリスマ性を秘めていた松山千春の「季節の中で」である。

 

 

もちろん2曲とも、『ザ・ベストテン』のランキングにチャートイン。

当初、二人とも番組の出演は辞退する。

 

「矢沢にテレビは必要ありませんから。ヨロシク!」と永ちゃんが言ったかどうかは知らないが、最後までクールに出演を拒否した。

一方の松山千春は、度々の熱意ある出演交渉と、山のようなリクエスト葉書を目の当たりにして、出演を決めた。

 

テレビに出て、テレビに出ない理由を切々と真摯に語った。

~テレビに出るのは、これで最後だと思ってほしい~

持ち時間を大幅に超えて、遅れて到着した山口百恵の出番がとんだ。

 

僕は、その光景をリアルタイムで息をのんで見つめていた。

テレビなのに、ラジオのように見る者、ひとりひとりに語りかけている。

「スゲーな。この人」。

幼ながらにそう思った。

松山千春という人間に興味を抱いた。

あの瞬間が、歌とは別に、本当の意味で松山千春の出逢いだったと思う。

 

放送終了後。

「特別扱いではないか」。

他の出演者たちは、番組プロデューサに詰め寄ったという。

するとプロデューサーは、「松山さんはテレビがなくても、コンサートという歌う場所がある。そんな松山さんがファンのリクエストにこたえるため、テレビに出てくれるのだから、当たり前だ」と、一蹴したという。

 

世間も大きく反応した。

賛否両論。

歌手がテレビに出る出ないで、大手新聞社までも記事として取り上げた。

 

「季節の中で」は、松山千春をスターダムに押し上げた。

そして、このテレビ出演により、日本中に既存の歌手とは違う圧倒的な存在感を見せつけた。

また松山千春を見るもの目に、カリスマ性が宿った瞬間でもあった。

 

その3年後。

千春は再度、「ザ・ベストテン」に出演する。

~テレビに出ないといって、またのこのこと出てくるわけですから、どんな罵声を浴びせられても構いません。 ただ歌に命を懸けています。 ~

 

その言葉をきいたとき、全身に衝撃が走った。

身体に筋金が入った。

「一生、千春についていこう」と思った。

たぶん千春は、テレビに出なかったとしても、ラジオとコンサートだけでずっと歌い続けて来られたと思う。

 

あの瞬間を目の当たりにしなくても、いつか自分は松山千春のコンサートに足を運び、やがては身体に筋金が入ったと思う。

けれど、ビデオレコーダーも普及していない時代に、一度きりしか見られなかった映像が肉声が感動が、現在でも、脳裏に焼き付いていることは、テレビ出演は成功だったし、意味のあることだったと思う。

 

テレビも、決して悪いものではないと思うのだ。

「季節の中で」を聴くと、そんな思いを思い出すのです。


ライブではリリース前から歌われていた。

1978.8.8 足寄から始まり、1979.7.28 真駒内、1982.7.24 真駒内、1984.7. 28大倉山の野外ソロステージ。

伝説といえる大きなイベント4公演すべてで歌われている。

 

コンサートツアーにおいは、1981秋に歌われたのを最後に、青春Ⅱ」 同様、デビュー10周年記念リメイクアルバム『旅立ち』がリリースされた1986年秋のツアーまで歌われていない。

 

「季節の中で」のオリジナルの演奏時間は3:13 イントロ10秒 後奏7秒。

リメイクのは3:40 イントロ14 後奏23秒。

 

リメイクの方が演奏時間など長く、最後のサビのリフレインは2回に増えている。

オリジナルはアコースティックギターの演奏から始まり、リメイクはピアノから。

リ・テイクはオリジナルの譜面を使用しているが、サビのリフレインは2回と異なる。

 

オリジナルの二番の後の間奏。

7回、ドラムに似た音が入っている。

これは、アレンジャーだった清須邦義がスタジオで、ニラレバ炒めを食べた箸で奏でた音だと、彼のホームページに記されていた。

 

前述しましたが、「季節の中で」を聴くと、「ザ・ベストテン」やテレビ出演に関する是非や、自分に筋金が入った瞬間など、さまざまな思いがよみがえるのです。

 

◆歌詞(オリジナル)及びオフィシャル動画・音源

 

うつむきかけた貴方の前を 静かに時は流れ 
めぐるめぐる季節の中で  貴方は何を見つけるだろう 

海の青さにとまどう様に とびかう鳥の様に 
はばたけ高くはばたけ強く 小さなつばさひろげ 
めぐるめぐる季節の中で  貴方は何を見つけるだろう 

登る朝日のまぶしさの中 はるかな空をめざし 
はばたけ高くはばたけ強く 貴方の旅がはじまる 
めぐるめぐる季節の中で  貴方は何を見つけるだろう

 

◆歌詞(リメイク&リテイク)及びオフィシャル動画・音源

 

うつむきかけた貴方の前を 静かに時は流れ 
めぐるめぐる季節の中で  貴方は何を見つけるだろう 

海の青さにとまどう様に とびかう鳥の様に 
はばたけ高くはばたけ強く 小さなつばさひろげ 
めぐるめぐる季節の中で  貴方は何を見つけるだろう 

登る朝日のまぶしさの中 はるかな空をめざし 
はばたけ高くはばたけ強く 貴方の旅がはじまる 
めぐるめぐる季節の中で  貴方は何を見つけるだろう

めぐるめぐる季節の中で  貴方は何を見つけるだろう

 

◆松山千春全作品に思うこと~全作品解説1977-1980 インデックス1

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