つい最近の事。私の仕事はサービス業
。
毎日色んなお客様をお迎えし、お見送りする中、とってもお茶目で面白いお婆ちゃまと出会いました。
84歳にもなる、そのお婆ちゃま(お客様)は、同窓会の為、ホテルでのパーティ
&宿泊に来られてました。
みなさん、同級生ですが、お元気具合がそれぞれで。モチロンみなさんお元気だけど、ピンピンシャキシャキされてる方と
ゆ~ったりボケボケ(ごめんなさい
)の方もいて、今回出会ったお婆ちゃまは、どちらかというと後者の方でした。
ボケボケだけどシャキシャキされてるとこもある混合型?
事の始まりは、パーティ後、宿泊部屋へ移動したお婆ちゃま達は、それぞれ寛いでおられたようですが
夕食時になって、ルームサービス経由で、このお婆ちゃまより連絡が入りました。
それは、お婆ちゃまがパーティの後、お疲れの余りお部屋で少し寝入ってしまったが、目を覚ますと同室の方も
他の部屋の方も誰も居なく、どこに行ったか探してほしい・・との事。
ひとまず、お婆ちゃまの待つお部屋へ伺うと、耳の遠いお婆ちゃまが一人お部屋にいらっしゃいました。
私「お待たせしました、○○様」
婆「起きたら誰もおらんで、心細ぉて心細ぉて、どうしたらええんか・・ほんまに不安でなぁ~」と。
私「他のみなさんは、夜どこか行くって何か話していらっしゃいましたか? 和食を食べるとか、お肉を食べるとか・・?」
婆「いやぁ~なぁあんも言っとらんなんだ。一緒の部屋の人も、どこに行くって一言手紙でも残してくれてたら
良かったのに・・・ ワタシがすーっかり寝込んどるから、声かけたら悪いって思いはったんやろうと思うわぁ・・」
「もう不安で不安で、心細ぉ~て
」と。
とりあえず、片っ端からレストランへ問い合わせると、何軒目かでヒット。一安心とてレストランまでお送りしました。
お婆ちゃまは、不安で心細くて仕方なかったけど、体はピンピン、食欲旺盛と元気満点。
ただ、足腰がだいぶお悪く、杖をついていらっしゃるので歩行速度も他の方々より、かなり遅め。それでも自力で
しっかりとした足取りで歩いていらっしゃる姿は、頼もしいものでした。
その後・・・食事を終えてレストランからの帰りに出くわし、お腹いっぱい元気いっぱい再復活を遂げた、そのお婆ちゃまは
今度、ご自分のお部屋が分からない・・との事。他のみなさんと一緒に部屋へ帰る途中だったけど、前述の通り
そのお婆ちゃまは他の方より歩行速度が間に合わない為、すでにはぐれてしまってて。。
あり得ない部屋番号を唱えてる、そのお婆ちゃまを、またお部屋までお送りしました。
すると、そのフロアはお婆ちゃま達で溢れかえっていて、あちこちで天然が発生して収拾がつかない事態になっており
そのお婆ちゃまのお部屋へ辿り着くまでに、何人かのお婆ちゃまを救出し、ようやく部屋へ着くと、同室の方も合わさり
天然ワールドが始まりました・・・
《出演: 私 、 A婆 、 B婆 》
私 「お部屋は○○号室です。お部屋の鍵は、このカードです。ここに置いておきますね」と確認を促す。
A婆 「はい、わかりましたぁ。さぁさ、ねんねしましょ~」
B婆 「ご飯は?」 と、唐突な質問。
私 「明日の朝ご飯ですか?」
B婆 「食券、いるんかしら?」
私 「そうですね、お部屋の鍵の入っていた白い封筒、お持ちですか?」
B婆 「そんなん、もらってへんわよ」
A婆 「・・・・・・あ、アタシ持ってるわぁ、これぇ?」
私 「そう、それです。 B様はお持ちですか?」
B婆 「あ、あるわぁ、これぇ? 鍵ないわぁ」
私 「?? 鍵ですか? 今、入り口にある鍵はどちらの鍵ですか?」
A婆 「入り口? アタシはここに(バッグの中)にあったわぁ」
B婆 「アタシのは? なかったら、どうして出かけたらいいのぉ?」
もうお察しだと思いますが、部屋の入り口にあったカードkeyが、B婆様の分。
でも、それを説明したところで、理解してもらえそうにもないので、持ち合わせていた全く関係ないカードkeyを照明用に充て
私 「では、これがA様の鍵、こちらがB様の鍵ですので、それぞれ1枚ずつ持っていてくださいね」
B婆 「で、ご飯の食券・・・」
私 「ハイ、(封筒の中から)これが朝食券です。明日はみなさまとレストランで朝食ですか?」
B婆 「アタシはみんなとレストラン」
A婆 「アタシはお部屋のん」
私 「では、A様はお部屋にご飯が来たら、この朝食券を係に渡してくださいね。
B様は、この朝食券を持って、みなさんとレストランに行ってください」
A婆 「これ? 渡すんですか?」
私 「はい、そうです。ご飯と引き替えに、渡してくださいね」
B婆 「アタシは? これどうすんのかしら?」
私 「レストランに持って行ってくださいね」 (←だいぶ笑けて来ました)
A婆 「アタシの鍵は・・・?」
私 「ここです」と、再度、手渡し。
B婆 「朝食券は・・?」
私 「これです」と、再度、お見せし。
ようやく納得した様子の、お婆ちゃま2人に
私 「他に、何かわからないことないですか? 大丈夫ですか?」
AB婆「もう、大丈夫!ご苦労おかけしましたねぇ、、おやすみぃ」
私 「はい、では、おやすみなさ~い」
と、ドアを閉めかけて、聞こえてきた二人の会話。
B婆 「で、この白い封筒、なぁに・・?」
A婆 「・・・」
ドアを閉めて、帰って来ました。
まだまだ夜は長そうな、お二人でした
・・・翌朝に続く。。