「松山千春 『風よ』に思うこと~松山千春 全作品解説352~」S3249/R


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◇更新履歴
V1.0:2015.9.8 初稿


■ 「風よ」 編曲者:飛澤宏元
1992年9月1日リリースのアルバム『挫折』の6曲目/全11曲。

◆レコーディングミュージシャン(後日、追記)
01. ギター(AG):
02. ドラム:
03. ギター(EG):
04. ベース:
05. キーボード:
06. ストリングス:
07. コーラス:

◆2015.9.8 夢野旅人

「凡庸」や「大いなる愛よ夢よ」、「生きている」などの絶唱。

松山千春の魅力の一つでもあるが、声を張り上げずにさらりと歌う唄もいい。


愛を確かめると、君にたどりついたんだ。

昨日、今日、明日。

君のこと以外、考えられないんだ。


君を想うと切ないよ。

胸の痛みに耐えらそうもない。


風よ。

こんな僕を見て可哀想と思ってくれるかい。

ならばこの想いを届けてくれないか。


と歌う。


先に、

~風(星)よ お前に心あるなら どうかあの娘に伝えておくれ~

と歌う「冬の星座」という唄はあるものの、


こういった男の臆病で、それでいてピュアな心情を、

さらりと歌い上げている彼の作品は少ない。


いい曲だと思うのだが、

これもステージで歌わない。


この曲が収録されているアルバム『挫折』は、

自律神経失調症で体調を崩していた時期に、病院のベッドで書いた曲が多く暗いという。


本人はそういうが、自分はさして暗いアルバムとも思わない。

少なくとも、「風よ」や「情景」に憂鬱な暗さは感じられない。


ただ、あの性格上、あの時期かなり肉体的にも精神的にもしんどかったはず。

そのことを92年秋のツアーで口にしていない。


シリアスに話したのは、

唯一、ツアー初日の上越ぐらいだ。


「もうステージに立てないんじゃないかという心境になった。

が、同級生らの励ましにより、もう一度ステージに立つんだと奮起した。

だから、ツアーの初日である上越で歌えるということは、

自分にとっては、大きな目標でもあったし、感慨深いもの(要約)」と語っていた。


ゆえに千春からすると、『挫折』の作品の多くは暗く弱気になっていた自分を思い出すのだろうか。


「風よ」の歌詞の中で、


~風よ お前になら 話すこともできる

自信ないわけでもないが もしもの時

すべてを失う 生きる力も~


という部分。


これは、もうステージに立てなくなるじゃないか。

そんな不安から生まれた歌詞かもしれない。


この曲をきくと、いつも思うのです。


それがビンゴだろうが、

とんでもなくピント外れであっても、


いい楽曲に仕上がっているのだから、

是非、ステージで歌ってほしいと思うのです。


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