non・no雑誌8/5定価380円1985年
1985年毒舌スターファイル ビートたけし
8月には田中裕子と共演の『夜叉』が公開される。

丸首のサマーセーターに柄物の短パン。太くたくましいむこうずねは、けっこう毛深い。一人で現れ、スタスタと座敷に上がると、座布団と座イスごとどけて、どっかり。「オレ、畳がすごい好きなの。あと、座布団だと、安定が悪くてすぐ転がっちゃうから。」なんて、冷たいおしぼりをだしてくれた仲居さんに話してる。
首をコキッと曲げるしぐさが、たまらなくかわゆい。「水割り、薄いめにね」と注文。
高倉健さんと共演できるって聞いて、二つ返事で映画『夜叉』の出演を引き受けちゃった。周りからいろんなこと聞いて、健さんという人のだいたいの感じが分かってたんだけど、そのとおりの人だったね。映画の主役を張れる人っていうのは演技も大事だけど、存在感がなきゃどうにもならない。
田中裕子さん&ラブシーン
螢子役が田中裕子さん。ボーッとしてて、温かくて、つかみどころのない感じでしょうちょっと見たとこは。だけどものすごく芯が強くて、演技の計算もきちんと立ててるし、たいした女優さんだと思った。けんか別れした後、漁師小屋に真夜中、彼女を呼び出して金の無心をしたあげく、いやがるのを押し倒してやっちゃうっていうシーンがあるの。オレ、恥ずかしいしさ、どうしようかな、どうしようかなってこまってから、田中さんが「そういう状況なんだからとにかく押し倒してやることばっかり考えたほうがいいんじゃないの」って。「構わないからやんなさい、やんなさい」って励まされて(笑)女優さんすごいです。

レギュラー週8本、平均睡眠時間3時間、それでも毎晩仕事が終わると飲みにでかける。
「あと3年で40だから、それまでめいっぱいやるの」
若いころマリー・ラフォレのファンだった。映画から盗んだギャグも多い。『天才・たけしの元気のでるテレビ‼️」(日本テレビ系)のスタジオで
この次は映画監督、金をかけて作りたいね