
「早起きは三文の得」。
本来の意味とは違うのだろうけれど、早起きしてラッキーだった今日。
土曜日なのに早くに目が覚めたので、大きなマグカップでコーヒーを2杯のゆったりな朝。
ふと、久しぶりにガレージセールでも覗きに行ってもいいなと思った。
近場で何か掘り出し物が見つかりそうなガレージセールがあるか広告を見てみると、そう遠くないところでエステートセールが行われるのを見つけた。
「エステートセール」というのは、亡くなった方の持ち物全てを、家全体を開放して売りさばくもの。
家具などの大物から、小物は「昨日まで飲んでいたコーヒー豆の残り」なんてものまで、値段が付けられて売り出される。
専用の業者もあり、今日のセールもそういう専門業者によって仕切られての開催。
驚いたのは、今日の広告には売り出される品々の元の持ち主が写真入りで紹介されていたこと。
「Aさんは**の仕事で、趣味で**を楽しみ、**にも住んだことがあり、**にも旅行し・・・」という紹介文を読むと、なるほどそういった場面で使ったりしていたのだろうと想像できる品々が並んでいる。
ひと様が使っていた物というのは、必ずしも良いイメージだけではないけれど、さすが業者と言うべきか、今日の広告はプラスイメージ。
にこやかに微笑む写真を見ると「ああ、この方がこれらの物に囲まれて人生を謳歌されたんだな」というポジティブな気持ちにさせられた。
で、大切にされてきたものを、今度は私のところで大事に使いましょうと思わせられるのだった。
で、このセール、昨日から開催されていた。
という事は、今朝気がついた時点で、すでにめぼしい物は目ざといバイヤーに買われていっている可能性が高い。
行くだけ無駄かな~とも思いつつ、やっぱり覗きに出かけてみようと決めたのは、いくつか見本に載せられた写真の中の、ビンテージなティータオルの柄に惹かれたから。

他にアンティークなミシンの写真もあり、ソーイング関連の小物もリストに上げられているので、ビンテージのプリント生地があるかも!とそそられたのだ。
エステートセールの場合、業者の仲介がはいるのと、ガレージセールよりもビンテージ価値もある品が出ること等で、価格設定はやや高めになる。
こんなものが出るという見本の中に、クラリネットもあった。
多分高いだろうし、まあ、もう売り切れてるだろうと思ってでかけたら、まだ残っていた。
古いのは古いけれど、状態は悪くなさそう。
高いんだろうな、と値札を見てみると・・・
えっ?65ドル???

目を疑った。
しばらく中古売買のサイトでクラリネットをチェックしてきたけれど、100ドル以下というのはまず無い。
そこそこのモデルだと中古でも500ドル前後の予算設定かなと概算していた。
650ドルの間違いではないかと何度も値札を見直したけど、やっぱり65ドル。
こりゃ、買いっ!
信じられないラッキー。
家に帰って早速メーカー刻印とシリアル番号で調べてみたら、50年代にフランスで製造された、ビュッフェ・クランポンのEvette&Schaeffer・Kシリーズ(E13相当)。
全く同じモデルの、シリアル番号が少ししか違わないものがebayに売り出されていて、売り出し価格は1195ドル。
65ドルはありえない破格。
多少のメンテは必要だけれど、ちゃんと音も出る。
有名なクラリネットの歌「♪ドとレとミの音が出な~い♪」ではない。

いや本当、早く目が覚めて、ガレージセールでも・・・と期待せずに出かけたのが、思いがけず心臓がドキドキするようなお買い得に出会ってしまった。

(一緒に入っていたリードも、ビンテージの良い雰囲気。これは使わないけれど捨てないで保管しておきます。)
早起きは三文の得。
良かった、今日速く目覚めてふとガレージセールにでも出かけようという気になって。
思いがけない、ラッキーで始まった、週末の朝。
このクラリネットのモデルは50年~60年代にだけ製造されたシリーズ。
という事で、本日のピンズは、同年代1964年の「詩」の入賞記念ミニバッジ。
BGM ベニー・グッドマン