2023年の夏の終わりに、SとZは築70年の平屋賃貸の契約を結びました。庭は草ぼうぼうで、敷地の境界には、朽ち果てた木製のラティスフェンスと、カラーワイヤーのからまった丸太杭が倒れていました。家の裏側には、形の崩れたカラーボックスが打ちやってありました。
ぐらぐらの柵。倒れた丸太杭のワイヤーに雑草が絡まっていた。危険なので撤去。
Zはまず、フリーレントの一ヶ月の間に、「ちちり庵」と名付けたこの古家に毎日のように通い、庭の草を抜き、土を掘り返し、敷地内に転がっているさまざまなゴミを片づけていきました。敷地と書いたものの、隣の空き地との境界もはっきりしません。おそらく昔は隣の空き地にもう一軒家があったのではないかと思います。
家の周りにあった残置物をまとめた。このほかにガスコンロなどもあった。
庭には大きな松の木の他に、山桃、白樫、柿、そしてシマトネリコの木がありました。玄関の前には、大きな葉蘭の茂みが二つあり、蔦植物にからまれた雪柳がありました。また紫陽花の株が点在し、家の裏手には八手と南天が生い茂っていました。立ち枯れた木もいくつかあり、常緑樹の多い、いかにも昭和の鬱蒼とした庭でした。
Zは、敷地内の現状の写真を撮り、主だった植物を書き込んだ簡単な庭の図面を作成しました。そして大家さんにその資料を持っていって、家の周りに柵を張り巡らしたいこと、庭の植物をある程度伐採したいことを伝えました。大家さんは全くこだわらないようで二つ返事で許可してくれました。
大家さんに提出した庭の植物の見取り図(掲載にあたり一部修正)。
SとZは予算が無かったので、ひとまず家の周りの柵は、園芸用のイボ竹と防獣ネットを組み合わせて自作することにしました。ネットについては、各種通販サイトを見ると、価格にだいぶ幅がありました。商品説明があまり記載されていないページも多く、とりあえず、中間くらいの価格のものを選んで、注文しました。
そして近所のホームセンターでイボ竹と結束バンドを買ってきて、石頭ハンマーでイボ竹を打ち込み、ネットを結束バンドで固定しました。隣の空き地ではセイタカアワダチソウがぐんぐん伸びていたので、境界を明確にするだけでも、だいぶ家らしくなりました。
手作りの柵。旗竿地なので、玄関までの道が長く50mを使い切った。
庭の植物は、いくつか根ごと掘り上げて撤去しました。庭の一角をごみ置き場に決めて、雑草や落ち葉、枝木や根は、そこに積み上げました。そしてZのアパートの専用庭で育てていた鉢植えの数々を少しずつ植えていきました。
後日、家を見に来た大家さんは「きれいにしてもらえて良かった」と喜んで帰って行きました。



