ちび鳩地域では
6日と9日にサイレンが響き渡る
できるかぎり その時間は手を合わせ
故人の冥福を祈り 平和を願う
ちび鳩の母親は 第二次世界大戦の開戦の年に
東京で生まれた
関東大空襲は調布から見ていた
東の空がオレンジに輝き
誰かが綺麗だと言って祖母は叱った
祖母は泣いていたそうだ
母は3歳だったので
この記憶は後からついたものかもしれない
終戦の日はとても暑い日だったのに
午後から母だけ 防空壕に入れられたそうだ
戦争に負けたから全員殺される
せめてこの子だけでも の親心
しかし ドタバタの中忘れられ
母は夜中にのこのこ 出てきたそうだ
祖母は生まれ育った浅草の町が焼けたと思っていた
祖母は関東大震災でも火の町を逃げ
自分の祖母を目の前で亡くしている
戦後 母の兄はアメリカ人からお菓子をもらっていた
親には内緒で食べていたそうだ
戦争で何かを得た人は ほんのほんの わずか
ほとんどの人が大切なものを亡くした
母から祖母から聞いたことを 残していかなくちゃ
戦争は絶対にいけないこと
戦争をしない方法を選ぼう
ちび鳩地域は明日 サイレンが鳴り響く
平和を願い 戦争をしない決心をする
こんな暑い日に ウダウダと過ごせる幸せ
スーパーでアイスが買える幸せ
大好きなあの人に会いに行ける幸せも
球場でビールが飲める幸せも
そのうち戻ってくる