ゴマノハグサ科、サギコケ属。
花期、4~6月。
草丈、10~15cm。
分布、本州~九州。
生育地、あぜ道・やや湿り気味の野原。
植物分類、多年草。
名前の由来、サギゴケの仲間で花が紫色なので。
花言葉、忍耐強い。
2008/04/29、千葉県佐倉市にて。
「ムラサキサギゴケ」
春の田圃の畔には、いろいろな野の花が咲いていて、それらを訪ねてみると面白い。
その中に、べったりと苔のように張り付いて茂り、ピンクがかったうす紫の、扁平な唇形の小花を咲かせる花がある。上から見ると、その花は、鳥が翼を広げている形にちょっと似ている。
ムラサキサギゴケだ。コケの名は付くが苔ではなく、ゴマノハグサ科の多年草である。草姿の地面に張り付くように茂る姿が苔を思わせるので、この名が付けられたのだろう。
ムラサキサギゴケのサギは、もちろん鳥の鷺のことで、上から見た花容を鷺の飛ぶ姿に模したものだろうが、鷺というよりも、その姿は小鳥が飛ぶ姿に近い。
その点では、わが国の湿地地帯に野生する、ランの一種のサギソウの方が、白鷺の飛ぶ姿にそっくりで、ムラサキサギゴケの方はちょっと首をかしげる名の付け方だ。
略して、単にサギゴケと呼ぶこともあるが、これは、この白花種に付けられたもので、紫色花種は、正しくムラサキサギゴケと呼びたい。
考えてみれば、白花種に付けられたのがサギゴケという名であるから、白鷺の飛ぶ姿になぞらえた命名も肯けないことはない。
(後文省略)
「柳宗民の雑草ノオト」。柳宗民:著。三品隆司:画。毎日新聞社:刊より。