
ジェイジェイ雑誌1988年12月
クローズアップ 東山紀之 インタビューの受け答えは、はっきりと的確だ。カッコいいことがたいせつ、女の子とのデート経験なし、「男だな」って思える人たちと付き合っていく。淡々と語るその横顔に中学時代は坊主頭でバスケットに熱中していた、硬派な若者の素顔がのぞいた。
カッコいいか、カッコ悪いか──このひとことが、いまの東山クンにとって、いちばん大切なキーワード。洋服を選ぶときにしても、新しい仕事をはじめる場合でも、彼の頭の中をよぎるのは、常にこのひとことだ。
「カッコいいのが好き、っていうと、なんだかとても軽薄なヤツって誤解する人もいるかもしれないんだけど(笑)カッコよくなる、っていうのは、実はとても大変なことだと思うんです。カッコよさ、っていうのは、決して表面的なことだけじゃない。どんなに最先端のファッションを着ていても、どんなに顔立ちが整っていても、中身のない男っていうのは、絶対、カッコいい存在にはなれないと、僕は思うんですね」
「まず、自分の目的をしっかりつかんで、毎日、その目標に向かって絶えず努力をしてる人。他人のもの真似じゃなくて、自分の個性を表現することを知ってる人。そして、やっぱり仕事でいちばん輝いてる人。そういう人に、もっともっと近づきたい。尊敬する役者は、松方弘樹さん。中井貴一さんや西武清原クン、バレーボールの川合クン、みんな友達づきあいさせてもらってますけど、〝ホントに男だな〟って思える人たちばかりですね」

中学の三年間、坊主頭で(想像できない‼️)、バスケットに燃えていただけあって、その心意気は、超硬派の体育会のノリ。でも、すべてに前向きな東山クンにも、ひとつだけ苦手なものがある。
「女の子と、うまくつきあえないんですよ。僕だって男ですから、興味はとてもあるんですけど、どうも女の子といるとテレちゃって…。妹だって二人きりでいると、テレちゃうくらいだから(笑)。女のコと腕を組んでデートしたことなんて一度もないし、車の中から、仲良さそうに歩いてるカップルを見ると、ホント、ぶっとばしてやりたくなりますよ(笑)」

「買い物は大好きで、よく行く場所は代官山。洋服に限らず、バッグ、小物なども自分で買う。『必要もないのにいろんなものを買い込んじゃって、もうバザーが開けるくらい。部屋の中が大変なことになっている(笑)」とか。