妹の名前は香織。
この世に生をうけて、たった三年やった。
髄膜炎に負けた。
研修医の怠慢+経験不足。発見が遅かった。
母は何度も病院に行ったけど、
風邪ですよ~で終わった。
おまけに「お母さん、風邪だって言ってるでしょ。何年母親やってるの」と看護師は母に言い放ったって。
こんな無念ない。
私は香織とよく散歩に行った。
家の近くの堤防あたり。
行きは手を繋いで歩いて、帰りはおんぶして帰ってた。
今でも頭に焼きついて離れないシーンがある。
ある日の帰り道、堤防の下の道で、香織は疲れて歩けなかった。
香織ちゃん、帰るよ!と言って、私は歩いた。
香織はじっと立ってた。
一歩も動かずに私を見つめてた。
香織はおんぶして欲しかった。
私はわかってるのに、しなかった。
私たちの間にはどんどん距離がひろがって…
私はわざと曲がったふりをして、隠れた。
なんであんなことしたのか。
香織はひどく悲しい顔をしてた。
香織が死んでしまって、もう20年以上経つ。
鮮明に残る情景と、ものすごく、とてつもなく大きな後悔が私の記憶に焼きついてる。
なんであんな意地悪したんやろう。
なんですぐにおんぶしてあげんかったんやろう。
ごめんなさい。。
私は、ずっと背負って生きる。
香織、本当にごめんね。
本当に大好きやったよ。
意地悪したお姉ちゃんを許してね。
人が生きてるのは当たり前じゃない、奇跡。
次の瞬間には消えてしまうかもしれない命。
やったら、無駄な意地悪なんてやめて、愛する人をたくさん抱きしめて、
生き抜きたい。