皆さんこんにちは。秩父のクマです。
沢山の方からコメントやアメンバー申請をいただき、本当にありがとうございます。
今回は、家造りの中でも重要な、「庭」をテーマに考えます
庭と一口に言っても、外構から植栽まで全てが庭づくりの一環となります
その中で、秩父のクマは、テーマを決めて庭を造っていくことによって、日々の生活が豊かになると考えました
古来、日本人にとって庭とは、日々の生活を豊かにするうえで、欠かすことのできない要素でした
我々の親世代では、古風な日本庭園のような庭が好まれる傾向が強かったと思います
大きな水鉢や灯篭、錦鯉の泳ぐ池など、いわゆる、昔のお庭といった感じです
ここ15年ぐらいでは、西欧風のガーデニングが主体の庭が増えてきました
秩父のクマ家が目指しているのは、最近増えてきている「雑木の庭」です
秩父のクマが雑木の庭を知ったきっかけは、本屋さんで見かけた書籍がきっかけでした
その書籍はこちら
高田造園設計事務所の、高田宏臣さんが監修している本です
庭のデザインをどのようにしようかと悩んでいた当時、この本に出会いました
何となくやりたいイメージが頭の中にあったものの、具体的になっていなかったものが、この本には全てありました
シンボルツリーというような外構的存在の植栽ではなく、庭全体がビオトープのような、小さな生態系を形成する働きをすること
自然界では全ての生き物や植物が循環して生きています
その環境を庭に作り出すことによって、こころにゆとりのある、豊かな生活を生み出そうという発想です
詳しくは、高田造園設計事務所さんのホームページをご覧ください。
こちらは、積水ハウスの「5本の樹計画」です
高田造園事務所さんや、積水ハウス、秩父のクマ家でも、ベースにあるのは全て同じ考えです
以下抜粋します。
庭は、住まいの中の「小さな自然」です。庭木の選び方や計画によっては、生きものたちと豊かにつながり、周囲の自然環境と共生する健やかさを持つことができます・・・日本の気候風土に合わせ、それぞれに適した樹木を植えています。
その土地ならではの美しさや香り、実をもつ樹木を植えることで、様々な生きものに多くの恵みをもたらすことが出来、やがて我が家の庭そのものが地域の生態系の一員として豊かな環境づくりに寄与する存在となります。
生きものたちに愛される庭では、季節が鮮やかになり、私たちが慣れ親しんできた自然そのものの表情を見せてくれるはずです。
季節の美しさを身近に感じ、自然と語り合う庭づくりを・・・。
とまぁこんな感じです
こういう考え方がとても好きです
大手ハウスメーカーだけに、キャッチコピーや考え方が洗練されています
こういったところが、大手ハウスメーカーの凄いところだと思います
「3本は鳥のため、2本は蝶のために、日本の在来樹種を」
詳しくはこちら→→→積水ハウス「5本の樹計画」
それでは、我が家の庭に植えてある雑木達を紹介していきたいと思います
▼コナラ
ブナ目ブナ科コナラ属の落葉高木です
雑木の庭の主役の木といっても、過言ではありません
ドングリのなる木としても有名です
日本の雑木林に多く存在し、自然界での樹高は10メートルから20メートル前後です
根や葉、樹液の出る幹も含め、その微気候改善機能は他の木の追随を許しません
庭で管理する場合は、7メートル~10メートルぐらいで管理できると理想です
我が家のコナラは植栽2年目で、現在の樹高は2メートル前後です
【植栽直後のコナラ】
▼アオダモ(コバノトネリコ)
モクセイ科トネリコ属の落葉高木です
別名「コバノトネリコ」とも言います
人気品種のシマトネリコとは似ていますが、全く違う品種です
シマトネリコは常緑樹ですが、アオダモは落葉樹です
葉の形も、樹形も全く違います
日本の雑木林では一般的に見かける樹種です
雨に濡れると幹が青がかって見え、雨の日でも庭に表情を与えてくれる、風情のある木です
樹高は10メートル~15メートルぐらいになり、庭での管理は剪定が必須です
我が家には、3本のアオダモがあります
【株立ちのアオダモ】
こちらは植栽直後の様子です
今はこの倍ぐらいに枝を広げています
▼ヤマボウシ
ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉高木です
樹高は、5メートル~10メートル前後になります
シンボルツリーとしては、常緑のヤマボウシも人気があります
初夏に咲く白い花は、特徴的で存在感があります
実は赤く、桑の実に似ていることから、別名「ヤマグワ」などと呼ばれています
ハナミズキと間違われやすいですが、花の形が違います
ヤマボウシは国産で、ハナミズキは外国産の樹木です
【画像左端がヤマボウシ】
こちらも植栽直後の様子です
左端がヤマボウシ、真ん中がアオダモ、右端がヒメシャラです
点々と植えてあるのが、クラピアです
▼ナツツバキ(シャラ)
ツバキ科ナツツバキ属の落葉高木です
別名はシャラノキ(娑羅樹)とも言います
樹高は5メートル~10メートルぐらいで、初夏に白い花を咲かせます
花は朝開花すると夕方には落ちてしまう、一日花です
今年の夏は、3輪~5輪程度の花を咲かせてくれました
【手前の木がナツツバキ】
▼ヤマモミジ(イロハモミジ)
ムクロジ科カエデ属の落葉高木です
ヤマモミジはイロハモミジの亜種とされています
オオモミジの親戚とも言われます
皆様ご存知の通り、紅葉の王様です
日本の秋と言えばモミジです
雑木林の中では中木になりますが、我が家の庭ではメインの樹種となります
5メートル~8メートルぐらいの高さで管理して、庭に日陰を作ってもらう予定です
現在の樹高は3メートル前後です
今のところ、我が家の庭では一番成長が早い気がします
【樹高は3メートル前後】
こんな感じで、他にもヒメシャラやソヨゴ、エゴノキにハイノキなど様々な種類の木を植栽しました
こういった木々たちは、四季の移り変わりをその姿で見せてくれます
春の芽吹きから、鮮やかな新緑、夏には生命力豊かな緑を茂らせます
初夏や秋口に花を咲かせる樹種もあります
晩秋には紅葉し、葉を落とし、冬はその姿で寒々しさを感じさせてくれます
当たり前のことを言っているようですが、自宅の庭で四季を感じることができるのは、とても幸せなことだと思います
もちろん、四季を感じるだけでなく、「雑木の庭」は快適な住環境を提供してくれます
西側に植栽してある我が家の高木は、暑い夏の日差しを遮り、家に差し込む西日を和らげてくれます
冬になれば葉を落とし、柔らかな日差しが差し込みます
水捌けの悪い赤土の庭は、しっかりと根を張った木々たちによって土の中に自然の水脈が作られ、その根をもって土壌を改善します
既に、表上の土(地中10cmぐらい)は、クラピアが根を張り、土質を改善してくれています
水を撒いてもすぐ乾いてしまう状態だった土の表面が、クラピアが根を張っている所では、しっかりと水分を保っているのです
下の画像は、引っ越し直後の我が家の庭土です
写っているのはスギナです
カラカラなのがわかりますでしょうか
【カラカラの土壌】
【全体図before】
こちらは、昨年の7月頃の様子です
カラカラに乾燥した赤土は、強風で舞い、家の中にも入ってきたりして、埃と一緒に溜まっていたりしました
庭を歩くと、靴は泥で汚れ、玄関も常に泥汚れがある状態でした
【全体図after】
現在は土埃も舞わず、家の中に入ってくる量も減りました
庭の表面温度も、土がむき出しの時とは雲泥の差です
家の周りがアスファルトやコンクリートに囲まれている場合、熱の逃げ場が無く、ずっと暑い状態が続いてしまいます
一般的には、
アスファルト>コンクリート>むき出しの土>緑化した土
こんな感じで温度にも差ができます
もちろん、左側が一番高温です
庭に散水すると更に温度は下がります
【別角度before】
【別角度after】
【クラピアの広がる庭】
微生物や昆虫などの小動物が増えてくれば、もっと劇的に改善が進みます
木々が落とした落ち葉を、ミミズやダンゴムシ、ヤスデなどが分解し、さらにそれを土中微生物が分解していきます
その繰り返しが、豊かな土を生み出し、豊かな生態系の基盤となります
このように、何年もかけて雑木の庭は育っていくのです
木々や草花の成長と共に庭も成長していき、より快適な住環境を、自分の手で作り上げることができます
一年として同じ状態の庭はなく、庭自体が、毎年違った顔を見せてくれるのも、雑木の庭の魅力と言えるかもしれません
実は、「雑木の庭」には、他にも微気候改善という大きな恩恵があります
その辺りは、また機会があればお話したいと思います
といったところで本日はここまで。
長文お読みいただきましてありがとうございました。