「親がいなくてもやっていける自分」のために

25歳の時に一人暮らしを始めた。

 

「自分でやっていける」と思いたかったのは

自分が何もできないダメ人間だと思っていたから。

 

 

入居したアパートで初めて朝を迎え、

身支度をしていた7時頃、母から頼んでもいないモーニングコールがなった。

「何?」と電話に出ると

「ちゃんと起きられているのかと思って・・・」という母に

カッとなり「…頼んでもないのに電話しないでよ!」と怒ってしまった。

 


台無しだと思った。

 

器用に、「大丈夫だよ、ありがとう。もう次から電話はいいからね」なんて言えない。

きっとそういう言葉をさらっと言えるのは

これまで両親といい関係を気づいてきた子だと思う。

 

 

過干渉な親元から離れたくて一人暮らしを始めたのに。

 

電話がきたことで、また、「私はダメなんだ」と思わされた。

寝坊して遅刻したって自分の責任なのだから

放っておいてほしいのに。

 

実際、その後、二日酔いで寝坊して遅刻や

風邪をひいて熱をだし始業までに職場に電話できなかったことなどもあったけれど

だらしない自分も、母からのモーニングコールで起きるより

よっぽどましだと思った。