続き 平凡1975年2月号
希望対談  タコ 百人一首 おとそ
郷ひろみ 山口百恵 アグネス・チャン
艶やかな晴れ着のアグネス・チャンちゃんと山口百恵ちゃん。そこへピンクのスーツの郷ひろみクンがやってきました。
郷「ワァー、ふたりともきれいだな。今日はもうけちゃったな、こんなきれいな女性に囲まれるんだもん。」
アグネス「郷さんもピンクのスーツ、とってもステキョ。」
郷「どうもありがとう。」
山口「アグネスも日本の着物、とってもよく似合うワ。」
アグネス「そう、どうもありがとう。もう何回も着物きたからなれたョ。」
郷「日本でのお正月は何回目?」
アグネス「3度目。元旦から4日までお休みなので、お正月はゆっくり過ごすワ。」
山口「私もうまくするとお休みがとれそうなの。お母さんたちと温泉へでも行きたいと思ってる。」
アグネス「私も温泉へ行きたい家族をよんで、雪のある温泉でゆっくりしたいな。」
郷「ヘェー、みんな家族と一緒にどこかへ行けるなんていいなあ。元旦から仕事だから、その間をぬってお正月をやるんだ。」
山口「お正月はおせち料理も楽しみですネ。」
郷「ぼくのうちは九州の福岡風なんだ。おぞうになんかトリでだしをとってつくるんだ。とってもうまいよ。」
アグネス「お雑煮は大好き。郷さんの家へごちそうになりに行こうかな。」
山口「あらそんなにおいしいんだったら、私もごちそうになりに行きたいワ。」
郷「どうぞ、いつでも来てください。僕はおもちは2~3コしか食べないけど、ふたりはもっと食べるんじゃないかな。家のおもちだけで足りるかな。」
アグネス「私、そんなたくさんたべないから、安心してて大丈夫ョ。」
三人(笑)
山口「お雑煮のほかに黒豆ってあるでしょ。あれが大好き。毎年、自分で煮るのヨ。」
アグネス「自分でお料理するの?」
山口「そう、あれは、長い時間グツグツと煮なければならないので、漫画を読みながらできるでしょ。」
郷「漫画を読みながらのお料理なんかおいしいのかな。煮すぎて黒こげになっちゃつて黒豆っていうんじゃないの。(笑)」
山口「そんなにことないですよ。本当においしいんだから…。アグネス、うちへ黒豆を食べに来てくださいネ。」
山口「それと甘酒も作ってごちそうするわ。とってもあまいのよ。」
アグネス「百恵ちゃんのところはお正月に甘酒つくるの?お正月はおとそを飲むじゃない」
郷「よく知ってるネ。僕のうちは、元旦にちゃんとおとそのセットを用意して、お父さんから順番に飲むんだ。」
山口「うちはだれもお酒を飲めないので、おとそのかわりに甘酒をつくるの。これも私がつくるよ。」
郷「ところでお正月なんだから新しい年の抱負とか夢とかあると思うんだけど、どんなこと。」
アグネス「もういっぱいあるヨ。お仕事のことでは、今までのコンサートのいい所をまとめて新しいものを取り入れ、リサイタルをやりたい。1年目は新人で一生懸命歌うだけネ。2年目は勉強の期間、そして新しい年はいままで勉強したものを生かしてもっと成長したい。」
山口「とっても勉強家ですね。私も来年はもっといろいろ勉強しなくちゃ…。」
郷「仕事ではいまの『よろしく哀愁』よような歌もずっと歌いたいし、カンツォーネなんかも勉強して幅を広げたいな。」
アグネス「それとネ、今度詩集を出したの。これを2集、3集と続けていきたい。」
山口「ワアー素晴らしい。なんという題名?」
アグネス「〝小さな恋のおはなし〟百恵ちゃんし好き?」
山口「好きでよく読んでるの。今度アグネスさんのも必ず読みます。」
郷「これは夢なんだけど、3か月ぐらいアメリカへ行きたいな。ロサンゼルスへ行って、躍りと歌とステージと英語の勉強をしたいんだ。僕の目標は歌はエルトン・ジョン、役者はクリント・イーストウッドなんだけど、ちょっとオーバーかな。」
アグネス「でも目標を高い所へおくのはいいことよ。私はお父さんとお母さんをつれて外国へ行きたい。お父さん、お母さんは東南アジアしか行ったことないからネ。そのためにもガンバラナクッチャ。」
山口「私も郷さんと同じようにアメリカへショーを見に行きたいワ。それと2度ハワイへ行ったんだけど、どこも見てこなかったから、こんどは遊びで行ってみたい。」
郷「それじゃ3人とも、1年たって夢がひとつでも多く実現しているように、新しい年も頑張っていきましょう。」