という映画を昨日観ました(地上波で)。
ウィル・スミス主演の映画ということは公開当時知っていたのですが、ここ数年アニメ以外の映画は映画館で観たことがありません(笑)。
わざわざ映画館で映画を観るということをしなくなったのは、年をとったからでしょうか。
そうですね、きっと…。

で。
これって、よくアメリカが好きな「世界のピンチをアメリカが救う」的なお話なのかなーと思って観ていたんですが。
「えーーーーーー…。おいおいおい」というラストで思いっきり脱力しました、久しぶりに。

まさかのゾンビ映画だったのはいいとしてですね。

うーーん。
思いっきり後味が悪いというか、アメリカの割によくこんな映画を作ったなあというか、いやむしろ自由の国アメリカからできたことなのか、とかいろいろ思いました。




そもそも、どっかの科学者が作った癌の薬がきっかけなんですけども。
↓以下ネタバレ。





今から数年前に、はしかの治療薬を元に癌の特効薬を作って、最初のうちはそれですごい効果を上げていた科学者がいたんですけどね、という前ふりがあって。
でもある時、それが突然、変な副作用みたいのを起こして、薬を投与された人がゾンビみたいになっちゃって周りの人を襲うようになりました、と。周りの人に襲い掛かったり、驚異的な運動能力で周りのものを壊しまくる。で、あれこれしているうちに、それが人に感染するようになっちゃって、凶暴になった人たちが、他の普通の人たちを襲うようになって世界中がゾンビで溢れるようになっちゃって、というそんな話で始まります。

前半はそのゾンビたちが地球上に広がっちゃって、最後の生き残りがウィル・スミスみたいな描き方をしてたんですが。
ウイル・スミスは軍人で科学者でゾンビを元の人間に戻す為にいろいろ頑張っている人で。
ゾンビ化した人々をワシントンでワクチンのようなものを作って救おうとしていたのです。

しかしある時、ウィル・スミスはそのゾンビくんたちがしっかり自我を持っていることを知るのです。
しかも彼らはそれなりに思考も考えも持っている存在で、仲間同士、しっかり社会みたいなものまで形成してて、彼らから見たらウィル・スミスの方が「異端」な存在だった、というオチでした。
ウィル・スミスはゾンビとなった女性をワクチンで元に人間に戻す実験をしていて、もうすぐ人間に戻りそうだったんだけども、その恋人(?)のゾンビはスミスから彼女を救おうと乗り込んできて、スミスもそれを理解して彼女を元にもどしてやるという、そんなラスト。

そーいえば、ただのゾンビ映画みたいにゾンビが人を捕食するために殺す、という描写はなかったなあなどと後から思ったりしましたね。
最後は、共生していくことを臭わせるラストでした。
…ですよね?




なんつーか、久しぶりに視聴の後味が悪い話だったなと思いました。
というか、きれいな言葉では決して置き換えられない、現実にある話を連想させられて辛かったといえばいいのかな。

「自分の考えが正しい」
もしくは、よかれと思って信じて相手に勧めたことが、相手から見れば
「余計なお世話」だったり、むしろ「悪」だったりすることがある、ということを突きつけられた感じでした。

わかりやすいのが「戦争」なのかな。
双方が「自分の正義」「これが善」と信じて進んでも、一度立場が逆転すれば、「正義」「善」までがひっくり返ることがある。
「これが正しい」
ということを無理やり相手に押し付けることは決して「正しい」ことではないということ。

フセイン政権を倒してイラクを「民主的に」「正しい」道に導いたはずのアメリカだけど。

いまのイスラム国の誕生は、きっとこういうところから生まれているんじゃないかなと思ったことでした。



んーん。
こういうことは日常にもきっとたくさん溢れているんだろうなあ。
「善」と「悪」は、その立場、状況によって自在に変わる。


きっと自分の傍にも、ひょっこり顔を出すこともあるんだろうな。
そんな風に思いました。



コワイコワイ。