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博士号取得者のはしくれが、小難しい経済学の概念をちびちび説明。

まずは、「経済学とはどのような学問なのか」ということについてすこしお話ししたいと思います。

 

私自身、大学に入学するまで、「経済学」と「経営学」の違いさえ分かっていませんでした。。

それはどうなの?って話はさておき、「経済学」とは、何ぞやって話ですね。

 

皆さんご存知(?)の通り、「経済」は中国の古典にある「経世済民」が語源といわれています。

これは「世を経(おさ)め、民を済(すく)う」といった意味なのですが、それって政治寄りの考えだよね?

と思った方、正解です。

「経世済民」には、広く政治・経済等の意味が込められていました。

 

で、現在の「経済学」は、簡単に言うと経済活動を分析する学問として知られています。

経済活動というと、貨幣(お金)がかかわるものでしょ?と想像されるのではないでしょうか・・・

 

あたり!だけど、それだけじゃない。

ここで「効用(utility)」という言葉を知っておいて欲しいと思います。

 

先輩から「経済学部にいたのに、効用さえ知らずに卒業していく生徒も少なくない」

と聞かされた時はもう、それはもう愕然としました・・・

 

経済学では、国家の一員である「ヒト」、すなわち経済行動を起こす主体は「自身の効用を最大化するように行動する」と仮定されています。

簡単に言えばこうです。

同じ部屋に、あなたともう一人いたとしてください。

目の前にコーヒーと紅茶が1杯ずつあって、どちらでも好きな方を飲んでいいことになっています。

あなたはどちらを選びますか?

 

 

このとき、コーヒーが好きな人はコーヒーを、紅茶が好きな人は紅茶を、カフェインが苦手な人は飲まない(笑)を選択するでしょう。

これがすでに、自身の「効用(utility)」を最大化しているわけです。

要は、「効用」≒「満足度」みたいなものです。

 

でも待ってください。

ここで、あなたがコーヒー好きだとして、もう一方の人もコーヒー好きだったらどうしましょう。

ゆずりますか?それともあなたがコーヒーを奪いますか?

譲った場合、あなたは紅茶になり、コーヒーを飲む時より「効用(満足度)」は下がってしまいます。

一方、もう一人は好きなコーヒーを譲ってもらえるわけですから、「効用(満足度)」は高いですね。

譲らなかった場合は、上記と逆のことが起こるわけです。

この場合(二人ともコーヒー好きな場合)、

①あなたがコーヒーを飲み、相手には紅茶

②あなたが紅茶を飲み、相手にコーヒーを譲る

の2つが考えられるわけですが、①②それぞれの2人の「効用(満足度)」を合計して、その合計値が高い方が

効用を最大化するように行動」していると判断されるわけです。

 

ここで、

あなたがコーヒーを飲むことによって得られる「効用(満足度)」は5、紅茶を飲むことによって得られる「効用(満足度)」は2とします。

相手がコーヒーを飲むことによって得られる「効用(満足度)」は10、紅茶を飲むことによって得られる「効用(満足度)」は1とします。

相手の人、よほどコーヒー好きなんでしょうね。

上記を仮定すると、

①では「効用(満足度)」の合計値は5+1=6

②では「効用(満足度)」の合計値は10+2=12

 

となり、全体的に考えると、あなたが紅茶を飲み、相手がコーヒーを飲んだ方が全体の「効用(utility)」が高くなるわけです。

長くなりましたが、こんな感じのことをいろんな「ヒト=経済主体」が起こす行動について考えていくってのが経済学です。

 

経済学の理論として、根幹を担うのが「マクロ経済学」「ミクロ経済学」になります。

この違いは、経済主体(経済行動をするヒト・団体等々)の違いです。

国とか、大きな(マクロな)単位の経済主体の経済行動を分析・考察する=マクロ経済学

家計や個人の、小さな(ミクロな)単位の経済主体の経済行動を分析・考察する=ミクロ経済学

 

読んで字のごとく。そのままです。

皆さんが経済学を学ぶときはまずこの2つを勉強すると思いますが、どちらも重要な概念としてぜひ習得してほしいと思います。

私自身はミクロ経済学を専攻としました。その理由は「自身に最も近い学問であるから」です。

私自身も経済主体として日々、「効用(満足度)」を最大にするように生きています。その行動を分析することに興味を持ったわけです。

きっかけは色々かと思いますが、このどちらに興味を持つかで、その後の専攻(もっと詳しく学びたい学問)を選ぶときの指針になると思います。これはまた追々。

 

これは完全に余談ですが、

近年では、「本当に経済主体って、いつ何時も、効用を最大化にするように行動するの?」

なんて疑問もわいています。

例えばダイエット。目の前のケーキを我慢した方が、ダイエッターとしての「効用(満足度)」は高いですよね。だって痩せれるし。

しかし、我慢できななくて食べちゃうのが現実…そう、これは「効用を最大化するように行動」できていない一例です。

このような人間の心理をコミコミで経済行動は考えなきゃいけないんじゃないの?というのが話題の行動経済学という学問です。

これは発展的な学問といえますので、興味をお持ちの方も、まずはミクロ・マクロの理論を身に着けてから本を読むことをお勧めします(*^^*)

学問は、歴代の学者が積み上げてきた理論の上に成り立っています。

それを無視した学問は、学問ではありませんのであしからず。