Kさん


今日、仕事が終わった6時40分にそごうの目の前の居酒屋前で待ち合わせした。

以前からずっと仕事帰り一度寄ってみたいと思ってた居酒屋で、Kさんは何度かそこに飲みに行ったことがあると聞いて是非行きましょうということになった。

少しだけ緊張したかな。

でも今日の私は店のお客様2人に

「あなた綺麗ねー、すごく素敵!」

と言われたので、その日の私は多分イケてたんだと思う。多分、Kさんをガッカリさせる事はないだろうと思ったね。

約束の時間の3分前にそごうを出たらもう正面に居酒屋が見える。

駅に続く道なので人通りが多いけど、店の前に立っている男性などおらず、「は?この綺麗で素敵な私を待たせんの?」とオラつきながら店の前に立ち、先日自分のお給料で買ったSEIKOの腕時計を見て時間を確認した。それから向かい側の歩道から視線を感じたのでふと見ると、トレーナー姿の男性が。

一度目を逸らし、いや待てよ、お前がKか?と再度そいつに目をやると、そいつは笑顔になり私に歩み寄ってきた。

そいつこそがKだった。

いや、そいつとか言ってごめん、その男性がKさんだったのです。

お互いにアプリ内の偽名で挨拶し合ったあと、その居酒屋に入店。

カウンターを案内された。

Kさんはアプリの写真より老けて見えたが、正直実物の方がよかった。顔の造形と年相応の枯れ方が私の好みだった。

一方のKさんによる私の印象は。

「すぐに分かりました」

と。


帰りは電車に40分揺られなければならないのでお酒は3杯に抑えた偉い私。

そのかわり仕事帰りなのでお腹が空いていた私はここぞとばかり食べた。

「すみません、私ばかり食べて…」

とさすがに一度謝ったくらいだよ。

でもKさんは「そんなに食べてくれて嬉しい」と。こんなんで嬉しいとかマジか。

そしてお酒はこれでやめておきますと言った私にこれ以上勧めるような事もしなかった。

Kさんは紳士でした。

Dちゃんとは大違いだよ全く…

駅構内に入ってからLINEの交換をした。

それからKさんは1階によく買いに行く美味しい鯛焼き屋があるから寄りましょうと言ってそこに行き鯛焼きを買ってくれた。お土産ですね。そして私が乗る電車の改札で解散。

帰宅してからお礼のLINEをして、少しやり取りしてお互いおやすみなさいの挨拶をして終わった。


LINEの文中で

「アプリの写真から想像していたイメージがお会いして覆りました、◯子さんのことをもっと知りたいです」

みたいなこと書いてあったので、多分私に好感を持ったんだろうね。まあ知らん方がいいと思うよ、これ以上の私は。

だって、全然飲み足りないと思った私は帰りの電車からDちゃんに今から飲めない?とLINEしてるんだから。

なのにDの奴、もうお風呂入っちゃったからごめんねだとさ。何が風呂だよ。

そんで仕方ないから大人しく家に帰って鯛焼き食べたってわけ。