あるよく晴れた気持ちの良い日
実家の庭に冷凍チーちゃんを埋葬
こういう事はいつもは父がやってくれるのですが、あいにくの留守で今回は母とふたりで埋葬しました
何故か母は最初からうきうきと活発で
「さぁ、鳥を埋めちゃいましょう。小さいシャベルが必要ね」とあちこち探してくれたり、
が結局見つからず
「これ、丁度良いわね」と掃除の時、床に貼り付いたガムなどを剝がすあのヘラの様なものを振りながら現れました
「それいつも何に使うの?」と訊くと
「あら、これとっても便利じゃない?ベランダの掃除とか…」
多分、母は使ったことないです。父が何かに使うのでしょう
よろよろとしてるくせにやけに素早い足取りで彼女が目指したのは庭の西側
こちら側はすぐ先が緩い崖になっていて一日中日が当たる場所です。
見晴らしも良く風は穏やか
一年を通して本当によい場所です
「さぁ、ここよ。煙(ハムスターの名前)もここにいるの。どの辺だったかなぁ~忘れちゃった」
じゃあやたらに掘ったらハムスターがヒョッコリ出て来る可能性もあるじゃないの。恐ろしくない?
「何言ってるの、もう何年も前のことよ。平気よ」
と言うが早いかヘラでザクザクと掘り始めてる
「ほら、崖だから土が柔らかいわよ
早く文鳥を出しなさい。
…こんなもんかな」
と物凄い勢いで穴を掘ってしまい
チーちゃんを保冷バッグから出して渡すと
「あらッビニール袋から出さなきゃダメよぉ。
溶けないわよ」
「やめてよ、そんな怖いことよく言えるのね」
「何が?」
と言いながら母はチーちゃんの体をグイグイ穴に押し込み
うわぁ~、ふたつに折れそうじゃない
どこからそんな力が出るのよ
「何言ってるの?もうこんなのは抜け殻で中身はとっくにどこかに逝っちゃったんだから」
バキボキと穴に押し込みたちまち埋めてしまいました
その手際の良さ!
手を合わせるでもなく
「うまくいったわね。」
と満足そう
埋葬というより死体隠匿のようです
ちょっとビビってる私に気遣ってくれたのか
「何かで言ってたわ、ペットって死ぬと虹の橋という所に集まって飼い主と天国へ行くんですって」と
『あの世否定派』の母にしてみればまろやかな事を言います
「それは知ってる。誰が考えたのかしらね
人にとってずいぶん都合の良い考えよね
いくらつらいからって…
じゃあさ、食卓に上がってる牛や豚や鳥はどうなるのよ。報われなさが絶望的じゃない?
人間てつくづく傲慢だわ」
「そうね、飼い主なんかに会いたくないかもね
自由に自分たちでのびのびやりたいでしょうよ」
「そうよ、どこかで自由にやってるのよ」
でもね死んでまで自分でいるのはなんぎなことだわ
お父さんや子どもたちの心配するのはさ
守ってあげられるなら良いけどね
よいしょと立ち上がると母は家に入り
私はそれを見届けて実家をあとにしました
心不全の数値が200を超えているので
朝は調子が悪くなかなか起き上がれないと言います
そろそろ緩和ケアと連絡を取り繋がっていたほうが良いので来月はその手配です