そこにはたくさんの敵がいた。
いや、みんな僕とおんなじ犬だったから、
きっと仲間だ。
こんなに仲間たちがたくさんいるのを見たのは久しぶりだ。
僕はひとりが好きだから。
仲間たちは人間に抱えられて列に並んでいる。
僕にとっては、人間の方が敵だ。
僕もその列に並んだ。
その先には白い服を着た人間が、仲間たちに吠えられてる。
何をしてやがるんだ。
僕の前にいるおじいちゃんは足がプルプル震えているし、
後ろにいる小さな女の子は、ご主人様にしがみついたまま離れない。
向こうの隅にいるおじさんは、人間にものすごい牙を向いている。
楽しそうに仲間同士でルンルンしてる子たちもいるけど。
僕もスカサズ相棒の足元にしがみついた。
怖いわけじゃないんだよ?
相棒が寒そうにしてたから、僕が湯たんぽになってあげようと思っただけさ。
あったかいでしょ?
今日は風が強くて寒い日だから。
でも順番が回ってくるうちに僕は悟ったんだ。
僕は期待してたのに。
楽しいところに行けると思ってたのに。
お前のこと信じてたのに。人間のわりに僕のいうことをきくやつだから。
でも、これはもしかしたらあれだろ。
楽しくも美味しくもないだろ。
おい。
・・・・・・・
狂犬病の予防接種は必ず行いましょう!
https://wanchan.jp/osusume/detail/2840
僕は注射なんかより、寄ってくる人間の方が嫌いだ。
注射なんか怖くない。
あとお前、覚えてろよ。

