オースティン・シンフォニー・オーケストラが、今週4日間計7回、オースティンとその近郊の小学校高学年を招いて、コンサートを行っている。
そのうちのいくつかで、生徒たちをスムーズに着席、離席に導く誘導係をお手伝いすることになった。
何校もの学校が、同じデザインの黄色いスクールバスで会場にやってくる。
それぞれの学校の生徒が、他校に混ざって混乱しないよう、学校ごとに割り振られた座席エリアに誘導する。
私は既に作られたシステムに沿って誘導するだけなのだが、上手くシステムが作られているなあと感心する。
オーケストラの演奏を生で見るのは初めてという生徒が多く、郊外の他市からやってくる学校には、オースティンのダウンタウン、州議事堂やオースティンのダウンタウンのビル群を目にするのも初めてな生徒たちもいるのかもしれない。
着席後コンサート開始を待つ間も、高揚したワクワク感がホールを包む。
(コンサート開始前)
プログラムを勧める指揮者も慣れたもの。学校を入れかえ、複数回見ることになったけれど、子供向けではあるけれど子供っぽすぎず、音楽の作曲の形が学べるよう上手く選曲され説明される。説明に地元タコス店を例えに使うのも、毎回子供たちをわしづかみにする。
オーケストラがこのようなイベントを行ってくれるのはとても良いなあと思う。
そしてこの「オーケストラ遠足」を動かす、引率する学校の先生たち、スクールバスのドライバー、スクールバスを動かす学区のトランスポーテーション部門等、大変だろうなあとお疲れ様とねぎらいたい。
例えばスクールバス。地元オースティン学区にはこの学区内だけで84校の小学校がある。
今回の遠足、それぞれのバスは、「A校からコンサートに子供たちを運びコンサート後子供たちを乗せてA校に戻る」というのではないという。
学区のバスたちはコンサートまで子供たちを運んだあと、中にはすぐ別の学校に向かい再度子供たちを運んでくるものもある。
そしてコンサート後は、ずらりと並んで待機。学区内の学校で会場から「出てきた順」にバスに乗り込んでいく。つまりバスの運転手は、会場からどの学校に向かって帰るのか、その場の状況次第なのだ。
(コンサート後、子供たちがバスに乗り込む際、空には五線譜の雲が)
大変だろうなあ~と思うのだが、先生たちから「コロナが収まってきて、このような遠足がまたできるのは嬉しい」という声も。
そう、このコンサートもコロナで開催できず2年ぶり。
子供たちの楽しそうな姿を目にして、嬉しくなる。
そのうえ、誘導係の私にも、何人もの子供たちがきれいな瞳で「ありがとう」と言って帰路について行く。
お礼を言われたからというより、きちんとそういうことが言える姿に、大げさに言えば「未来は明るい!」と、とっても嬉しくなるのでした。