
子供の頃の夢がくすぶっているというのは、ある意味始末が悪い。
2年ほど前、子供の頃夢だったアマチュア無線を始めコリだした夫。
ハムラジオの趣味というのは通信するだけではなく、アンテナやら部品やらを自作していくことも含まれる。
そこから、もう一つの子供の頃の夢が目を覚ます。
金属加工の溶接。
気がつけば、我が家のガレージは、1930年代の金属加工機やら、

コンピュータでプログラミングし金属を削っていく機械やら、

溶接道具やらの大人買いで、夫の趣味の基地と化していく。

日曜大工ならぬ日曜溶接ではすまぬコリ症な夫、コミカレの溶接クラスにまで通い、技術習得、修了。
(ちなみにコミカレの溶接関連のクラスで一番人気なのはジュエリー系のクラスだったらしい。)

さて、話は2日前に書いた「現在作成中のもの」に移る。
2週間ほど前、息子のラテン語クラスでプロジェクトの課題が出た。
授業で見た古代ローマに関する映画を元に、テーマを決めリサーチしレポートを書くこと。
レポートは3ページ以上。ただし、オプション選択として、テーマに沿ったモノを描いたり作ったりするのなら、レポートは1ページ以上で良し。
モノ作りのオプションは、当時の建造物を模型で再現したり、当時の食べ物を再現して作ったり、ポエムを作ったりなどなど。
息子、すぐに思いついた。
ウチにあるツールを使えば、金属で当時の道具が再現できる、と。
そうして、夫に指導されながら、シートメタルをカットしたり、

熱処理しながら形を作ったり、

ものすごい時間をかけてプロジェクト作品に挑む。
がしかし、「ものすごいモノを作りたい」と完璧を目指す息子、思った以上に一つ一つに時間がかかり、課題提出期限の今週火曜日の段階で50%ほどしか出来上がらなかった。
完成でなくても出来たところまでで提出した方が、採点は落ちても出さないより良いじゃない、という助言を振り払い、提出期限はもういいから、プレゼンの期限(火曜日~金曜で、生徒が順次自分のレポートをプレゼンする。息子は先生に説明し、金曜にプレゼンさせてもらうことにしてきた。)に完成させたいと、今週も作業を続けてきた。

そして今日ようやく完成品を、満足な笑みを浮かべて学校に持っていった息子。
クラスメートも先生も、息子の手間隙かけた作品には驚きを示したらしい。
ただし、結果はほろ苦い。
人一倍時間をかけて必要以上の大作を作った息子の、このプロジェクト(成績に大きな割合を占める)の得点は、それぞれ100点満点のうち、
プレゼン110点
リサーチペーパー110点
作品、0点
提出期限に間に合わなかったので、一生懸命作って完成したモノは、0点。
(先生もせっかく作ったものに0点は忍びないと、あとの110点はオマケ、がんばったのは解ったからとボーナス10点を含んだ最高点にしてくれたのだろう。)
もっと簡単なモノをとにかく作って出しとけば、最低でも0点は免れたのにね。
残念だけれど、良い経験かもしれない。
どんなにすごい構想があっても、どんなに頑張っても、期限に間に合わなければ何もないのと同じ。
頑張った事、完成させた喜びと共に、そんな事もこれからの人生での勉強になったに違いない。
と、それで終わるはずだったこのプロジェクト。
意外な展開に。
以前にも書いたが、息子は学校のラテン語クラブ部員。
ただし、今までの活動に全く参加していない幽霊部員。
過去のラテン・コンテスト大会も不参加だったし、来月行われるテキサス州のコンテスト参加者申し込みも当然のように興味なしでエントリーしなかった。
それが、今日のプレゼンを見た先生が「ここまで手をかけて作品を作る生徒はそういない。これで州コンテストに参加すれば部門優勝も夢じゃない。どうエントリーしてみない?」と、コンテスト参加を勧めてきたという。
「州大会で優勝すれば、ワシントンDCでの全米大会に進めるのよ。」
先生、ウマい。
コンテストとか競って勝つというのに燃える息子、全く興味のなかったラテン語大会への参加を決めた。
で、参加すると、参加者はプロジェクトのプレゼンと並行して、必ずラテン語のテストも受けねばならない。
コンテストを理由に、ラテン語苦手な息子のラテン語学習意欲が高まるかもしれない。
州コンテスト、息子の学校のラテン語部員は200人程いて(そんなにいるの!)、150人ほどがバス3台で出かけ参加。
コンテストは2日がかりなので、みんなでホテル宿泊することになる。
なんだか楽しそうじゃない、参加するだけでも。
というわけで、本当は完成品の写真を載せようと思っていたけれど、コンテスト終了まで写真を載せるのは待つ事にする。
これから手直しや追加をすると思うので、またなんだか大変になりそうな予感。
本日のピンズは「本日のTシャツ」に戻って、Welders like it hot(溶接工はお暑熱いのがお好き)Tシャツ。
マリリン・モンロー主演映画のタイトル、Some like it hot(お熱いのがお好き)をもじったパロディ。
BGM「ですメタル」真島昌利