千葉県公立高校入試の社会-10-1-1

正答率:27.1%


歴史の問題の中でも、難易度が高いとされるのが、この問題のような出来事を古い順に並べかえるものです。正答率もなかなかのものだ(笑)。

ところで、私は今「難易度が高い」と言いましたけど、それはなぜでしょうか。

それは、ざっくり言って2つの理由があります。

◆並べ替え問題が難しい理由
(1)歴史上の重要な事件・出来事を覚えていなければならない
(2)その事件、出来事が起こった時期・年代を覚えていなければならない

そこで、並べ替え問題ができない場合は、まず歴史の重要な出来事・事件(とそれにまつわる人物)を覚えること。まあ要するに、教科書で太字になってるもの、参考書で赤字になってるものをちゃんと覚えましょうってこと。

それから、事件・出来事が起こった時期・年代を覚えること。その方法は2つ。

(1)それぞれの出来事の年代を覚える
(2)出来事の流れを覚える

(1)の方法は特に説明するまでもないでしょう。

(2)の方法は、ちょっと難しいところがあるんだけど、要はなんでもいいから理由を作って、これが起こったからこうなった、ってゆーのを連ねていくってことだ。

そこで、歴史を大きく、江戸時代までと明治以降に分けて、覚え方を区別してはどうかな。方法としては2つあるから、どちらか楽だと思う方をやればよいけど、今回の問題にもなっている明治時代以降の出来事は、近い時期に起こっているから、「◯◯が起こったから◯◯」というように、流れを作りやすいので、(2)のほうがおすすめです。逆に、江戸時代までは、太字になるような出来事と出来事の間が何十年も空いていてつなげづらいので、(1)の方がよい。

たとえば、この問題では、このように考えてみよう。

明治時代の一つの大きな流れというのは、大日本帝国憲法ができるまでの一連の出来事があります。

ざっくりやっちゃうと

自由民権運動⇒大日本帝国憲法成立(国の仕組みが欧米に追いつく)⇒海外進出

というのが、すごく大きな流れ。自由民権運動はもうちょっといろいろな出来事があったんだよ。

民撰議院設立の建白書(自由民権運動の始まり)⇒うまくいかない⇒西南戦争(武力では無理だ!)⇒再び自由民権運動の高まり(自由党の結成、秩父事件)⇒大日本帝国憲法制定⇒海外進出の動き(日清・日露戦争など)

こういう感じで、ストーリーを作っておくと覚えやすい。ストーリーは、この際だから自分でかってに作ってしまっても構わないと思うよ。高校に行ってから、またいろいろ勉強すればいいんだから。

そこで、この問題の答え合わせをすると、秩父事件⇒大日本帝国憲法っていうのはもうわかりますね?

あとは、領事裁判権(治外法権)の撤廃だけど、これは、「◯◯条約」で達成することができたんだった。「◯◯条約」とは、「ポーツマス条約」でしたね。欧米列強の一つであるロシアに戦争で勝ったからこそ、欧米は領事裁判権の撤廃に同意した、っていう風に、これもストーリーを押さえておくこと。

というようにいったけれど、実際はなかなか難しい。まだ知識も十分でないのに並べ替えが苦手だからって闇雲に解くというのは、たぶんあまりいい勉強にはならないので、まずは、歴史の重要な出来事をちゃんと覚えるようにしましょうね。歴史が得意でない人は、歴史漫画はいいと思います。


☆答え☆

ウ⇒ア⇒イ



===蛇足=======================

上で見たように、明治時代以降に関しては、出来事と出来事のつながりをしっかり意識してほしいのですが、江戸時代までの出来事は、あんまり前後のつながりがないから、最低限「時代の区切りになる出来事の年代」は覚えていてほしいな。

たとえば、江戸時代までではこんなの。

<飛鳥時代>
 645;・・大化の改新(虫殺し大化の改新)
<奈良時代>
 710・・・平城京遷都(なんと見事な平城京)
<平安時代>
 794・・・平安京遷都(鳴くよウグイス平安京)
<鎌倉時代>
1192・・・鎌倉幕府成立(いい国造ろう鎌倉幕府)
1333・・・鎌倉幕府滅亡(鎌倉滅亡で北条一味散々)
<室町時代>
1338・・・室町幕府成立(いざ都は尊氏のもの)
1573・・・室町幕府滅亡(以後涙室町滅亡)
<安土桃山時代>
1590・・・豊臣秀吉全国統一(東国丸めて秀吉統一)
<江戸時代>
1603・・・江戸幕府成立(人群見つめる徳川家康)
1867・・・大政奉還=江戸幕府滅亡(人はむなしく大政奉還)

まずは、この10こから覚えてみてはどうでしょう。


千葉県公立高校入試の社会-07sha2_4_2

正答率:68.2%


【 解 説 】


国語の問題と言っていいかもしれません。間違えた人はもーーーー一度文章をよく読むべし。


よく読んでほしいのは、問題の2段目。


「浸水した場合に想定される水深を・・・」って部分です。どういうことかっていうと、大雨が降ったりして洪水になって田んぼや道路、家が水浸しになってしまったときの水の深さということですな。どういうところがより深く水の底に沈んでしまうかというと、標高が低いところ。山みたいに標高が高いところは、もちろん水に浸かりません。


この問題は、そんな水が浸からない部分(水深1メートル未満)の区域はどこか、ということです。


間違えがちなのは、きっと川から遠いところだろう・・・といって「ウ」を選んでしまう場合じゃないかな?発想は悪くはないんだけど、この問題に限っては、その考えは間違え。むしろ、西側にある「高塚山」をヒントに考えましょう。


なぜだめかというと、この地形図をざっと見ると、水田ばっかりなんですよね。台風の翌日とか田んぼをみると、水浸しになっていることが多い。それは川に近かったり標高が低かったりするから。


やっぱり地形図の問題なので、じっくり地図を見て答えないといけませんね。



正解 : ア




千葉県公立高校入試の社会-07sha2_4

正答率:88.9%


【 解 説  】


さて、毎年でてくる地形図の問題です。地図記号とか等高線の読み方、縮尺あたりをしっかり覚えておけば、まず心配ありません。


では、一つずつ選択肢を見てみましょう。


選択肢が説明している場所は「出来須」とか「赤江町」のあたりですね。ここは「 l l 」という地図記号がたくさんありますねえ。これは、「田んぼ」の地図記号なので、選択肢の説明は間違っています。


「高塚山」は、左の方にある山です。ところで、地図は、特に何もなければ「上が北」でした。すると、高塚山から見て、港は北東の方向にあるので、これも誤りですね。


「赤江大橋」から「飯梨川」の河口までの長さを、「めもり」を使って測ってみましょう。なんでここを強調したのかというと、このページの地図は実際のものを縮小してしまっているからです。


社会のテストでは定規は持ち込まないので、こういうときは鉛筆に印でもつけるしかないでしょうか。シャーペンみたいにボディが曲線になっている場合は、消しゴムでも使ってください。それで測ると、だいたい20㌢くらいかな?それに縮尺をかけてあげれば答が出てきます。縮尺は、地図の下の方に書いてる「1:25,000」ってやつ。20㌢×25,000=500,000㌢→5,000㍍→5㌔だから、ウも違う。


最後は「あらしま」駅から「飯梨橋」をめざして歩いた気分になってみましょう。あらしま駅の南側の道が飯梨橋につながっているので、これをたどっていきます。すると、ありますね。「豊島」という文字の左斜め下に「卍=寺院」が、右斜め下に「〒=郵便局」が、たしかにあります。


したがって、正しいものは「エ」。これが正解ということになります。


【 蛇 足 】

ほんとどうでもいいですけど、上の地図は実際にはこんな感じらしい。googleさんありがとう。たしかに田んぼだらけですね。


千葉県公立高校入試の社会-arashima2