僕はおだやかな性格だ。
なんてね。嘘だ。
僕はおだやかではない。
おだやかっていうのは、
きっと弱いってことだ。
敵を見つけると吠えずにはいられない。
だって気にくわないから。
僕は強いからね。
大きな音を出して通り過ぎる黒いカタマリとか、
僕を子供扱いして、赤ちゃんに話しかけるような声で寄ってくる人間とか。
僕を小さいからってバカにしているんだ。
僕はとっても強いんだ!
でも、ひとりの時はおとなしくしているよ?
だって、敵がものすごく強かったら困るでしょ?
相棒はこんな僕をみて、おバカという。
吠えるのは僕が臆病だから、
僕が弱虫だから、という。
そんなことはない。
僕は強いから敵に吠えるんだ。
ついでに相棒にも吠えてやるよ?
ご主人様は怖いけど、相棒は僕のしもべだからね。
おバカとかいってる暇があったら、僕のいうことを聞きなさい。
いいね?
・・・・・・
・・・・・・・・・
たまに思うんだ。
僕はきっと弱虫なんだ。
いや、知ってるんだ。
僕は弱虫だ。
弱虫であることを認めたら、楽になるかな?
強くなれるのかな?
僕だっていいとこはある。
めっちゃできる番犬だし。
大きい音にびっくりするのは感受性が強いからなんだ。
誰かが泣いている時は、僕は側でおとなしくしてる。
僕はひとりでもさみしくなんかない。
知らない人は苦手だけど、大好きな人にはたくさんの愛情を注げるんだ。
おだやかではけしてないけれど、僕だって良い奴だ。
穏やかな奴が決して弱いんじゃないってことだって知ってる。
穏やかな奴にもいいとこも悪いとこもある。
強いからおだやか。
弱虫だからおだやか。
僕も。キミも。


