ゆらりゆらり小説書こうよ

ゆらりゆらり小説書こうよ

僕の日々起こった事をまじえながら



小説を書いていくブログです。

くだらなくたっていい つまんなくたっていい

僕の日常で起こっていることは いつも僕の手で書き記すんだ

Amebaでブログを始めよう!

 静まり返った部屋の真ん中にポツンと、ただ何の意味もなく生きる僕がいる。

時計には時間を知らせる役目がある、タンスには服をしまう役目がある。

僕はいったいなんだろう・・・・

 学校を辞めてから、ずっと人との接触を避けていた。

だってそうすることでしか、自分を守れないから。

あのときの弱い自分を、思い出さずにすむから。

・・・だいたい、あんな夢でここまで落ち込む僕は何なのだろう。

・・痛いところつかれたって、認めてるんだろうね。

これから、生きる意味が見えてくるかなぁ・・

こんな僕でも役目があるとしたら、僕はそれをいきがいにするから。

だから・・・・・・・

 また願おうとしていた。

やっぱり・・・だめだ・・・・願ってはいけない。

それが本物の弱さだと、身にしみてわかっているから・・

そこからはじめなくてはいけないのだと

実感しているから。

 「真治~支度できた~?????」

現実の世界へ戻された。

頑張らなくてはいけない・・そう思った瞬間、あることを思い出した。

いつごろだったろうか、僕は毎週火曜日に必ずラジオを聴いていた。

いろんなアーティストが曜日別に登場するラジオ番組で、

毎週火曜日は、僕の大好きなアーティストだった。

それを聴いて、明日への勇気に変えていた。

生きる勇気に変えていた。

だけど、ツアーなどの理由でたったの3ヶ月で最終回を迎えた。

さびしかった。ぼくの唯一の友達だったから・・・・

苦しいときは、いつでもそばにいてくれたんだ。

大丈夫って言うように、歌ってくれたんだ。

最後のメッセージで、僕は生きることを決心したんだ・・・・

生き延びていくことを決心したんだ・・・・

ボーカルギターをつとめていた彼は、

最後のメッセージでこう言った。

これは彼の大嫌いな言葉、生半可な気持ちではいえない言葉。

「俺と一緒に頑張ってください」

ほかにも彼は沢山の言葉を口にした。

こわかったねってなぐさめてくれた

それは僕みたいに、鍵をガチャガチャにかける人へのメッセージだった。

もうやりきれなくて、心臓が痛くなって、嗚咽なんてもんじゃないくらい苦しくて・・・

もう、泣くって感じじゃなくて・・あれは、動物的本能で鳴いてた。

水溜りができるくらい鳴いてた。

そして僕は生き延びていこうと決心したんだ・・・・・・・・・・。

だけど今は聴いてない。

彼らの存在も、あの頃の記憶とともに、消し去った。

「あの時」から聴くのをやめた。

CDも、録音したラジオのMDもダンボールにつめて手の届かない場所へ置いてきた。

すべてが変わった。あの頃の僕はいない。

「あの時」からすべて終わった。

「あの時」から、他人を信じるのをやめた。

・・・もう思いだすのはやめよう。

最近昔のことを思い出してばかりだな・・・。

すべて忘れたはずなのに・・・。もうやめるんだ。

 

 両腕を天井に突き上げ、大きくあくびした。

「よし!!!大丈夫だ!」

下唇を少しかみながら、頬を強くたたいた。

正夢になんかしない・・・・・・と。












でも、どうしても泣けなかった。

「悲しい」という感情よりも大きい何かがそこにあったんだ。

黒い空間の中で、僕はずっと立ち尽くしたままだった。



「シンジ!!真治!!!ねぇ?真治ってばぁ!!」

スイッチが入ったように、突然目が覚めた。

なぜか、いつもより天井が高い気がする。

そうか・・・・・落ちたのか。

「あんた・・なにやってんの?」

なぜか僕のベットには、母が座っていた。

・・・・・え?落とされた?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「何度呼んでも起きないから、落としてみたんだけど、全然ダメね。

寝相が悪いのは誰に似たのかしら」

・・・・・・・そんなの遺伝するわけないだろ。

ということは、あの僕の名前を呼ぶ声は、お母さんだったわけか。

また一つため息をついて、ゆっくり上半身を起こした。

背中とお尻が痛い・・・・・・・

「早く起きて支度しなさい。今日は願書提出&面接の日よ」

僕の母はむちゃくちゃすぎる。

人を落としておいてそれだけかよ。

「じゃあねん」

またも軽快なスキップで、僕の部屋から姿をけした。

静まり返った僕の部屋。

いつもとかわらないはずなのに、なんか違うな・・・・・

いや、違うはずないんだ、この部屋は。

違うのは僕だ。

ちゃんと目は開いているのに、だんだんぼやけてきた

唇が震えてきて、頭の後ろが熱くなる。

ポロポロポロポロ涙がこぼれてきた。

僕が瞬きするたびに水色のパジャマに落ち、

その度に僕のパジャマは青い丸を描いていった。

どうしてなんだ・・・・

どうして僕は僕なんだ。

どうして竹下家の竹下真治なんだ。

どうして臆病者の真治なんだ。

どうしてこんなに涙が出るんだ・・・

天井のシミも、窓から差し込む光も、もう全部見えない。

僕には何もできない・・。

自分を変えることなんて出来ない・・・

オクビョウモノノシンジ

あの爺さんは本物の神様だよ。インチキ神なんかじゃない・・・

本当のことを、言ってたんだから・・・・・・

もう手遅れなんだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

どうしよう・・・支度しなくちゃ・・・

でも・・通信なんて行ったって・・また同じ事を繰り返すだけだ・・・

また僕は・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あのときの記憶が、また僕を襲った。

・・・変わりたいのにそうできないのはなんでだろう。

あのときだって僕は、変わりたいと思っていたんだ。

何事もうまくいかないのはなんでだろう。

全部僕が悪いの?全部僕のせい?

ボクガオクビョウモノダカラ?











閉めるのを忘れたカーテンの間から、真っ白いようで黄色い光が

僕を照らした。

僕の心とは正反対のその光は、美しくまた希望のような光だった。

神様がくれた光で、僕は目が覚めた。

「・・あ~お風呂はいるの忘れた・・」

・・・・・・・・・・・・・・

多分神様はがっかりしてるだろう。

僕に希望の光なんて必要ないのにね。

今日も自由か・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こうやって学校を辞めて「自由」みたいなのを手に入れると、

自由ってなんだろう・・とか思ってしまう。

みんな自由になりたいとか言ってるけど、それってなったらなったで困ったりするよ。

そう考えると、僕は最初から自由だったんじゃないだろうか。

こんな僕が自由を望むのは、おこがましいのではないか。

王様がお金ほしいとだだこねるのと一緒か・・?いや、違うだろ。

はぁ・・・・・・

五畳半の小さな部屋いっぱいに、僕の小さなため息がいっぱいになった。

「通信か・・・・・」

頭の後ろで手を組み、まだボヤーとする意識の中で、天井のシミをながめた。

女の体・男の横顔・子供の笑った顔。

さまざまなシミが天井には広がっている。

お前たちは僕が作り出したんだ。

僕が作り出す前は、ただのシミだったんだよ。

僕が命を吹き込んだんだ。

感謝しろよ・・・・・

涙交じりのあくびとともに、また眠りについた。

 白髪交じりのおじいさんがこちらに向かってくる。

白くて長いワンピースをきた、変な趣味の爺さんだ。

いつの間にか僕の目の前にいた。

すると「ネガイヲヒトツカナエテヤロウ」

と万遍の笑みを浮かべた。

・・・この爺さん、頭おかしいんじゃないのか。

人間の癖して何をえらそうに。

「嫌」という一文字を顔であらわしてみた。

爺さんは微笑んでいる。

こうゆうやつは一度相手にしたらダメなんだ。

どこまでもついてくる、そう。

知らない人に話しかけられたら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・走る!!

走るポーズをしたその瞬間

僕の周りに女の人がフワリと舞い降りた。

きれいな布切れみたいなのを一枚巻いただけで、裸だった。

頭にはわっか・・・わっか?え?WAKKA?

え・・・?えええ!!??

わっか?え?手品?え?え?

わけがわからない・・・・誰か誰か!!!!

どうしていいかわからない僕に爺さんは言った。

「ネガイヲヒトツカナエテヤロウ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

もしかして・・・・・・・このじいさん・・・・・神様???

しらがまじりの髪の毛に、白いワンピース・・・白いワンピース・・・!!!!!あ!!

本で読んだ!白いワンピース!!神様の象徴だ!!!!!!!!!!!!!!

もはや気絶寸前だった。

臆病者で小心者で引っ込みじあんな僕の目の前に、神様と天使が舞い降りた。

「さぁ!さぁ!」せかす神。

「ぅ・・ぁの・・ぇ~っと・・・・ぁ~・・・・」

「さぁ!さぁ!」せかす天使。

「・・・・・ぼ・・・ぼ・・」

「ボ?ボ?」僕の顔をのぞき、かしげる神

「ぼく・・・ぼっ」

「ボッ?ボッ?」かしげる天使

ええい!!!言ってしまえ!!!!!!!

「・・臆病者をやめたい!!!!!!!!」

神と天使は顔をみあわせた。

「お願いします!」と一押し。

神と天使はニコリと微笑み、手をつなぎわっかを作った。

なぜか僕はそのわっかの中にいた。

・・そうか、儀式なんだ。

これで僕も臆病者から解放されるんだね・・・

そんな真剣な僕を見て、神は微笑み、わっかを作ったまま、回り始めた。

それと同時に、天使もまわりはじめた。

軽快なスキップだ。すばらしい。

囲まれた僕は、少し恥ずかしかったけど、我慢した。

神と天使は笑っている。

其のとき、大音量で音楽が流れ始めた。

・・・ん?聴き覚えがある・・・・

これは・・あ!メリーさんの羊だ~懐かしいな~

そうか、神様の好きな曲はメリーさんの羊なんだ。覚えておこう。

さっきよりもリズムのいいスキップになっていた。

「シンジハダメダ~オクビョウダ~ヨワムシダ~シンジハムリダ~テオクレダ~♪」

え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?なんだ?

辺りを見回した。誰もいない。

神様と天使と僕以外は誰も・・・・。

「シンジハダメネ~モウダメネ~バカスギル~シンジハテオクレネ~ヨワムシネ~」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

神様と天使が笑っている。

そんなばかな・・・

「オクビョウシンジクン~ナキムシネ~ナオラナイ~ズットズットカワラナイ~ダメシンジ~」

神様と天使が歌っている。

軽快なスキップとともに、愉快に歌っている。

「・・・やめろ・・やめろぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!」

シンジハダメダの一言が、頭の中にこだましている。

耳を力いっぱい抑えた。

「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

その瞬間、あたり一面が暗くなった。

真っ暗な世界で、何も見えない。

誰かが僕を呼んでいる。

「シンジ!シンジ!!」

この声はあのインチキ神だ!

「やめろ!「やめろ!!」

耳をふさいでのたうちまわった。

すると、勢いよくお尻をうった。

どこかに落ちたらしい。痛い。痛い。もうだめだ。泣こう。

僕はお墨付の臆病者なんだ。

このさい思いっきり泣いてしまえば、忘れられるかもしれない。


どうやら母は魚と戦い終えたらしい。

自分で皿を取っていた。

「あんたはホントにグズね、皿の一枚もすぐに取れないの?」

居間と台所の間にたたずむ僕を見て、母は情けなさそうだった。

「・・・・・だって、靴下・・・」ボソッと言ってみた。

かっこ悪いよな・・・・・・靴下汚くてなんてさ・・・・

しぶしぶ洗面所に行き、靴下をほおりなげた。

僕の足を守って汚れた靴下。黒く、フニャフニャになってる。

・・お前はかわいそうだな、いつも足の下敷きだもんな。

「きれいにしてもらえよ」


 鯵の開きに菜の花の漬物、それにレンコンと鶏肉の煮物に味噌汁とご飯

テーブルに隙間がなくなっている。お母さんはいつもそうだ。

でかい皿に載せれば良いのに・・・・一人一人小分けにするから洗いものまで増えるんだ。

「さあ、食べましょう?」

お母さんの隣にお父さん、お母さんの前に僕、その隣に兄貴。

4人がいっせいに座ると、足伸ばせないんだよな~・・

「いただき・・」

「ちょっと待ちなさい」

黒い箸にのせられたご飯が泣いている。

「・・・んだよ」タイミングを失った兄貴は箸を置いた。

「真治、あなたどうするつもりなの」

「(あちゃ~・・・)」

「まだ何も決まってないのね?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「そうなのね?」

「もういいじゃんか~食べようよ」と兄。

「黙ってなさい!!ね?お父さん」

父は黙ってうなづいた。

さっきお腹なってたくせに無理しちゃって。

「決まってないならお母さんが決めます」

「え・・・????」

「・・・通信制の学校へ通って高卒の資格を取りなさい」

「え・・」

「はい決まり~」兄は勢いよくご飯を食べ始めた。

あっけにとられる僕、食事を始める以下3人。

こうゆう時、なんていうんだ?

てゆーより、ツウシンって・・・・・・何?


その夜僕は考えた。自分のベットの上で。

何も考えてないのに、腕を組んで考えるフリした。ひたすら考えるフリをした。

時には「ん~」とか「そっか~」とか言ってみたりした。

そんなくだらないことをしているうちにまたあのガサツな音がした。

・・・・・・・・・・やつがくる。こちらに近づいてくる。

ドシドシドシドシ。コンコン

「的中」ドアを指差した。

「真治」

「・・・・・何」

「一応考えてるみたいね」

「・・・・まあね。」

良かった。たまには役に立つんだな。

「あけるわよ」

「いいよ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ドアの向こうにいた母は、なぜかとても悲しげだった。

「・・・・・・真治」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いやな予感。

「・・・なに」

「通信に通ってちょうだい。高卒の資格だけでも取りにいきなさい・・!」

突然こちらにかけよってきた。

「あんたがね、学校やめるって言ったとき、正直悲しかったわ。

うまくやってると思っていたから・・・・・・・

でも、それがあんたの思う道なら仕方ない。・・だけどね、今の世の中

高卒の資格くらいないと将来大変なのよ?わかるでしょ?」

「・・・・うん」

「通信なら日曜日だけ学校に行けばいいだけなの。後は家でレポートすれば

単位が取れる仕組みになってるのよ」

よくもまあ調べたもんだ。拍手・・パチパチ

なんて心の中で思ってた。

「あんたが学校辞めた本当の理由、お母さんは知らないわ。

でも無理に聞こうなんて思ってないの。」

・・・・僕は話したかった。そんでどうしてこんなにも臆病者なのか、小心者なのか、

いろんなことを聞きたかった。

「・・・・知らない人たちと同じ空間にいるのが苦しい」声にもならない声で、ためしに言ってみた。

「・・え?なに?今なんていったの?」

「なんでもない」

声にならない声は、しゃべってないのと同じだよな。

「少し、考えても良いかな?」

あの記憶が頭の中ににじみ出てきた。

思い出すな、思い出すな、あれは僕じゃない、大丈夫、大丈夫だ。

「でも願書受付が明々後日までなのよ?願書はもうもらいに行ったんだけどね。

面接が・・・」

「もういいよ」

「なにが?」

「行けばいいんだろう」

泣きそうになった

「本当に?行くの?よかったぁぁぁお母さんね、本当に心配だったのよ。

じゃあ明日提出しに行きましょうね」

一気に機嫌がよくなった母は、軽い足取りで僕の部屋から出て行った。

・・・なんで泣きそうなんだろう。

ため息にもならない息を吐いた。

思わずokしちゃったけど、心の中は嵐だった。

ドンガラガッシャンってなんか割れて、

ビュービューって黒い風が吹いている。

ため息にもならない息を吐いて、ベットにねっころがった。

「これから・・・どうなるんだろう」



そっと台所を除くと、魚を焼く母の後姿があった。

また少し太ったな・・・・・・そういえば昨日まんじゅう7個も食べてたもんな~

なんて思いながら、台所のすぐ横にある襖を開けようとした。

「こら、真治!!!!」

いつものニュアンス、いつものボリュームでいつもの母の声だった。

だんだんこちらに向かってくる。がさつに歩く音。

あ~・・見つかっちゃった。。。。別に隠れてもいないけど。

僕は振り向かずに下を向いた。

靴下が汚くなっている、洗わなくては・・・・。

そのうるさい足音は、僕の背後で止まった。

「あんた学校辞めてから寝てばっかりじゃない!あんたは春休みじゃないんだからねぇ?」

「・・・・・・わかってるよ・・」

「わかってないわよ!何やってるのかと思えばいっつも寝てるんだから、

自分の目標に向かって頑張るんじゃなかったの?ねぇ、いつまでそうしてるつもりよ?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「なんとかいいなさい」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「真治?」

魚のこげる匂いがした。

「・・・魚こげてるんじゃないの?」

四切れの魚が、グリルの中に入ってた。

死んでる・・・・・・。

「ったく、そうやってごまかそうとして!ご飯のときにちゃんと話なさいよ!?お父さんにもね!」

お母さんはいつもそう、怒鳴るときは語尾が上がるんだよね。

やたら耳につくんだよね。

そんなことを考えてたら、いつの間にかお母さんは魚と戦っていた。

死んだ魚と戦ってる、生きたお母さん。

ププッ・・思わず声に出して笑ってしまった。

「なんだよきもちわりいな。邪魔だからどけよ」

なんともムカついて今にも胸焼けを起こしそうな声。

目をあわさないようにそいつをみた。

「邪魔だって」

そういってそいつは居間のふすまをあけ、閉めずに入っていった。

僕は兄貴が嫌いだ。

まったく正反対の性格で、まったく正反対の意見で、

イマドキ系で、明るくて、それでいておもしろい、頭はパーだけど。

 開いた襖・・・・・の前に立ち尽くす僕。

「これからどうしよう・・・・・」本日10回目。

もういやだ・・・・どうすることもできないのに、どうもしようとしません。

助けの声があったらいいのに、ああ、神様、教えてください。

これから僕はどうしたらいいのでしょうか・・・・・・・

そんな僕の心の問いかけに

「早く閉めろよ」

という声がした。

もひとつ

「そんな事言ってないでお皿出してちょうだい」という声もした。

兄と母の声・・・・

・・・・・間に挟まれた僕。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ふすまをしめ、台所へ行った。

あ~・・靴下洗わなくちゃなのに。






あー、わけわからない。

そんなことを思っている自分がわけわからない。

そんな自分をどうしたらいいのかもわからない。

17歳になって3ヶ月と12日が過ぎた。

いまだわけわからないことばかり。

17歳って年に、期待してたりしたんだけど

16歳でわけわからなく生きてるやつは、17歳になっても同じだ。

特別考えがかわるわけでもなく、急に身長が伸びるわけでもなく。

16歳からゆるゆると引かれた線は、今も一定を保っている。

 「これからどうしよう」

9日前から定番のセリフになっている。

どうしようなんて口にしてみても、答えが出てくるわけじゃない。余計嫌気が指してくる。

でも、声に出すことによって、一応焦ってますオーラを出す。意外と重要なことなんだ。

 僕は今年で高校3年生になる。2年通う高校は、名門校ではなく、バカ校。

それなのに校則が厳しい。まあ逆に緩くても何かしようと思わないけどね。

クラスでもこれといって目立つ存在ではない。

だいたい半分にわかれてるんだよね。目立つほうとそうでないほう。

そうでないほうはこれまた分かれていて、普通とダサいにわけられる。

僕は普通・・・・・・じゃなくダサイほう。

だから発言権はないと思っている。

ただただ時計の秒針が進むのを待っている。

たまに、僕があの子を見ているうちにどれくらい進んでいるんだろうとか

そんなくだらないことばっかりしている。

信じあえる友達もいなければ、これといって話したい相手もいない。

そうしているうちにグループができて、僕は一人ぼっちのダサい系というポジションを得た。

 僕は臆病者で小心者でひっこみじあんで人見知りだ。

明るくもなく面白くもなくかっこいいわけなんて絶対ない・・・

特技・・・・なんてないし・・・趣味は・・・・・・・・・・・寝ること。

毎年自己紹介に困る。

あ!!でも、高校に入ってたくさん本を読んだ・・・あ~よまざる得なかった。

一人ぼっちの僕は、一人を隠すため、いつも本を読んでいた。

だって、友達がいないなんてカッコ悪いだろう。

かといって自分から話しかけるなんてできやしないし。

話のねたがないのもあるけど、自分から焦っていくのはカッコ悪い。

「友達になろう?」なんて押し売りみたいなもんだろう。

だから僕はいつも本を読んで、本読んでるから一人なんですオーラを出した。

周りがどう思っていたか知らないけど、とにかく読み続けた。

だから、そのぶんの知識を得た。

2年間で、軽く100冊は読んでいるだろう。

僕が本を読む上で、絶対条件がある。

それは、「家では絶対読まないこと」

それがどんなにおもしろい話で、どんなに続きが読みたくても。

なぜなら、本を読み終えてしまったら、学校ですることがなく、平常心を保てなくなるから。

・・・もう、あんな思いをするのはいやだから。

常に学校で自分という存在を消していた僕だけど、ついに、ついに、いや、とうとう

学校を辞めることになった。

親と担任を4ヶ月かけて説得してきた。あらゆる理由を使って。

最初は友達がいないんだを理由にしたけど、いじめられているわけでもないから

反対された。

いじめも友達がいないのも大差はなく、苦しいんだよ。と思ったけど。

次に「お金ためて留学したい」というのを理由にした。

だけど、僕は英語が大の苦手で、それを受け入れてくれるわけなかった。

その後もいろんな理由をでっちあげ、親と担任を困らせた。

そして最終的に、「もうそんなに嫌ならやめていいわよ」と母に言わせることが出来た。

本当にうれしかった。活字の生活から開放されるんだ。もう、読まなくていいんだ。

小さくガッツポーズした。

この4ヶ月間、いや~苦しかった。

口数少ない僕が、真剣に話せば、それなりにOK出してくれると思ったんだけど、

なかなか手ごわかった。

ということで僕は、3年生直前でやめることになった。

というわけなのである。

今は春休み中。まあそんな区切りはもうなくなるんだけどね。

いいね、縛られない生活。これで当分ほんの読みすぎで

ブルーベリーを食べなくてすむね。

「これからどうしよっかな~」ベットの上で寝転ぶ。

天井のシミはもう数えた。それでさんざん顔や女の体も作った。

やることがない。今、腐ってるわ。

あ・・・・みんな気づいてくれるかな。

新学期になって、席がひとつ空いてること。ずっとあいてること。

「竹下君どうしたんですか?」って聴いてくれる人はいるかな?

そもそも、僕の名前知ってる人いるのかな?

自己紹介のときなんて、緊張で唾液飲み込みすぎて

ごくんごくんという音で声をかき消されてしまっていた。

気づいてなんてくれないだろう。

多分僕がやめたことなんて、あ~やめたんだ、って一瞬思うくらいだろう。

絶対あの子はマスカラなくしたときのほうが大騒ぎするだろう。

絶対あいつは短距離のタイム落としたときのほうが悔しがるだろう。

そんなことを考えているうちに、深い眠りについていた。

 どれくらいたったろう。だれかにはたかれる夢を見た。

それと同時にめがさめた。

「あ・・・寝ちゃった。」ボソっと声に出した。一応罪悪感オーラを出す。

ゆっくり上半身を起こし、窓を見ると、薄暗くなっていた。

そのまま目線を上に向けると時計は6時40分をさしていた。

また一日を無駄にした。

あ~・・・・いい具合に腐ってきてるな・・なんて客観視したりして・・・。

ミシミシ音を立てる床を歩き、これまたギシギシ言う階段を下りた。

魚の焼けるにおいで完全にめがさめた。