大好きな大先輩、小原乃梨子さんがご逝去されました。

小原さんとは、平成版「ヤッターマン」で、数年間ご一緒させていただいておりました。

当時の私はグラビア全盛期で、声優業界の中でも私の存在は賛否両論でした。

今でこそ、声優さんがセクシー写真集を出すのは普通になりましたが、当時は声優がセクシーな格好で…ましてやセクシーグラビア写真集などを出すのは、異例であり異端でした。


そんな中、オーディションでヤッターマンのオモッチャマ役が決まり、

“たかはし智秋は大御所先輩方と一緒にアフレコをしても大丈夫なのか”

と、スタッフの皆様が心配し、私も極力失礼のないようにと努めておりましたが…時間の関係などでどうしても、現場に胸出し足出し肩出しのセクシー衣装で入ってしまうこともあり…

スタッフの皆様は、気が気ではない場面もあったかと思います。

しかし、大御所先輩方は…

“どんな格好だろうとオモッチャマの声と芝居ができれば関係ない”

と仰ってくださり、その寛容なお心に感謝の気持ちでいっぱいでした。

特に小原さんは、

「自分に似合うものを身に付けることはとても大切。あなたは似合う格好をしているだけなんだから、それでいいのよ!」

と、いつも暖かく励ましてくださいました。

そして、毎週隣に座らせていただき、お芝居のことはもちろん、人生について、恋愛についてなど…深いお話もたくさん聞かせていただきました。

収録の後、オシャレなカフェへ連れて行ってくださったり、“智秋ちゃんは胸を出していて喉が冷えやすいから”と、セクシーな装いにピッタリな、とても素敵なスカーフをプレゼントしてくださったり…


今思い出しても…小原さんとの思い出はキラキラしていて、色鮮やかに私の記憶に残っております。


小原さんからいただいた言葉で、今でも良く思い出すのは。


『良いことは長く続かない。悪いことも長く続かない。一長一短よ』


厳しい面も持ち合わせている方でしたので、様々な場面で言及されることもあったかと思いますが、この言葉の通り、決して一喜一憂せず、常にクールに物事を捉えていらっしゃる中で、女優として、声優として、ご家族の中ではご家族の一員として、過ごして来られた小原さん。


ほんの数年間でしたが、ご一緒させていただき、とても幸せでした。

謹んでお悔やみ申し上げます。

安らかにお眠りになられることをお祈りいたします。






             
            たかはし智秋