やってきました金縛り日記。

第3の経験
題名「黒髪の貴女」

進学して学生寮での生活が始まり数カ月。
新天地に揉まれながらも首の皮一枚でなんとか生活しているある時のこと。
その夜は夢を見ていた。
学生寮に住んでいる先輩の部屋に行く夢。
そこには先輩と私ともう一人、黒髪の女の人。
私は何故かこの女の人と離れてはいけない、と言う義務感があった。
先輩の部屋では、先輩が部屋を案内してくれていた。
玄関、リビング、キッチン。
ひと通り説明されてから気づく。
この部屋が寮が提供している部屋ではないと。
先輩の家族の気配もないあたり一人暮らしの部屋だと思われるが、だとするなら学生寮で生活する必要はない。
そう思った私は先輩に聞いてみる。

先輩。この部屋ってどういったことなんですか?

先輩はこの質問を「まぁ、どうでもいいじゃん」などと軽く流して、答えなかった。
すると私の横にいる黒髪の女が口を開いた。

私そろそろ帰ります。

そういって女は玄関へと向かった。
離れてはいけないと言う義務感がある私はもちろん女の後ろをついて行く。
玄関へと向かう女の子後ろ姿を見て私は思った。

この人誰だ?

そしてゆっくりと私は睡眠から覚めた。
仰向けで視界には天井がある。
その時だった。
足の方向にあるドアの前に先ほどの女が立っていた。
長い黒髪で服は白く、下を向き立っている。
気づいた私は身体が動かなくなっていた。
恐怖のあまり目を閉じた私に聞こえるのは低い音で何かが振動するような耳鳴りだった。
目を閉じて数分、そこには女の存在が間違いなくある。
動けない私は恐怖とともに眠りについてしまった。
目を覚ますと変わらない朝が訪れていたのだった。