私は25歳でバルセロナに住むまでは、ワインなんてあまり好き

じゃありませんでした。

苦くて渋い飲み物だと思っていました。

ビールもあんまり好きじゃなかったと思います。

 

あれから長い月日がたって、ワインにもビールにもいろんな種類

があり、気分や料理で飲み分けて、おいしいと思って飲んでいま

す。

 

(おいしくなかったら飲みません。主人に飲んでもらいます)

 

そこで、人って変わるなあ、と思ったのです。

 

中身とともに味覚もね。

 

ホテルのレストランでソムリエをしていたのは、もう10年くらい前。

もう10年も経ったのか…と思うと怖いくらい。

 

さて、そのときに、ウェイター、ウェイトレスがたくさんいたのですが、

なかにはソムリエという存在が嫌いで邪魔してくる人がいたのです。

 

お給料も一緒だし、勤務時間も同じなのに。

 

チップがほしいがために、私に相談もなしに自分の担当テーブル

のお客さんにじゃんじゃんグラスワインをプレゼントしたり。

 

ワインの並べ方もわざとのように、ぐちゃぐちゃに入れ替えて。

 

挙句の果てに、滅多に出ない高級ワインを仲間で開けて飲んじゃ

った(泥棒ですよね)。

私が気がつかないと思ったんだと思います。

 

注意をしても聞いてくれなくて、そうこうしているうちに景気が悪く

なって、彼はリストラされてしまいました。

 

そんな彼にです、10年後、偶然出会ったのです。

市内の10年近く続くワインに拘りのあるお店で。

 

なんと、ワインスペシャリストとして確固たる地位を

築いてた!

 

なんだー。

やっぱりワイン好きだったでしょう。

素直にワイン好きだって言ってくれたら、もっと一緒に学べた

のにね…。

 

それとも急にワインに目覚めたのでしょうか。

 

ありますよね、こういうこと。

 

だから多分、今好きじゃないものは無理に好きになろうとしなく

ていいし、試さなくてもいいと思います。

自然にその時期はくるから。