─── それは突然やって来た。
忘れもしない半年前の2018/06/18(月)、某ラウンドレッスンに参加していた時の事である。
それまで数ホール程様子を見ていてくれていたコーチが私にアイアンショットのアドバイスをくれた。
「もう少しテイクバックを真っ直ぐ引きましょう。」
私は何の躊躇いも無く、クラブヘッドをターゲット方向に対して真っ直ぐに引いた。
バックスイングからトップへ、切返し、ダウンスイング、そしてインパクト…
私は初めてシャンクを経験した。
当時の事なので当時の流儀で可愛がって頂いたが、勿論、今でも感謝している。今は流儀が違うけれど。
色々な事を教わり、やがて30才を過ぎ80台前半でラウンド出来るようになっていた頃、私は世に言う子育てブレイクを迎え、キャディバッグ、スキーの板、テニスのラケット等を物置の隅へと仕舞い込んだ。
白かったキャディバッグが埃にまみれ、当時最先端だったメタルウッドやオリジナルのパーシモン製ヘッドのドライバーを感慨深くまた握るまで優に27,8年。
今年還暦を迎える私は昨年、ゴルフ再デビューを果たしたのだった。
当然の事ながら、劇的進化を遂げたドライバーには四苦八苦させられたがアイアンショットに不安は抱いていなかった。いや、不安を抱くどころか自信さえ持っていて、この経験をする前月に行われた同級生コンペでも、残り200ヤードから5Iでパーオンパーしていた。
何が起こったのか分からなかった。
いつものようにダウンスイング、そしてインパクト…
明らかに音が違った。
そして顔を上げた時、いつもならまだ空中にある筈のボールが、そこに無かった。
「えっ、何?」
私はボールの行方を訊ねるよりも先に、何が起こったのかを同伴者に訊ねた。
あぁ、これがシャンクか。
一度出たら止まらなくなり、その日のラウンド中に立て直せなくなる人もいるっていうやつか。
と、その時は半ば他人事のように考えた。が、
それはその時突然やって来て、その日のラウンドが終わるまで、ずっと私に付き纏った。
(つづく)
