王子たちとの確かな絆  愛の風景
第1子ウィリアム王子を抱くダイアナ元姫。このころが幸せの絶頂だった。
「子供は、5人ほしいの。2才違いくらいで産んでいきたい」ダイアナ元姫は、結婚直後こう語った。
女王の反対を押し切って、ダイアナ元姫はウィリアム王子を、宮殿近くの保育園へ通わせた。

「子供(親元から離して寄宿学校に入れるより)親子全員が顔をそろえた家庭でともに生活し、楽しく食事をして、助け合いながら成長するほうが、その将来にとってはるかにいい」というのが彼女の信念だったからだ。
そして、その期待どおりに、2人の王子は健やかにのびのびと育ち、彼女の念願の温かい愛情にあふれた家庭は手に入ったかに見えた。しかし、子供たちとの間に築いた確かな絆とは裏腹に、夫との仲は冷え始めていた……。
このころから、ようやく大きくなった2人の王子を、彼女は積極的に海へ、スキーへと連れ出すようになる。子供たちと一緒になって体を動かし、笑い合うダイアナ元姫。その姿はまるで
少女のように天真爛漫だった。
夫との別居が決まった後でさえ、子供たちと一緒にいるときの彼女の笑顔には一点の曇りもないように見えた。
そして、ダイアナ元姫がなきがらで帰国の途についた8月31日は、再会を約していた日だった。悲報はすぐ届けられたが、あまりに突然のことに、2人は泣き崩れることもできず、ただ呆然としていたという。
誰よりも彼らを愛し、誰よりも彼らよ人生を考えていた母はもういない。……