
ヘアカタログ1982年別冊付録
河合奈保子 1963年7月24日大阪生まれ
■河合奈保子のヘアスタイルにしたい人に
基本的にはおかっぱふうのボブカットですが、サイドからバックにかけて2cm くらい段をつけています。そうすると、髪全体にボリュームがでてふんわりした感じになるからです。あごからほおにかけての髪が浮くよう、後ろに引きながらブロウします。美容院

奈保子「アーン、目ばたきすると前髪が目に入って、チクッて痛いわ。ちょっぴり長くなりすぎたみたい。」
─入院中にパーマかけられなかったからほとんどとれてるね。
奈保子「そうでしょう。もう、ほとんどもいうより、ぜ~んぜんかかってないんですもの。」
─しばらくはこのまま?
奈保子「ううん、そういうわけじゃないの。かけたいだけど…。」
─時間がない。
奈保子「ジャーン、大当たりの1等賞❗️」

─賞品は?
奈保子「1等賞の方にはハワイの旅──ヤだ、思わずのってしまった。」
─アハハ…。奈保子ちゃんて、のりやすい性格
だったのねぇ。ふ~む、新発見。
奈保子「意地悪❗️」
─話をコロッと変えて、この間より枝毛が少なくなった感じね。
奈保子(にっこり笑って)「でしょ。うれしいな。入院したのがよかったみたいです、髪のためにも。」
─はッ?
奈保子「あのときはね、奈保子、お仕事全部お休みして寝てたでしょ。おとなしい、いい子でベッドにジッと。」

─ウソだぁ。
奈保子「そりゃ、ときどきは外に出たがり虫がムズムズ動きだして〝外に出たいヨー〟なんていったこともあるけど。」
─ほらね。
奈保子「でも、ほんのちょっぴりだもの。だいたいはいい子にしてたもの。」
─アハハハ…。奈保子ちゃんて、ほんと、のりやすいのね。すぐ、本気になるんだもの。かっわいいッ❗️
奈保子「あっ、あっ、あーっヤなせ~かく(笑)
でね、私が休んでると髪の毛も休むのね、一緒に。私が眠ってるときは髪も眠ってるし。というわけで、私も髪の毛も十分休養したのです、病院で。それでもって、私も髪の毛もなおって、いまはいきいき元気❗️なのです。枝毛って髪の毛のいたみだもんね。」

─そうね。だけど、大変だったでしょう、入院中は。動けなかったんでしょう。
奈保子「退屈だったですね。あっ、そうだ。知ってますか?ドライシャンプーって。」
─いいえ。それ何?
奈保子「ガーゼに、何かスッとする液をつけて、地肌をキュッ、キュッってふいてくれるの。そのあと、ガーゼをつけたブラシでブラッシングしてくれるんです。とっても気持ちいいのよ。病院ではね、3日に1回やってくれたの。」

─誰かがしてくれるのね。
奈保子「そうです、付き添いの人がていねいにしてくれるんです。」
─うわぁ~、いいな。私もしてほしい。
奈保子「入院すれば?」
─そうか。
奈保子「アハハ…冗談ですよ。入院なんかするもんじゃないです。健康が一番。シャンプーも、泡をいっぱいたてて、お湯でシャーッと流すのが一番。」

─ほんと、健康がいちばん大切よね。奈保子ちゃんのいうとおりだわ。’82年は健康第一でがんばってね。
奈保子「はい。そういえば、もうすぐお正月がくるんだ。こんな着物を着ると、心はもうお正月。ラン、ラン、ルンルン。」
─この着物、気に入った?
奈保子「うん、すっごく。薄いブルーが、とってもいいわ。これ着てしっとり女の子らしく初詣でにでも行きたいわ。」

─何お願いするの?
奈保子「健康でしょ。」
─それから?
奈保子「旅行に行けるように。広~い牧場のあるところがいいな。スイスなんかいいたろうなぁ。おいしい空気いっぱいすって。」
─奈保子ちゃんは洋食派?
奈保子「どっちでもいいんだけど、ウーン、和食のほうが好きかな。」
─お餅は?
奈保子「ウフフ、大好きです。」

─じゃあ、これから楽しみね、お正月にはお餅が…。(横から『奈保子ちゃんは入院中にお正月をすませちゃったんですよ』とマネージャー氏の声)
奈保子(その言葉にうなずきながら)「そ~なんですよ、アハ…。」
─どういうこと?
奈保子「あのね、入院中にお餅た~くさん食べたんです。『奈保子ちゃん、何かほしいものない?』『おモチ』『奈保子ちゃん、何が食べたいの?』『お汁粉』。それのくりかえし。」

カセットラベルです。 河合奈保子
─あっ、いいなぁ。でも、ずるい。奈保子ちゃんにだけ一足先にお正月がきちゃったなんて。
奈保子「あら、だけどおなかの中だけですよ、お正月がきたのは。心は12月。やっぱり、日本髪結ってね…。きょうもね、日本髪結ってくれるのかと思ってたの。楽しみにしてたから、少~し残念。でも、こんなふうにリボンとかんざしをつけるだけで立派な和服ヘアになるんですね。新しい発見。ねぇ、このままのヘアでジーンズはいてもおかしくないでしょ?」
─髪飾りとればね。
奈保子「決めたっと。きょうはこのままで帰ろう。おつかれさま。」
─あっ、リボンとかんざしつけたままよ(一同爆笑)。