ふと、思い出したことがあります。
お仕事で各地を旅していました。家族で。
ある街では、高級車に運転手さんとガイドさんがついて、えらい
VIPな待遇だったのです。
私たちが車から降りると、道でじろじろ見られるくらいピッカピカ
の車。
ボディガードみたいなスーツの運転手さんで。
なーんだ、ただの旅行者か。
と思われたでしょうけど。
ちなみに運転手さんは送迎車の会社の雇われ運転手さんで、
ガイドさんはガイドさんというより自営で旅行業をされている方。
あるレストランに家族で食事に行ったとき、子供用のメニュー
を持って来られて、何気なく子供用のものをオーダーしました。
で、食事後お店の人が追いかけてきていたようで
(私は見ていないのですが)
迎えに来てくれていた運転手さんが、話に行きました。
運転手さんは、私たちに
何かちょっと手違いがあったみたいで。
もう解決しましたからねー。
と言ってくれて、私は何も気にしていなかったのです。
そして翌日その日はガイドさんも一緒に食事をすることになっ
ていて、その時、彼女が
子供の食べ物は頼むなら実費で払ってください。
先日のレストランの分は、運転手さんが払ったのですよ。
うちの経費では落とせませんので。
と。
ガーンッ。
何も気づかず呑気にしていたけれども、運転手さんに気を
使わせていたなんて。
ガイドさんが言うには、運転手さんは、これは私たちに言うべ
きではない、と言ったらしいですが。
ずばっと言われてしまいましたね。
速攻運転手さんに料金を聞いてお礼を言って返しました。
ぼーっとしていた自分が恥ずかしいのと、運転手さんの気遣
いがなんかとても身に沁みて、すっごい複雑な気持ちでその
後ガイドさんと食事をしたのでした。
運転手さんは、多分私より若いだろうし、多分ガイドさんより
稼いでいないだろうけど、人間ができてる…。
その点私は気が利かなくて、自分の最小限の仕事だけで精
一杯。
うまく言葉にできないのですが、人としての何かを学んだと
思います。
人生は、毎日そこら中に学びがあるのですね、きっといくつ
になっても。