ジェイ・ジェイ1987年5月号
クローズアップ 安田成美 やすだなるみ
1966年11月28日生まれ 射手座 血液B型
身長 166センチ   兄、姉、妹の4人兄弟

20歳を過ぎても、自分をしっかりつかむのはなかなか大変。揺れ動く10代を越えて、迎えた20歳の春。安田成美さんは、すでに自分の選んだ道を着実に歩んでいるようです。同世代の新しいリーダーと言えるかもしれません。イメージからは想像できない強い意志と判断力。ちょっと羨ましいですね。

20歳の出発をしたばかり。
「お誕生日なんか、非常にうれしかったです。ちょうど仕事のロケ先だったので、ひとりでニコニコしながらコーヒー飲んで。安全に解放感にひたってましたね。とにかく、10代後半の5年間は、早く20歳になりたくて。だからマッテマシタ!という感じでした」
16歳でデビューして、女優業もすでに5年。仕事という点では20歳を待たずに、すでに大人の世界に足を踏み入れていたことになる。
「でも、10代のコが何か言っても、聞く側としては〝ヘエ~〟というぐらいのもので、何を言っても真剣に受け止めてもらえないですよね。その点、20歳になったら大人として認められるだろうし…。仕事場でも、人ときちんと会話がしたかったんです」

昨年11月の誕生日には、実はスタッフも、とん汁で祝ってくれた。
「私の場合、人に〝おめでとう。おめでとう〟と言われるとどうしていいかわからなくなっちゃって。スタッフの方が、紙のお皿を配ったり、いろいろ準備している姿を見ただけで、悪いな、という気持ちが強くなっちゃうんですよ。私のためにと思っただけで、もう照れちゃって…。人に頼ったり、甘えることが苦手だから」

小学生のころは、バリバリの優等生で生徒会長。従来の夢は医者だった。

可愛くないんでしょうね、と。一見快活で苦労しらずのお嬢さんのイメージが強いが、話していると、その印象とはまったく違った安田成美像が見えてくる。
「人とうまくつきあえないことにコンプレックスを感じてるから、人と会うのが自己嫌悪だったりするんです。だから高校のときなんかも、クラスでは静かなお嬢さんみたいに見られてたんですけれど、個人的に話すと〝成美って変わってる〟って」

女子美の高等部時代は、カミュの「異邦人」やサリンジャーを愛読し、クラスのなかのどのグループにも所属しない、とりたてて自立たないかわりに、自分の意思をしっかり持っているような、単独行動派の女のコだった。高校中退も、彼女を知れば、なるほど、納得できるエピソードのひとつだ。
「ちょうどひとつ仕事が決まって、学校も了承していてくれたはずが、クランクインする2日前ぐらいになって、突然、ダメと言われたんでふ。でも、ここまできて全部ひっくり返すなんて、とてもじゃないけどできない」

理想の男性像は、やりたいことをやって充実し、キラキラ輝いている人。

悩んだ末、仕事のほうを選んだ。仕事が好きだからというより、引き受けた以上やりとおさなければ、という責任感が勝っていたからだ。それまでも、仕事が夜中までかかったときなど、心配した両親に「明日は行ってはダメ」と厳しく言われることもあった。
「両親は、別に働かなくても生活できるんだから、大変な思いをしてまでやることないと言うわけです。でも、会話の途中でスタッフの顔が浮かんできて、みんなに迷惑かけるから行かなくちゃいけないし、やらなくちゃいけない、と思うんです。責任感というより、お金をもらっている以上、当然ですよね」

仕事のために学校を失った高校2年生は、通信教育で勉強を続けたばかりか、大学検定試験にも合格し、希望どおり大学生に。
「学校にはほとんど行ってないので、大学名は出さないでくださいね」と念を押して、
「学校をやめたとき、最低限度のことはやっていなかれば不安だったし、自分はこれだけ頑張っているんだという実感がほしくて。安心を求めていたのかな⁉️大学を受験したのは、大学を出てはじめて社会人、みたいな教育を承けてきた家庭環境もあるでしょうね」

女優としても、これまで屈託のないお嬢さん役が多かったが、この4月から放送される
「親子ジグザグ」(TBS 系)では、相手役の長渕剛の同褄相手役という設定。
「同棲っていいな~と思いますよ。結婚だと親戚とか親が出てくるけれど、同棲だったら好きだから一緒に生活する。その気持ちだけでできるのが気楽でいいですよね。私の場合?まわりがうるさいから。アッハハハ」

20歳は金⅓混ざった銀。やや控えめに輝いているイメージだという。金の比重が増えたとき、素敵な女性に会えそうな予感が。