5.持久力
バスケットボールには体力、つまり持久力がなくてはならない。バスケットは無酸素運動が連続する競技であり、トレーニングでいえば、丁度インターバルトレーニングをしている様なものだ。ダッシュしたかと思えば、2~3秒後にはステップ(スライド)、そしてジャンプする。しかも自分のリズムで行うだけでなく、相手の動きに反応して有無を言わさずその様な運動をしなければならないのが、バスケットボール競技の特徴でもある。その為、相当な体力が無いと対応出来ない。
ロッドマンの持久力だが、これは年齢を感じさせないパワフルなプレイですでに実証済みだといえるかも知れない。勝負を決定づける大切な時間帯を知ってるかのごとく、勝負所の時間に相手を封じ込む仕掛けや、たたみ込む様な攻撃を浴びせていく。相手に取って、2度とロッドマンとゲームをしたくないと、思わせる事が出来るプレイヤーなのだ。
また、相手にフラストレーションを沢山溜めさせる為、反感をかってしまうプレイヤーでもある。ロッドマンの方が精神的に有利に事を進めたいと思う事でもある。これがロッドマンの周りで喧嘩が起こる原因の1つだ。ロッドマンは相手を洗脳していると自伝って言っているが…
 
さらにロッドマンの走り方は他の選手達と違い、ロッドマンはいつもピョンピョン飛び跳ねる様に走っている。この走り方は陸上の短距離走の走り方だ。ゲームの48分間、変わらぬスピード、スタイルでそのまま走り続けてしまう。マラソンランナーにも劣らず持久力を持っている。
普通バスケットプレイヤーはいつでも止まる事ができ、そしていつでもプレイに対抗出来る様に、腰は低く太ももがあまり上がらない走り方をする。
しかしロッドマンは、あくまで自分のリズムで走るのだ。
バスケットの試合ではインターナショナルの場合、試合時間1時間30分で10km走るというデータがある。NBAは1回の攻撃時間(ショットクロック)が24秒であり、しかも2時間30分もゲーム時間がある。この為1ゲームに走る距離は、10kmの1.5倍はあると考えられる。プレイタイムが長く、運動量の多いロッドマンの場合は、おそらく20kmは走っている事になるだろう。しかも持久走ではなく10~30mのダッシュを繰り返しているのだ。その上、走っている時にもプレイに対する判断が必要となる為、余裕を持った走りをしなければならないのだ。
つまり、インターバルトレーニングで15~30mのダッシュ、そしてジャンプ、ステップ=スライド、これに加えて計り知れない程のパワーを必要とする体と体のぶつかり合いがあるわけだ。
この様にロッドマンはとてつもない体力、持久力を持っている。それがNBAのプレイヤーの中でも、トップクラスの凄い体力である事は間違いない。
 
6.総合力
ロッドマンには精神的なタフネスさがある。これが全てのベースになって、走れば短距離選手並みでマラソン選手と同様の持久力、ジャンプも人並み外れた凄さ。体当たりでも自分の1.1倍~1.2倍の大きさ(身長230cm前後)のプレイヤーを物ともせず、上半身と下半身のバランスの良さは抜群に鍛え上げられてる。
 
ロッドマンの凄い筋肉は、体のどの部分も強固に鍛え抜かれている。しかし体全体のバランスを保つのは容易な事ではない。どこかに長所があり、どこかに短所があり、その短所を長所がカバーする事で成り立っているのが普通のプレイヤーだ。
この点からいってもロッドマンは、全ての面で非凡な能力を兼ね備え、陸上のトップアスリートと比較しても引けを取らない凄いプレイヤーなのだ。またその全てを上手に均等に使い分ける総合的な能力も、ずば抜けている。
また、並大抵のメンタルの持ち主では、これだけの筋力を保ち続ける事はできない。どこかで妥協したくなるものだ。それをロッドマンは、当たり前のごとく決して手を抜かずにトレーニングに励んでいるのだ。
 
参考文献 倉石平著 デニス・ロッドマン絶対かてるNBAテクニック



デニス・ロッドマン3


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