入院して不自由なことが2つありました。

当たり前ですが右手しか使えないことです。

食事もそうですが、トイレが大変です。

着せられた病衣がワンピースです。

腰のあたりの内側と外側に結び目があります。

ほどいたら最後、自分一人では結べません。

トイレが困りました。

仕方なく裾を口にくわえてしました。

小だけでなく大の時にも悩みました。

両方の裾を肩に載せてしました。

ふだん、何気ないことですが不自由になると頭を使います。

次に一番困ったのが携帯電話が行方不明です。

研修先のセミナーハウスに硬貨を使い公衆電話から問い合わせました。

特徴を聞かれ、「黒の折り畳み式です。」と答えました。

「該当の電話がありますが、他に特徴はありますか?」と聞かれました。

「塗装か禿げています。」と答えました。

納得して下さったようで、着払いで職場に郵送して下さるようにお願いしました。

ただ、腕時計兼目覚まし時計兼お財布兼通信手段です。

本当に困りました。

とりあえず、記憶にある電話番号に公衆電話から連絡しました。

家内は留守電、兄とお義父さんの家電は繋がりました。

皆に驚かせてしまい日曜日の夜の団欒を台無しにしてしまいました。

ところで部屋には時計がなく、何時だかわかりません。

何となくの時間はわかります。

やることがない初めての入院生活の夜が更けていきました。