そこかしこに落差あるドロップ。大ぶりの花崗岩がゴロゴロと入りルートを邪魔する。普段は水量が少ないため草や低木がびっしりでジャングルクルーズ状態のところも。10を超える堰堤。増水自体珍しいが、クリークとしてはかなり面白い。 奥津1.36m, 苫田ダム流入39-32t
関西はほとんど降らず、中国山地北側が大雨という珍しい状況。定番の引原川は水量あったが、以前から興味をそそられていた岡山の川へ。現地で累加250mmを超える大雨から2日、水量が減っていく中、倉敷在住の友人の案内で吉井川奥津渓。岡山カヤッカーがプレイボートで下る区間を更に下流へ延ばし、苫田ダム・奥津湖北端までの超ロングコース。
プットイン地点は、深くは無いがストレスなく漕げるだけの水深がある。主に花崗岩で構成され茶褐色の河原。水も木津川や六甲の沢と同じような色になっている。降りたての雨水は冷たく、意外に勾配があるため流れは早い。
堰堤がとにかく多い。後で数えると14箇所ほどあった。取水堰堤を除き降下可能で、大抵は魚道か水路が空いている。
2つ目に現れる大きな堰堤は放水ゲートがある。ここはカーブしている放水路から降りた。
普段より50cmほど水深があるので、水際はおろか水面下まで草や低木生えている。ところによっては流れが藪の中を通るジャングルクルーズ状態。
早い流れのお陰で波は高く、ドロップがある瀬は数多い。花崗岩の崩れた岩がゴロゴロと流れの中にいて、予想外のストッパーや強いピローを作り、難度を上げている。
堰堤は1箇所凶悪なのがあるので注意。ここは堰堤が無いほうのコースがあるが、藪に阻まれ行けなかった。堰堤は2mほど垂直に落ち、下は巻き巻きだったが、スカウティングして左ベタから降りた。
取水堰堤はちょっとしたダムサイズ。手前左岸に大きなスロープがありここからポーテージ。取水口の真上を越えて下流へ降りられる。ここで最大13.5t抜かれるのでここから水量が少なくなる。
取水堰堤直下に長いスライダーを持つ笠ケ滝。行けそうな感じもしたが、井字の滝の別名通り、中ほどで真横から傍流が勢いよく入って来る。スライダー途中までポーテージして、傍流の下からエントリー。ボトムのホールは大してキープ力なく、難なく抜けられた。
更に、その下にあるのが鮎返しの滝。右岸からポーテージ。2〜3m位の高さからのドライエントリーになる。対岸に宿と露天風呂がある(宿の人から遠慮するよう一言あった)。
その下が、甌穴群のある奥津渓核心部の白渕。流れに負けて狙いのルートは描けなかったが、2つのストッパーは意外にキープ力なくて、問題なくクリア。
この少し先で奥津渓は終了。テイクアウトまであと僅かと思いきや、ここからが長かった。開けてフラットになってくる。
堰堤とジャングルクルーズは相変わらずだが、メリハリのあるドロップも時折現れる。
ようやく奥津湖のバックウォーター手前のテイクアウト。中洲で分かれる左側ルート、ザラ瀬に黄色い鉄骨の水門のようなところにスロープがある。箱の杜公園は整備された駐車場で、トイレもあって申し分ないが、コース内容としてテイクアウトは取水堰堤までで十分。とはいえ、一度は下っておきたい奥津渓核心、今年の梅雨の漕ぎ納めに下れて大収穫だった。
[当日のデータ]
水量:奥津1.36m, 苫田ダム流入39-32t
プットイン:鏡野町上齋原チェーン装着場
テイクアウト:箱の杜公園(奥津湖北端右岸)
距離:22.4km
高低差:284m
ボート:クリークボート
グレード:3級
時間:4.5時間