俺は、古道具屋で麻雀卓を何台か見繕って麻雀牌も卓の数だけ揃えた。
高校の頃から麻雀が好きだったから
雀荘を経営してみようと思ったのだ。
届けを出して、いざ開店。
21歳になったばかりの夏だった。
高校の頃から麻雀が好きだったから
雀荘を経営してみようと思ったのだ。
届けを出して、いざ開店。
21歳になったばかりの夏だった。
俺が鑑別所から出た後
俺の居場所はなかった。
当然新聞屋はクビ
カフェーでも嫌な顔をされ、
故郷の港町に帰るしか
道はなかった。
そのころの俺は、
よくサイモン&ガーハンクルの
「コンドルは飛んでゆく」
を聞いては自由になった気がしていた。
毎日ぼーっとしている俺に
秀夫兄貴が問いかける。
「なあ大治、俺んとこの会社で大工をやらねえか」
物を作ったり
絵画を描いたりするのが
好きだった俺
やってみようか
20歳の秋、俺は大工になった。